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第27回全日本大学女子サッカー選手権大会 2回戦
12月25日(火) 三木総合防災公園第2陸上競技場
東洋大3ー0吉備国際大
<得点者>
17分 大内
25分 大内
90分 常田菜
<出場メンバー>
▽GK
垣内愛菜(食4=大商学園)
▽DF
出来村亜美(食1=飛鳥)
久保真理子(食4=成立学園)
山幡あや(食3=常盤木学園)
林みのり(食1=大商学園)
▽MF
常田菜那(食2=大商学園)
松井彩乃(食4=聖和学園)
斎藤麻由(食3=常盤木学園)→90+1分 増淵彩乃(食2=仙台育英)
常田麻友(食2=大商学園)→88分 澁澤光(食1=常盤木学園)
▽FW
塩谷瑠南(食1=前橋育英)→HT 牛久保鈴子(食1=作陽)
大内梨央(食2=常葉学園橘)→90+3分 鈴木環子(食4=ノルディーア北海道)
快勝を収め2回戦突破を決めた
チームに勢いをもたらした大内のゴール
垣内は無失点で勝利に貢献
12月23日に開幕した全日本大学女子サッカー選手権大会(以下、インカレ)。2回戦からの出場となった東洋大は中国地区第2代表・吉備国際大と対戦した。前半に大内(食2=常葉学園橘)の2ゴールでリードを奪うと、守備陣も無失点で抑え3-0の快勝。準々決勝進出を決めた。
負けたら終わりのインカレ初戦ということもあり、「みんないつもより固かった」とGK垣内(食4=大商学園)が最後方から見たチームには緊張感があった。序盤は自陣でのプレーが続き、DFの背後を取られポストをかすめるシュートを打たれるなど、難しい立ち上がりとなった。それでも15分、ペナルティエリア外から大内がこの日チーム1本目となるシュートを放つ。これは惜しくもGKに弾かれたがCKを獲得。ここで得たCKからゴール前に混戦をつくり、最後はファーサイドで大内がボールを押し込んだ。苦しい立ち上がりから一転、先制点を奪ったことより選手たちは落ち着きを取り戻す。25分には自陣で林(食1=大商学園)がボールを奪い、すぐさま前線の大内にパスをつける。大内はワンタッチで左サイドに張った塩谷(食1=前橋育英)にはたくと、自らもさらに前線へ。リターンパスをもらった大内は、緩急をつけた突破で相手DFを置き去りにする。最後はGKとの1対1を冷静に沈め、この日2点目のゴール。先日行われた第30回ユニバーシアード競技大会候補合宿を経て「モチベーションが変わった」とレベルの高い選手たちとの競演からさらなる成長の糸口をつかんだ。この日の大内の活躍を見た戸田監督も「素晴らしい2ゴールだった」と手放しで称賛。エースがしっかりと仕事を果たした前半となった。
後半は吉備国際大も前掛かりになって東洋大ゴールに迫ってくるが、76分にはGK垣内がこん身の横っ飛びでゴールを守り追撃を許さない。粘り強く守り続けた東洋大は90分、敵陣でボールを奪うと最後は常田菜(食2=大商学園)がダメ押しのゴール。そのまま試合は終了し、3-0の快勝で2回戦を突破。「失点が無かったのが一番よかった」と豊富な運動量で攻守に貢献した出来村(食1=飛鳥)は初のインカレの舞台にも堂々としたプレーを見せた。
準々決勝の相手はこれまで1度も勝ったことのない日体大。今季の関東大学女子サッカーリーグ戦では、2-3と接戦の末敗れている。いかにして日体大の強力攻撃陣を封じ込めるか、守備陣の奮闘が勝利には欠かせない。インカレの舞台でリベンジを果たし、年明けに味の素フィールド西が丘で行われる準決勝の切符を手に入れたいところだ。
■コメント
・戸田監督
非常に難しいゲームになるというのは選手達に伝えていた。前半に大内中心に得点を取れたことで自分たちの試合運びができた。(インカレの準備期間は)まずは大学リーグで出た課題、相手のロングボールだったり、クロスへの対応のところを共有した。そこは選手たちも前向きに取り組んでくれて、今日も危ないシーンはあったけれど、体を張って対応してくれたかなと思う。(2得点の大内について)この間ユニバの選考会に行ってきて、自分の中でも結果を出し続けなければ次に声を掛けられることはないということを肌で感じていたと思う。それが試合にも出ていて素晴らしい2ゴールだったと思う。(後半の戦いは)相手がボールのところにプレッシャーに来るには分かっていたので、そこでのミスは避けようと話した。後ろからつないで崩していくサッカーをトーナメントではやるときとやらないときのメリハリが必要になってくるよということは言っていた。その辺は久保と林を中心にいい判断をしてくれて、相手陣地に追い込むことができた結果が3点目につながったと思う。(次戦に向けて)日体大は創部以来勝ったことのないチーム。ぜひリベンジして西が丘に帰りたいと思う。
・垣内(食4=大商学園)
入りは自分たちのペースじゃなかったが、先制点を取ってくれて、少しずつ緊張感もとれて良かったかなと思う。みんないつもより固かったので緊張していたと思う。自分もしていた。危ない場面もあったが、みんな体張って止めてくれた。セーブしたシーンはコーチが蹴ってくれているシュートコースだったので、練習通りだなと思っている。(次戦に向けて)次は絶対リベンジして、しっかり勝てるようにしたい。自分たちは日本一を目指しているので、次の試合勝って年を越したい。
・大内(食2=常葉学園橘)
最初の点を取れたのが今日の勝利の要因だったと思う。全体的にはっきりしたプレーが多かったので入り方が良かったと思う。(1点目、2点目を振り返って)1点目は高いボールを右足で打ったが、あれは押し込んだ形。2点目は1年生の瑠南(塩谷)から左に横パスがきたのでセンターバックの間が空いていたのでそこをコントロールで突破した。(ユニバシアードの練習で得たものは)レベルが高いというところでトレーニングできたことが自分の自信にもなったし課題もたくさん見つかったのでそこからモチベーションが変わった。(ポストプレーで味方を生かすプレーが多かったが)このくらいのレベルになると強い相手が来ると思うのでFWが縦関係になることを意識した。(次戦に向けて)2回戦いいチームでいい形で勝利を取れたので3回戦もチーム一丸となって全員で戦っていきたいと思う。
・出来村(食1=飛鳥)
先発で起用されて絶対勝つという気持ちで入ったので失点がなかったのが一番良かった。(攻撃では裏を狙うシーンが多かったが)相手の裏が空くというのはミーティングで話していたのでそこを常に狙っていい形でゴールできたので良かった。(後半押し込まれる中で無失点で終えられたが)失点がなかったことで次につなげられたので次も無失点で勝ちにいきたいと思う。(初めてのインカレの雰囲気は)すごく緊張した。でも楽しむと前日から決めていたので会場の雰囲気にも飲まれるずに楽しくできたと思う。(次も厳しい戦いになると思うが、先は見ずに一戦一戦戦って絶対に西が丘に帰れるようにまずは明後日に向けて頑張りたい。
[次戦試合予定]
第27回全日本大学女子サッカー選手権大会
準々決勝 12月27日(木)vs 日体大
みきぼうパークひょうご第1球技場にて 13:40キックオフ
TEXT=美浪健五 PHOTO=土橋岳、谷口奏生