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第68回関東大学バスケットボール選手権大会
4月28日(日) 獨協大学
東洋大98-41国武大
26|1Q|15
31|2Q|11
29|3Q|8
12|4Q|7
コートで躍動する丹波
新体制で迎えた初戦は国武大戦。序盤からフリースローやスリーポイントで点を稼ぐほか、1年生の丹波(済1=常大高)やラシード(済4=越谷西)の連続得点で大きくリードした。後半も順調に得点を重ね、トーナメント初戦を98-42で制した。
1Q序盤から東洋大は得点を量産し、ラシードを中心にゴール下で躍動した。特に1年生の丹波が先輩たちに負けじとコートを駆け回り、相手に攻撃の隙を与えないプレーを見せた。「今日はフリースローの確率が高かった」と佐藤コーチが語るように上甲(済2=幕張総合)らがフリースローを安定して決めた。相手に逆転されることなく、安定した試合運びにより2Q終了時に57-26と相手を突き放す。
チーム内でプレーに対してお互いが意見を言い合い3Q開始前には佐藤コーチが「リードしているが関係なく0対0の気持ちで」と指示。チームはさらに引き締まり3、4Qは相手を10点以下で抑え攻撃だけではないところを見せつける。丹波の他にも3Qには大澤(済1=市立船橋)が複数ゴールを決め、ルーキーの活躍にチームのムードは高まった。後半はベンチ入りメンバーを全員出場させ、各々の持ち場で活躍した。佐藤コーチは「みんな素晴らしいプレーだった」と選手たちの仕事ぶりを評価した。
ルーキー丹波の武器はスピードだ。ドライブからのキックアウトが得意だと語るようにゴール付近だけではなく、敵陣でボールを受け取ってからドリブルで攻めるスピードは大学バスケ1年目とは思えぬ速さだ。しかし丹波は「高校時代とはフィジカル面でやはりレベルが違う」と高校との違いを語る。この試合での経験は大学4年間のスタートとなり、これからの目標を決める良い機会だったとした上で、「体づくりをしっかり行って、先を考えられる選手になりたい」と意気込んだ。今後技術面、精神面ともにますます成長していくであろう丹波に注目だ。
次戦は1部の日体大。「失うものは何もない、やれることをやる」と監督が語るように選手たちは練習時間を以前より増やして技術向上に力を注いだ。豊富な経験を積んだ上級生と期待十分な活躍を見せたルーキーたちが融合する今シーズンも目が離せない。
■コメント
・佐藤コーチ
点数というよりも全員が出れていい形でやれたことが良かった。出た全員が素晴らしいプレーをしてくれた。細かい修正点はあるが、学生たちだけでいろんなことを言い合ったり、今まで見られなかったことが見えた。ゲームでの収穫もそうだが、そういう細かいところで良い面が見れた。後半の入りの連続得点は30点ぐらいのリードがあったが、関係なく0対0だと思ってリセットして、内容よくやれと。こういうゲームは大雑把になりがちだからと選手たちに指示したらしっかりやってくれた。丹波に限らず大澤も頑張ってくれた。去年までアウトサイドが課題だったので、そういった部分ではチームにいい効果を与えてくれている。今日はスリーポイントの確率が良かった。それがいい兆候。次は日体大。そこに対してどれだけできるか。失うものはないのでやっていることをしっかり出せれば。週5で2部練をやってきたのでこれだけやったという自信がある。それで結果に出ればもっと自信になる。やるからには勝ちに行くが、どれだけ自分たちの力があるかと試す良い機会だと思う。
・丹波(済1=常磐大)
自分はスピードが武器なので攻めることを意識した。監督からは出だしの5分をきっちりやっていこうと言われていた。今見ているところだけではなく、先のことを考えて今後プレーしたい。高校時代とは周囲のフィジカルも大きく違うということを実感したのでこれから負けない体づくりをしていきたい。得意なのはドライブで、そこからのキックアウトでしっかり自分から得点にかかわっていきたい。次戦は日体大戦なので強いチームとできることからいい経験を積みたい。
TEXT=齋藤胤人 PHOTO=齋藤洋