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第91回日本学生氷上競技選手権大会
12月25日(火) 白鳥王子アイスアリーナ
東洋大18―0京産大
[ゴール(アシスト)]
--:-- 阿部(武部)
2:35 笹川(千葉、福田)
4:12 柴田(出口、武部)
5:19 久米(古川誠、清水)
5:49 坂本(猪狩)
6:04 所(阿部)
13:18 古川誠
17:25 石倉(千葉)
20:49 所(川口)
22:44 古川誠(久米、清水)
28:03 所
28:53 阿部(柴田)
32:01 所(石橋、出口)
32:13 武部(阿部)
40:58 阿部(柴田)
51:19 笹川(古川誠、出口)
53:28 石橋(久米)
55:11 坂本(柴田、阿部)
POS | 背番号 | 名前 |
GK | 34 | 古川駿(社4=八戸工大一) |
GK | 31 | 水田(社3=駒大苫小牧) |
DF | 46 | 渡邉(社4=日光明峰) |
DF | 26 | 川口(社3=白樺学園) |
FW | 11 | 所(社3=駒大苫小牧) |
FW | 13 | 出口(社4=駒大苫小牧) |
FW | 24 | 石橋(社3=駒大苫小牧) |
DF | 23 | 佐藤(社4=駒大苫小牧) |
DF | 12 | 福田(社1=日光明峰) |
FW | 18 | 阿部(社4=白樺学園) |
FW | 16 | 武部(社2=苫小牧工) |
FW | 19 | 柴田(社4=武修館) |
DF | 8 | 坂元(社4=清水・北海道) |
DF | 29 | 中村(社3=八戸工大一) |
FW | 14 | 久米(社1=駒大苫小牧) |
FW | 48 | 清水(社2=白樺学園) |
FW | 21 | 古川誠(社4=白樺学園) |
DF | 33 | 千葉(社2=駒大苫小牧) |
FW | 22 | 石倉(社3=八戸工大一) |
FW | 17 | 笹川(社4=日光明峰) |
FW | 20 | 猪狩(社2=駒大苫小牧) |
FW | 32 | 坂本(社4=八戸工大一) |
FW坂本のゴール後に笑顔で集まるラインメート
FW坂本は2ゴールの活躍でチームのMVPに選出された
ハットトリックを達成したFW阿部
日本一を懸けた最後の戦いが始まった。第91回日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)1回戦で対したのは関西学生リーグに属する京産大。18-0と完封勝利で次の戦いへ駒を進めた。
1ピリ開始から1分も経たないうちに、FW武部(社2=苫小牧工)のパスを受け取ったFW阿部(社4=白樺学園)が先制点を決める。その後もFW所(社3=駒大苫小牧)やFW笹川(社4=日光名峰)など様々な選手がゴールを決め1ピリ終了時点ですでに8点差。2ピリ、3ピリでも攻撃の手を緩めずゴールを奪いにいく。GKは古川駿(社4=八戸工大一)と水田(社3=駒大苫小牧)のリレーで見事完封。京産大を圧倒した。
また、この試合はチームにとって忘れられない一戦になった。FW坂本(社4=八戸工大一)がけがの影響でこの試合限りでユニフォームを脱ぐことに。前十字靭帯断裂の大けがを負うも、1年半の期間を経て今年の夏から復帰。コンスタントに得点を挙げる欠かせない存在のFW坂本。しかしインカレ前に参加した国体予選で再び同じ場所にけがを負う。インカレではもうユニフォームを着てプレーすることはできない――。そのはずだった。それでも最後に彼をリンクに立たせてあげたいというスタッフやチームメートの思いがあり、最後にこの試合でプレーすることが決まった。
FW坂本は「本当に幸せ者」と、この舞台でプレーできる喜びや仲間との最後のプレーを噛みしめながら氷上を駆けた。FW坂本と同じセットで出場したFW阿部が「あいつが決めてほしいっていう思いでみんなやっていた」と話したように、チームみんながFW坂本を思いながらプレーした。誰よりも苦しんだ彼がゴールを決めると、ラインメートは笑顔でFW坂本に駆け寄り、ベンチからはこの試合で一番の歓声が響く。FW坂本がこの日2本目のゴールを決めたところで、試合は終了した。
次戦は同志社大との戦い。今秋に関西学生リーグで準優勝を果たした相手だ。だが、鈴木監督が話したように「自分たちのプレーをするのみ」。ベンチに入ることのできない選手の思い、支え続けた家族の思い、様々な思いを力に変えて優勝への道を進む。
◼️コメント
・鈴木監督
(インカレ前の合宿は)練習試合は組んではいなくて練習のみだったが、ゲームを想定した練習をやり続けられたのですごくいい合宿で締めくくれた。特に大会入るにあたって新たなことだったり特別に声をかけたことはないが、本当に練習もすごく良かったのでその練習通り自分たちがいかに力を出すかということだけを選手たちに話した。今日はスタートからしっかり足も動いていたし、シュートもたくさんゴールに集めていい習慣を持ってプレーしたことがいい結果に結びついたと思う。(この試合のMVPは)今日のMVPは坂本渓太。インカレ前にまたけがをしてなかなかいい状態ではなくて、正直今日が本人の最終ゲームだったと思うけど、本当にいつも通り一生懸命やってくれて動いてくれた。本当に4年間チームのためにやり続けてくれたことに感謝する。正直ずっとメインで出ていた選手ではなかったが、その中で本当に役割を全うしてチームのためにプレーしてくれた選手。本当に監督としてはすごく、チームのために働いてくれた、一生懸命プレーしてくれた素晴らしい選手だったと思っている。(次戦に向けて)相手がどうこうというよりは自分たちのプレーをするのみなので、あとは東洋大らしいプレーを最初からできるように明日に準備したいと思う。(インカレ通しての目標は)もちろん優勝です。
