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第270回日本体育大学長距離競技会
5月11日(土)〜12日(日)日本体育大学健志台陸上競技場
▼1日目
男子1500m
1組
DNS 大森
女子3000m
1組
3着 新井比 9’58”85
9着 岡本 10’15”25
12着 原子 10’23”72
19着 岡田 10’35”50
2組
4着 和田 9’36”72
13着 伊東 9’58”04
14着 阿部 10’01”53
15着 後藤 10’07”55
21着 渡辺 10’15”20
28着 伊藤 10’36”32
DNS 田浦
DNS 鈴木
DNS 大塚
女子5000m
1組
DNS 和田
▼2日目
男子5000m
6組
DNS 中野
8組
1着久保田14’22”33
8着土壁14’29”77
15着杉村14’39”65
35着福井15’43”05
DNS 藤城
9組
24着岡里14’46”38
新井比は復活への第一歩を踏み出した
チームの主力としてレベルアップを目指す和田
ラスト1周で飛び出し見事組トップでゴールした久保田
関東インカレ(以下、関カレ)を目前に控え、日体大記録会が行われた。既に選考は終えているが、ベストを更新するなど男女ともにチームを勢いづける走りを見せた。
女子3000m1組では高校3年生以来故障で走れていなかった新井比(食3=栄北)が、復帰して2戦目のレースを迎えた。終始秋山(大東大)と先頭を引っ張り合う積極的なレースを見せ、9分台にまとめあげた。故障明けの不安を感じさせない走りに、永井監督は「条件が良くていいレースであればもっといけた」と期待を寄せる。苦しみ抜いた新井比は復活に向けて大きく前進している。
続く2組目には、関カレ出場メンバーが多く出走した。中でも和田(食3=順天)は久しぶりのトラックレースであったものの、先頭集団の中盤に位置付ける安定したレース運びで仕上がりを確認した。関カレでは5000mに出場予定だが「5位以上を狙ってしっかり勝負できるように走りたい」と昨年の5位入賞よりも上を目指し意気込んだ。
2日目の男子5000mでも2人がベスト更新と、チームにとってプラスとなる収穫があった。8組に登場した久保田(ラ1=埼玉栄)は序盤から前には出ずに、後方からチャンスをうかがう。久保田が動いたのはラスト1周のベルが鳴った直後、一気に前の選手を抜き去り先頭に躍り出た。そのまま組トップでゴールし11秒ほど自己ベストを上回った。また、同じく久保田と並走していた土壁(総4=つるぎ)は全体のペースが落ちた中盤で先頭に立って踏ん張り、1年生以来のベスト更新を果たした。2人の健闘に谷川コーチは「自己ベストをしっかり出せて良かった」と評価した。
関カレまで残り2週間を切り、チームの士気も上がっている。近年遠のいているトラックの王座奪還を実現するため、全部門が一体となって大舞台に挑む。
◾️コメント
・永井監督
ちょっと気温が高くてどうなるかなと思っていたがインカレ組の和田と伊東(食2=順天)と阿部(食1=前橋女子)の3人については、インカレに向けての最後の記録会というところで調整の意味合いだったが、動きは悪くなかったのでインカレに向けて少し明るい材料もあったかなと思う。(新井比選手については)本当にこの2年間故障で全くレースに出ていない選手で、前回のチャレンジミートゥが大学に来て初めてのレースで今回が2回目ということで、9分台で2試合とも走っているので条件が良くていいレースであればもっといけたかなというふうには思うし、ずっと2年間走りたくてもなかなか故障で走れなかったというところが今いい感じで出ているのかなと思っている。(和田選手については)冬場調子が悪くずっと体調面が良くなくてインカレどうか、間に合うかというところだったが流石レースに向けて強い選手は自分でつくってこられるんだな、というふうには見ていてインカレも去年の入賞よりいい順位、表彰台に向けて頑張ってくれるという手応えがあったかなと思う。(関カレに向けて)1500mの1年生の阿部については経験を重視しての出場で後の5000の3人、今日の伊東と和田と田浦は今日はちょっと出場しないがこの3人で入賞を狙っていきたいなと思うし、白川は最後のインカレになるので10000の表彰台を目指しているところで最後の調整をしっかりやって、いいインカレにできるようにしたいと思う。
