Article

記事


2019.01.08
アイススケート

[フィギュアスケート]各選手最上級クラスで健闘 来シーズンへ期待高まる

第91回日本学生氷上競技選手権大会

1月5日(土)〜7日(月)日光霧降スケートセンター

2日目

◆男子7・8級クラス

14位 鶴田 51.15

→FS出場決定

17位 菅原 48.90

→FS出場決定

26位 神戸 37.01


◆女子7・8級クラス

20位 濱谷 45.96

→FS出場決定

20位 遠藤 41.14


3日目

◆男子7・8級クラス

15位  菅原  149.13点

SP 17位 48.90点/FS 13位  100.23点


20位  鶴田  130.88点

SP  14位 51.15点/FS  22位  79.73点


男子7・8級クラス団体 6位  21点


◆女子7・8級クラス

15位  濱谷  136.47点

SP  20位 45.96点/FS 15位  90.51点


大人な雰囲気で会場を魅了した濱谷

濱谷はスケート人生を笑顔で終えた


2年連続フリースケーティングへ出場を果たした菅原


2日目、3日目は男女7・8級クラスが行われた。全日本の大舞台に立った東洋大は、惜しくも実力を発揮することができず悔しさが残る結果となった。


大会2日目は、ショートプログラムが行われた。東洋大の一番滑走であった菅原(社2=開志学園)は「今季で一番最悪」と語ったが、滑らかな滑り出しで演技を始めると得意なスピンで観客を魅了する。続く神戸(文2=ふじみ野)も明るく陽気な曲調とともに、表現力抜群のステップで会場を盛り上げる。最終滑走であった鶴田(社1=開志学園)は落ち着いて演技を披露した。暗い曲調から始まるとジャンプ、スピンとも決めていく。曲調が変わるとそれに合わせ雄大に滑り切った。「自分では納得いく演技だった」と鶴田は満足そうに語った。


女子7・8級では遠藤(社3=日本橋女学館)、濱谷(社4=富士見丘)が出場。「とにかく会場の雰囲気を一気に変えて、自分の世界をつくることをテーマにしている」と語った遠藤は、情熱的な曲に合わせ体を大きく使って滑り切った。この大会で引退となる濱谷は、ジャンプのミスを最小限にとどめ、大人っぽく優雅な雰囲気で演技した。


3日目のフリースケーティング(以下、FS)。東洋大からは鶴田、菅原、濱谷の3名が進出した。2年連続FS出場の菅原は、昨年と同様LA LA LANDの曲で滑走。テンポのよい曲調からゆったりとした曲調へ様々な表情を見せ演技をまとめあげた。フィギュア人生最後の演技となった濱谷。手先まで意識した表現力で観客を曲の世界へと引き込んでいく。「スケート人生で一番楽しい演技ができた」と語った濱谷の顔には笑顔があふれていた。


今大会で東洋大としてのシーズンは幕を閉じた。2年間主将として引っ張ってきた濱谷は「フィギュアスケートというのは個人競技ということもあるけど、東洋大は一人一人が成長することのできる部だなと気づくことができた」と後輩たちへの感謝を残した。昨年を上回る成績を残した今シーズン。フィギュアスケート部のさらなる飛躍に期待だ。


◾️コメント

・濱谷主将(社4=富士見丘)