・DF渡邉(社4=日光明峰)
インカレ初戦ということで今まで練習でやってきたことをみんなができたかなと思う。今日4年生全員出られて、監督が4年生だけのラインをつくってくれてあまりそういうことはないので楽しかった。(DF陣は)今日は思っていたほど仕事はなかったがニュートラルゾーンのリグループとかよくできていたかなと感じる。(次戦に向けて)4年生はインカレが最後だし、ハードワークするのはもちろんだけれどみんなで楽しんでいい結果で終わりたい。
・FW阿部(社4=白樺学園)
1回戦ということでよく知らない相手だったが、みんなそれぞれ自分のプレーだったり、各セットのプレーだったり、どのセットも結構点数を決められたかなと思う。(自身の振り返り)自分の今日の調子としてはこのインカレ合宿で練習してきて、練習よりも全然悪くて動きも悪かった。パスレシーブの精度だったり、状況判断も少し自分的には駄目だったかなと思う。(同期のFW坂本の最後の試合だったが)チャッキー(坂本)は春もけがをしていて出られなくて、そこから夏で復帰して、復帰戦でゴールしたときも僕と同じセットでやっていた。そのときもあいつに決めさせてやりたいと思ってプレーをしていたし、チームもあいつが決めてほしいっていう思いでみんなやっていた。今回の試合がたぶん最後になるかなと思ったが、一番つらいのはチャッキーだと思う。チームにかける思いがあいつは人一倍強いと思うので、その分ゴールさせてやりたいという気持ちは大きかった。(インカレでの目標)優勝しかないです。
・FW坂本(社4=八戸工大一)
インカレ初戦っていうことでチーム的にはしっかり最後の大会初戦をしっかりいいスタートきってこれからの試合につなげようって意識していた。個人的には前十字靭帯をまた切ってしまって試合も出られない予定だったが、もう出られないはずだった試合でテーピングまいてスタッフが自分を使ってくれて、そこは感謝してもしきれない。僕一人入ることによってベンチに入れない選手もいる。そういうことを考えたら最後足痛いとか理由にしている場合ではないし、使われているからには出ていない人の分も頑張るという気持ちでやっていた。(ゴールシーンを振り返って)密かに最後引退試合というのが分かっていたので狙っていた。仲間のサポートのおかげで2ゴールも決められて、最後にいい思い出になったなって。本当に周りの選手のおかげです。(最後の試合ということでチームメートとなにか話などあったか)特に話したことなどはないが、シフトで僕の名前呼ばれた時には「チャッキー、チャッキー」って呼んでくれたり、点数決めた時にはみんな喜んでくれて。本当に幸せ者だなあと思います。(親御さんとは)18年くらいホッケーやらせてもらって、妹も家族も犠牲になってホッケーに時間費やしてくれたので、僕だけの試合ではなくてチームみんな、家族みんなのために最後頑張ってきなと言われて、その通りだなと思って頑張りました。(チーム内MVPに選ばれたが)特にいいプレーも大したプレーもしてないが、前十字切ってまで痛みも多少あったがテーピングして出てよかった。MVPくれたのはGK古川駿(社4=八戸工大一)なんですけど、古川とは小さい頃から高校も大学も一緒で。地元同期で一緒にプレーしてきたので、MVPとれたのもうれしいが、最後古川が選んでくれたっていうのがうれしい。僕の分もあいつに頑張ってもらって、最後優勝できるようにしてほしい。
・FW柴田(社4=武修館)
最初からみんな体も動いていて、すぐ得点も取れて、自分たちの流れにもっていけたので良かったかなと思う。引き続き明日も自分たちのスピードあるプレーっていうのができれば、勝っていけるかなと思う。(最後のインカレだが)リーグ戦でけがをしちゃって出られなかったので、インカレに対する気持ちっていうのは強い。その中で自分のできる役割っていうのがあると思うので、そこでしっかり自分のできるプレーを、得点とか体を張ってチェックいったりとか、そういうところで貢献していけたらいいなと思う。(試合に出られない間)最初はけっこう悔しかったけどチームメートがやってくれると信じていたので、チームメートを信じて自分のけがを早く治すことに専念していた。(同期のFW坂本の最後の試合だったが)あいつはしっかり練習もしていて、影でトレーニングとかもウエイトトレーニングとかもやっていて。本当に頑張っていた選手だったので、普通だったら試合に出ているんですけど、けがという形で出られなくなったのが本当にかわいそうだなというふうに思う。だが、そのためにもこの大会でしっかり優勝して、あいつを喜ばせてあげたいかなと思う。
・FW出口(社4=駒大苫小牧)
初戦だったがみんな足も動いていて、いつも通りの感じだった。(チームの調子は)みんな足が動いていたのでこのままいけば全然勝って行けると思う。18点取れたことは次の試合につながったのかなと思う。(次戦に向けて意気込み)今日と同じくみんなが足動かせれば全然勝てると思うので、明日も東洋大らしいホッケーで勝ちたい。
TEXT=川口朋珠 PHOTO=伊藤なぎさ、外狩春佳、越塚日南