・新井比(食3=栄北)
3年生だが大学のレースは2回目でこの前とタイム的にはあまり変わらなくて、でも精神的には少し速くてあともう少し前の人に追い付けたらもっといいタイムが出せるのではないかと思う。(故障明けのレースはどうか)ずっと高3のときからけがが続いていて大学1年、2年とずっと走れなくてやっとこの前から走れて少し調子も上がってきたのでこれから1、2年で補強とかを頑張ってきた分をレースの記録として出せるようにしたいと思う。(今後の意気込みを)まずは記録会で自分の高校のときの自己ベストを出して、夏合宿までに少しでも上の人たちの方のチームに入れるように頑張りたいと思う。
・和田(食3=順天)
思ったより走れなかったが10ヵ月ぶりのトラックレースということで、記録というよりはトラックレースの感覚を取り戻して2週間後の関東インカレに向けていい流れをつかめたらいいなと思って臨んだ。いつもトラックレースは最初に前に出てしまうので最初は特に何も考えずに流れで走っていて、先頭が1周目か2周目で落ちているのがわかって3分10くらいをラップの目安で走ろうと思っていたので、そのタイムより遅いなと感じて前に出ようと思った。(今季初めてのトラックレースとなったが)冬から4月の中旬まで貧血で全然走れていなくてやっと戻ってきてトラックに出れたという感じなので、練習は積めていなくて万全ではなかったがその中で今の自分の走りをしようと思った。(関カレに向けて)去年は目標とかは何も立てずにただ走ってなんとなく入賞してしまったというか、マグレみたいな感じになってしまったので今年は上級生ということで、去年以上の5位以上を狙ってしっかり勝負できるように走りたいと思う。
・谷川コーチ
今日は自己ベストが2人で1人故障明けの選手で久しぶりのレース、復帰戦だったので結果はともあれ無事復帰できたということと岡里が後半うまく走れなかったのはちょっと残念だったかなと思う。(久保田選手については)目標記録は14分20秒で14分22秒と2秒届かなかったが、ちょっと中盤ペースの全体的な落ち込みがあって十分最後も自分から仕掛けてトップを取ってくれたのは収穫だし自信になったのかなと思う。(土壁選手については)土壁は久しぶりのベストで本人も出せて良かったということで、中盤にペースが落ちて1番きついところで引っ張ったのでレース内容としてはすごく良かったし、最後のラスト1000mを切ってからの粘りというか切り替えがもう少し今日は課題だったかなと思うが全体的なレース内容は良かったかなと思う。(今後について)ここまでなかなか自己ベストというベストが出てなかったので2人自己ベストをしっかり出せて良かったと思うが、できれば走った全員が自己ベストを出せるような練習というか仕上がりから力を付けていきたいなと思う。
・久保田(ラ1=埼玉栄)
いつもだったら引っ張ったが引っ張らないで付いていくというレースをやろうと、プラン的に考えていた。前日に先輩に付いていった方がタイムが出るとアドバイスをもらっていたので、ラストまで溜めてラストで切り替えようと思っていた。(ベストを更新して)まずはベストが出たことは良かったが、目標であった20秒切りが達成できなかったので次の記録会では20秒切りを目指していきたいと思う。(今後の意気込みを)今後は10000mで29分10秒台を出すための5000をまずはやっていって、10000mでもしっかり活躍できるようにしたい。
・土壁(総4=つるぎ)
今日の目標としては14分20秒台、悪くて30秒を切れたらいいなという感じでベストは2〜3秒更新できたのでそこは収穫かなと思う。最初は先頭集団でいこうと思ったが後方からでそのペースがちょうどいいペースだったので、後方からスタートして中盤上げていこうというプランで切り替えて3000〜4000で前の方にいきたかったが、やっぱりまだそこが課題かなと思う。(今後の意気込みを)今季の目標としては5000mで14分10秒台を狙っていって10000mだったら29分10秒台で、ハーフマラソンだったら1時間3分台を狙っていくために練習を積めていけたらなと思う。
TEXT/PHOTO=稲村真織