今日が本当に人生で最後の演技だったので思うことはいっぱいあったが、みんなに感謝の気持ちを込めて滑れればいいなと思っていて、スケート人生で一番楽しい演技ができた。(最後のインカレは)後輩たちを引っ張って来たというより、こんな私について来てくれて、今まで引っ張ってこれたかわからないが、キャプテンを2年間やらせてもらって。4年生までフィギュアスケートを続けることはすごく大変なことだけど、4年まで続けたらいい引退ができるっていうのを証明したいなと思いながら最後のインカレに臨んだ。(主将として過ごした2年間は)フィギュアスケートというのは個人競技ということもあるけど、東洋大は一人一人が成長することのできる部だなと気づくことができた。大学に入って、大学生で技術を維持するのも大変なことだが、東洋は一人一人が確実に一歩ずつ上に向かって進める人たちなんだなと感じた。(演技の時、東洋のメンバーからの声援の声は)東洋の声援はいつもいつも本当に心打たれるというか、そのために私は頑張っているんだって思えた。ホッケーだったりスピードだったりの他の部活の人たちも応援に来てくれて東洋に入ってよかったなって思いました。(ホッケー部やスピードの方から声掛けとかは)「頑張って」って言うんじゃなくて、みんな「楽しんで来て」と言ってくれて、この同期で4年間頑張って来た人たちからならではの心のこもった言葉なのかなと思ってすごくうれしかった。(東洋大のメンバーの存在は)宝物です。部員がいるから頑張れるし、部員のために頑張れたというのもある。フィギュアスケートってエレガントで魅力的なスポーツだと思うんですけど、すごく残酷で、365日練習しても本番の一発でそれを出さないと意味がないし、それで出せない時の悔しさは半端じゃなくて。でもその時に自分は東洋大に入って部活をやれている幸せだったりとかそういうのが励みになって4年間頑張ってこれたので私にとって部員は宝物で、大学生活のすべてです。(一番の思い出は)一番悔しくて、そこからはい上がって来た時の思い出が一番強い。大学でいうと去年東日本インカレで落ちてしまってそれが一番悔しくて、結構立ち上がれなかったんですけど次の試合で自分のベストが出せた時、屈辱を晴らすというか、壁を打ち破れたのは一番の思い出。(引退後にしたいことは)スケートしてない自分が想像つかなくて。これから普通の人になるんだって。朝4時に起きなくていいんだっていう感覚しか残ってません(笑)。でもたくさん旅行したいです。今までスケート靴持たないで海外とか行ったことないのでスケート靴持たないで海外とか行ってみたいです。(後輩たちへメッセージ)この部活に入れたことは、今は分からないかもしないけど本当に幸せなこと。4年生になって送られる側にならないとこの気持ちって分からないかもしれないんですけど、東洋ならではの、人のために頑張れる部活、部員のために頑張れる部活ってあんまりなくて。これからも部員のために頑張りたいって、部に貢献したいって思えるような部をつくっていって欲しいなと思う。今の部員なら絶対にそれができるので今後も期待しています。


・遠藤(社3=日本橋女学館)

自分的には良くもなく悪くもなくだったが、やっぱり周りのレベルがちがいすぎてショート落ちしてしまったことはすごい悔しい。動きとかは自分的には攻められたところもあって、スピンも速く回れた部分もあったけど、やっぱりジャンプの回転が足りなかったのがショート落ちの原因だと思うのでそれを改善できるように頑張りたい。あとみんなの応援がすごい力になって安心して演技することができたのでそれは本当にうれしかった。(レベルの高さを感じるか)実感した。ジャンプもだし、滑り方とか技術の面が前とちがう。(ショートのポイント)とにかく会場の雰囲気を一気に変えて、自分の世界を作ることをテーマにしているので会場の雰囲気は変えられたかなと思う。(どんな気持ちを込めて演技したか)妖しくセクシーにやるのをテーマにしている。体の動きとか顔の向きとか目線とかも妖しくセクシーにみたいな感じに。(インカレに向けての練習は)前よりも難易度が上がったジャンプをショートは入れなきゃいけなかったのでそのジャンプを絶対に失敗しちゃいけないと思って、曲の中で跳んだり、疲れたところでちゃんとジャンプが跳べるかどうかっていうのを練習したり、とにかくずっと降りるまで、ジャンプを続けて跳んでいた。(昇級した今シーズンを振り返って)7級に合格させてもらって出れる試合が増えて、7級とれてなかったらそれぞれの試合に出れていなかったのでインカレも東インカレを越えて出場することができて、自分の自信にもつながったし、でもそれは周りの人の支えがあったからここまで来れたし、自分も7級とって、7級という自覚をもって練習に励むことができたので今シーズンは7級をとったことで視野が広がった、幅が広がってよかった。全然完璧だったっていう感じではなかったので、自分の技術を上げないといけないなと思った。(来季に向けて)最後のシーズンで一番上になるので、演技でも私生活でもみんなを引っ張っていけるように。みんなの一番上に立って代表で、代表としてふさわしい動きをして、最後なので一つ一つ大事に、練習も試合も大事にしていきたいとも思う。(4年生の引退)今までも、1年生のときからずっと見てきた先輩だったし、お世話になってるし。演技でも生活面でもずっと引っ張ってきたもらったので。さりちゃん(濱谷)は3年生からずっと主将をやってきていて、ずっと面倒見てもらってて、本当に寂しいけど、送り出す、感謝の気持ちを込めて応援したい。


・神戸(文2=ふじみ野)

