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2018.12.29
その他

[特集]スポトウが見た!NHK大河ドラマ「いだてん」の魅力

「いだてん」で主演を務める中村勘九郎さん


 1月6日からNHKで放送される大河ドラマ「いだてん~東京オリンピック噺~」のイベントに参加しました。その様子、そしてドラマの魅力をスポトウ目線でお伝えします!


 この物語は“日本で初めてオリンピックに参加した男”金栗四三と“日本にオリンピックを招致した男”田畑政治の二人を中心に進んでいきます。日本が初めて参加した五輪、1912年のストックホルム大会から幻となった1940年の東京大会、そして敗戦、復興。1964年東京オリンピックが実現するまでの激動の半世紀が描かれています。





 このイベントでは、実際の撮影セットの見学や出演者、監督へのインタビューの時間を設けていただきました。細部までこだわられた小道具や背景、製作スタジオの様子など制作の裏側をのぞくことができました。




中村さんにお話を伺いました


 今回、金栗四三役で主演を務める中村勘九郎さん。主演の依頼が来る前から宮藤官九郎さんが脚本を務める大河ドラマということで、何役でもいいから出演したいと思っていたそうです。だから主演の話を聞いたときは「倒れそうになった(笑)」とおっしゃっていました。中村さんが演じる金栗四三は日本で初めてオリンピックに出場した人物。目標に向かってまっすぐに突き進む男で、故郷である熊本の往復12kmの通学路を走る様子から「いだてん」と呼ばれるようになった実在した人物。それだけではなく今でも走る時に誰もが使う「スースーハーハー」という呼吸法や、「高地トレーニング」を最初に行ったり、私たちにとってもなじみのある箱根駅伝の開催に尽力した人物でもあります。 

 走ることが好きではなかった中村さんは、マラソン選手を務めるにあたってトレーニングをして撮影に臨んだそうですが、スポーツ足袋での撮影にはかなり苦戦したそうです。また劇中では、熊本弁を披露。監督が台本の芝居が終わってもカットをかけずに演技を求めることがよくあるそうなのですが、最初は言いたいことがあっても熊本弁に変換できなくてもどかしさも感じたと、こちらも悔しい想いをしたことなど撮影秘話を明かしてくれました。

 最後に中村さんは視聴者に向けて、人生のすべてを懸けてマラソンに一途に取り組む金栗の役から「生きるパワー」を感じてほしいと語ってくれました。




チーフ演出の井上監督にもお話を伺いました


 そして今回「いだてん」のチーフ演出を担当しているのは、これまで「64(ロクヨン)」「トットてれび」などNHKで数々のドラマを手掛けてきた井上剛監督。そんな井上監督が2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」ぶりに宮藤官九郎さんとタッグを組みます。

 井上監督が語る「いだてん」注目ポイントは、金栗四三も参加したストックホルム大会で実際に使用されたスタジアムでのシーン。ロケハンで感動し、「その感動をドラマでも」と総力を尽くして撮影しました。中でも「開会式に注目!」と井上監督。大河ドラマではなかなかない海外ロケに苦戦することもありましたが、細部にまでこだわったストックホルムでのシーンは必見です。また、今作は大河ドラマ初の4K制作。当時の映像が残っている難しさもありますが、綺麗な映像の中で当時を彷彿とさせる白黒映像や新聞記事との対比を大切にしているそう。そんな4K制作ならではのこだわりにも注目してはいかがでしょうか。

 まだスポーツの概念がない時代、金栗四三や三島弥彦のような学生が時代を切り拓いていきました。「学生には希望がある」。そんな思いを今の学生に伝えられたらと井上監督は話します。また、来年2020年は東京オリンピックが開催される年。「いだてん」を通して、参加する人も観戦する人も「みんな元気になってほしい」と井上監督は東京オリンピックに対する思いも語ってくれました。



初回の放送は1月6日です。ぜひ皆さんも「いだてん」を見て2020年の東京オリンピックに向けて盛り上がっていきましょう!


◇NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリンピック噺~」

日曜日 NHK総合 20時~ 

    BSプレミアム 18時~

    BS4K 9時~


TEXT=梅山織愛、金澤瑞季、美浪健五