記事
第91回日本学生氷上競技選手権大会
12月29日(土) 白鳥王子アイスアリーナ
東洋大0―6明大
試合開始から気持ちのこもったプレーを見せた
最後まで主将の役割を全うした(右)
※掲載が遅くなり申し訳ございません。
第91回日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)決勝戦は明大に0−6の敗戦。試合終了のブザーが鳴るリンクには、共に戦った仲間に寄り添うFW古川誠主将(社4=白樺学園)の姿があった。
昨年のインカレは決勝戦で明大に敗れ2位。「自分自身、本当に悔しい思いをした」とFW古川誠主将はそのときを振り返る。この1年間はその悔しさを忘れず仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、秩父宮杯第66回関東大学アイスホッケー選手権大会や関東大学アイスホッケーリーグ戦では明大と互角に戦えるまでに成長。準決勝の中大戦後には「本当に強いチームだなと感じた」とチームに手応えを感じていた。そして迎えた決勝の明大戦。昨年と同じ舞台で1年越しのリベンジを果たすため、FW古川誠主将は試合開始から積極的にシュートを放つ。また、守備に徹する場面ではFWも含めた全員がプレッシャーをかけてゴールを守った。しかし思うように試合を運べず、明大の強さを思い知る結果に。それでもチームは60分間全力でプレーし、東洋大のホッケーの集大成を見せた。
「プレーでしか引っ張っていけないようなキャプテンに最後まで付いてきてくれて感謝の気持ちでいっぱい」。東洋大での最後の試合を終えて、FW古川誠主将は仲間への感謝を口にした。そんな主将に鈴木監督も「よくまとめて最後までやってくれた」と労いの言葉を送る。大学最後の大会は2位に終わった。しかし「全部出し尽くしました」と語るその表情に後悔はない。「今年以上のチームをつくり上げてほしい。またリベンジしてほしい」とFW古川誠主将。果たせなかった「優勝」を後輩に託し、東洋大アイスホッケー部を引退する。
■コメント
・古川誠(社4=白樺学園)
前日の中大戦の流れのまま明大戦にいきたかった。やっぱりみんな大舞台っていうのでプレッシャーもあり不安もあり、その中で自分たちのホッケーが半分も出せていない試合だったなと感じる。失点も全部自分たちのミスからの失点なので、明大の方がそういう経験値が高かったのかなと思う。(今の気持ちは)正直言うと悔しいってよりは情けない。決勝まできて、負けたとしてももっともっと惜しい試合で、後輩たちにもっといい思いをさせてあげたかったというのはある。何点取られても完封負けっていうのは本当FWの僕にとっては情けないこと。1点でも2点でも取りたかったというのが素直な気持ち。(明大へのリベンジはかなわなかったが)チームはどうだったか分からないが、自分自身、本当に悔しい思いをした。今年本当に全力でこの同じ舞台で明大をぶっ倒して優勝したかった。経験値の違いが表れたゲーム展開だった。(インカレ総括)チーム的には毎試合毎試合成長していって、中大に勝てたときは自分が在籍している中で過去一番くらいのいいチームになっていて、本当に強いチームだなと感じた。明大に勝てなかったのは本当に紙一重で、ちょっとのミスが失点に響いたのかなと感じている。個人的にもインカレ初戦始まってからすごく調子がよくて。この試合も得点こそできなったが、本当に自分のベストパフォーマンスが出せたと思っているので。インカレ5試合で5ゴール4アシスト、秋リーグではあまり点数は取れなかったので、このインカレ5試合で半分の点数取れているので、すごくチームの勝利に貢献できていると感じる。(個人としては後悔はない)そうですね、全部出し尽くしました。(主将としてチームへの思い)自分はキャプテンキャラとかじゃなくて、周りに流されやすいタイプだし人が何やってようとあんまり気にしないタイプだった。キャプテンになってからは周りの同期も支えてくれて、過去一番の仲のいいチームができあがった。いい意味で上下のつながりが増えて、試合中とポジティブな声が後輩からも上がってくるし、すごく僕の理想としていたチームづくりができた。支えてくれた同期もそうだし、こんなプレーでしか引っ張っていけないようなキャプテンに最後まで付いてきてくれて感謝の気持ちでいっぱい。大学4年間で最後はキャプテンもやらせてもらって、人間的に成長できた。そういうところはホッケーだけではなく社会に出ても通用すると思うので、そこは成長できて、東洋大に入学して、キャプテン任せられて、本当に良かったと思う。
TEXT=金澤瑞季 PHOTO=越塚日南、川口朋珠