7級をとって初めてのインカレで、正直スケート1年生みたいになってしまって。やっと出られた試合ですごく緊張してしまって、カチカチで曲はすごい楽しいはずなのに自分は楽しめなくて大変なところもあった。来年のインカレはショート通過、もっとその上も目指して頑張りたい。(スピンやジャンプの状態は)スピンは昔に比べたら良くなったと思うが、周りに比べたら0に立ってるか立っていないかくらい。ジャンプは今シーズン夏くらいから崩れてしまって、直しきれないままこのインカレに来てしまったので本当に次のシーズンはもったいないとがないようにしていきたいです。(7級で出場するインカレで雰囲気に変化とかは)本当に全然違いました。1つ先輩で東海大の有江くんも僕の前日に7級に受かって、今年やっと一緒に7級でインカレに出られてが、7級は全然違うねという話をしていて。応援も違うし、見られ方も全然違う感じがした。(曲の雰囲気が変わったと思いますが今回の曲選びは)正直、あと数年しかない中で違うジャンルに挑戦したいと思った時にあの曲が候補にあがって。コーチも一発でOKしてくれたがちょっと段階飛ばしすぎたかなって感じはした反面、反響も良かったので、どんどん自分のものにしていきたい。(衣装は)今つくっていてまだ完成していないので今はお下がりの借り物の衣装を使っている。自分の衣装ができた時にはもっといい演技ができるようにしていきたい。(4年生へ向けてメッセージ)すごく優しくしていただいて、演技前、演技後もすごく声をかけてくれるのでショート落ちしても次に頑張ろうって思えたし、次は自分も3年生になるので、そういういいところを受け継いでいきたい。(今後の目標)ショート落ちがある試合は絶対ショート通過する。あとは大きい話になっちゃうけど全日本に出たいっていうのがあるのでそれに向けて一番大事な試合に体調を持っていけるような体づくりをしていきたい。


・菅原(社2=開志学園)

(ショートは)今季で一番最悪で。インカレだからとかそういうことは思ってなかったけど、ちょっと難しくこの場を捉えすぎていた。3人予選落ちがいるからって、どうしてもフリーに出たい気持ちの方が強くて。いつもの自分が出し切れなかったので悔しかった。でも、練習をすごい積み重ねたスピンではいい評価がもらえて良かったと思うし、ステップでも観客の方や東洋大の部員みんなを魅了することができて良かったなと思う。(フリーは)フリーもだが、攻め切ることができなくて、すごく残念だったけど4年生の方が最後だし、とにかく自分が出し切って終わったねって言われるような演技をしたかったので、最低限できたかなと思っている。あとは今年から男子が1年生の鶴田と2年生の神戸が特に頑張ってくれて7級をとってくれてとても感謝していて。昨年の僕だけだったら団体とか狙えないし、自分は個が光っている選手じゃないので全然団体とかは夢のまた夢だったけど、今年からは夢をかなえられるような環境がそろったので、ますます自分が頑張らないといけないんだなって思ったし、二人にも頑張ってもらわないとと思う。今までは女子主体の東洋だったけど、男子が強い東洋になれるようにとにかく頑張りたい。(4年生の引退について)(河口)優希さんは自分に学校の単位の取り方とかスケート以外のこともたくさん教えてくださり、不安を取り払ってくれるような方で、学校外でもお世話になった。小林納々さんは大学関係の試合で演技でリードしてくれたりだとか。本当に副主将みたいな感じでみんなをまとめてくれていた。山田杏嘉さんは同じクラブに途中から入ってきたが、すごいポテンシャルが高い。何年ぶりに滑って戻すっていうのが本当に大変だが現役のとき以上の実力をつけていた。正直3年生の途中からインカレとか狙うのは難しいだろうと思ったが、本当にやればできるんだなってことを身をもって教えてくれた人。主将の濱谷佐理さんは、自分が1年生のときに環境にも慣れなず、調子も下がっていた。そこでスケートに対する前向きな気持ちとか東京の案内とかしてもらって、たぶん佐理さんいなかったらスケートしてなかったかもしれないし、ここまで頑張ろうとか思っていなかったので、本当に一番感謝している。こんなにまとまりのあるチームを作ってすごいなって思うし、これを維持ではなくもっと素晴らしいものを作っていかないとってちょっと重い使命も残された。佐理さんの意思は引き継がれているんだなっていうのを後輩にも自分が教えて、東洋のいい文化として残せるようにしていかないとと思う。(言われて1番覚えていること)ずっといいときなわけじゃない、そこから這い上がらないといけないみたいな。精神的にいっぱいいっぱいになってしまって、私生活も投げ出してしまいそうになっていたが、自分が頑張っていくしかないし「お前があきらめたらもうそれで終わりだから」みたいなことを言ってもらった。自分をどん底から這い上がらせてくれて、新しいジャンプを取得させてもらえたような言葉だから、自分の教訓にしてもっと上にいけるような選手になれたらいいなと思っている。これからも東洋大学スケート部を応援してほしい。(演技面、ジャンプ)ルッツジャンプを計3回入れる予定をパンクしてしまったが締めることができて良かった。だけどジャンプをするまでしか気がいっていなかったから本当に悔しい。跳べるだけで100点という時代は前の大会までで終わってるはずなのに、跳ぼうとも思えずに試合に臨んでしまったことがすごく悲しかったし悔しかった。(インカレ前の調子)めちゃめちゃ悪くて(笑)。東インカレとか東日本でピークを持っていっちゃって、ピークを何回ももっていくのは僕はまだできない。それで貸切の練習のときに最悪の演技しかできてなかったからとにかくショート抜けようしか思えなかった。気持ち的にも厳しいし、踏んだりけったりだったけどあと2年しかないから、満足して終われるように。自分の意識を変えていかないといけないなって。あとは自分も上級生になるので、下級生にかっこいい菅原生成を見せられるように、まじでインカレ頑張らないとな、気を引き締めないとなという感じ。これからの練習も、全日本に出たいのが一番だが、インカレで100%の演技をして、部員を満足させられるような選手にならないといけないんだって思ったので、その二つを目標に掲げて行きたいと思う。


・鶴田(社1=開志学園)

 12月に都民大会があってその前に靴、ブレードを変えた。なかなか慣れなかったが、年末にかけて良くなっていった。だけど年明けてから2日しか練習できなかったが(今大会では)だいぶいい感じになって、ショートはもったいない部分はあったが自分では納得いく演技だったし、自己ベストが出たのと50点台に乗ったことが大きかったかなと思う。フリーに関しては夏場の練習とかそこの練習量が出てしまったかなと思う。(初めてのインカレだったが)ショートが最後から二番目だったので、みんな終わって集まって結構盛り上がるんだろうなって気がしてたが、自分のどうやればできるという感覚が残ってたのであまり周りを気にせずできた。緊張感は、今回ショートで3人落ちるというのがあったので今シーズンの点数とか結果とか見ると厳しいというかちょっとやばいなという気がしていた。そんな中で、自己ベスト出せたこと、棄権した選手が滑っていても残れた結果だったことですごい良かったし、いい試合だったと思う。(特に練習してきたことは)ショートはいつもと違ったので入念にやってきたし、スピンはやれることやった。ジャンプはとにかく伸ばさないといけないと思っていて、ショートのルッツ自体は最低限やれたかなと。フリーはできていなかったのでそこは残念だと思う。(課題点)自分の頭の中でやろうと思っている構成ではなかった。ルッツとフリップを入れてやっていくというのが今シーズンの目標だった。でもちょっとずつでも良くなってきてるし、来年はそのフリップを入れたり、良ければトリプルアクセルにもチャレンジしていきたい。課題はまだたくさんある。(今シーズン振り返って)高3の時にけがをしてから全然結果が出なくて、もうそこからやりたくなくなって夏、秋の頃は本当にひどくて両親にやめるということも話した。それでもやめれなかったという自分の本心があった。それでもやって50点出せたし、ここまでやってみるもんだなってなった。もうすぐ1年が終わってしまうし、あと3年もすぐ終わるというのを考えたら、まだまだやれると思った。この後国体ややっと山梨の地元の選手として出場する試合もあるし、またフリーをまとめてできるように。(来シーズンの目標)やっぱり全日本を目指さなきゃいけない。厳しい試合、厳しいシーズンにまたなると思うが、やることやればいけるというのをいろんな選手を見てきて感じたし、自分のやることをレベルアップしてやっていくことと、インカレでも個人の結果や順位を上げていかないといけないというのはある。あとはけがをしない。(4年生へ向けて)リンクも違ったり、学校にもあまりいないとかで会わなかったことが多かったが、やっぱ4年生の存在は大きい。支えてくれる存在でもあるし、引っ張ってくれる存在でもある。特に佐理さんは、すごい男前みたいな感じで応援から声出して引っ張ってくれて、そういうのは部の全体としてすごいいい影響を与えると思う。(菅原)生成くんが(濱谷の引退で)泣いていたようにあれが全てを表している。自分はあまり話はできなかったが、それでも演技会とかで見る演技は、今年で引退なのかとくるものがあった。


TEXT=森美香子 PHOTO=森美香子、越塚日南、望月優希