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東都大学野球春季1部リーグ戦・亜大1回戦
5月22日(水) 神宮球場
◯東洋大2-0亜大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
亜大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(東洋大)
村上(6勝)-佐藤都
二塁打:小峰(三回)、諏訪(十回)、山崎基(十一回)
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中) | 松本(営1=龍谷大平安) | 5 | 1 | 0 |
2 | (左) | 小峰(営4=帝京) | 4 | 1 | 0 |
3 | (右) | 山田(総4=桐生第一) | 5 | 0 | 0 |
4 | (捕) | 佐藤都(法4=聖光学院) | 3 | 1 | 0 |
5 | (指) | 山崎基(営3=愛工大名電) | 5 | 2 | 0 |
6 | (遊) | 小川(法3=霞ヶ浦) | 4 | 1 | 0 |
7 | (二) | 小林直(法3=八戸学院光星) | 3 | 0 | 0 |
打 | 矢吹(総1=聖光学院) | 1 | 0 | 0 | |
三 | 津田(総4=浦和学院) | 0 | 0 | 0 | |
打 | 飯塚(営4=藤代) | 1 | 1 | 1 | |
二 | 斎藤(法3=東洋大牛久) | 0 | 0 | 0 | |
8 | (三)二三 | 木村(総2=霞ヶ浦) | 5 | 1 | 0 |
9 | (一) | 諏訪(総3=浦和学院) | 4 | 3 | 1 |
計 | 40 | 11 | 2 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 責 |
村上(総3=智弁学園) | 11 | 132 | 1 | 1 | 14 | 0 |
試合後記念撮影に応じる村上
村上の偉業達成はすぐそこだ
マルチ安打と好調の山崎基
勝ち点5の完全優勝まであとわずかとなったこの日もマウンドにはエース・村上(総3=智弁学園)が登板。強豪の亜大を相手に九回2死まで無安打無四死球の脅威の投球を披露。その後、11回を被安打・四死球それぞれ1つずつという今季4度めの完封で6勝目を挙げた。
「今日は真っ直ぐがいつも以上に走っていた」と初球から指のかかりを感じると、この日は自己最速の149㌔をマーク。「あと1㌔欲しかったですね」と冗談めかし笑いを誘った。速いストレートと村上の伝家の宝刀・スローカーブで60㌔近い緩急を巧みに使い分け14奪三振と亜大打線を寄せ付けなかった。
一方の野手陣は先週のサヨナラ勝ちの勢いはなく再三チャンスを作るも次が続かず十回までスコアボードに0が並ぶ。杉本監督も好投の村上に対し「申し訳ない」と一言。村上も「早く点を取ってくれ」とベンチから味方の攻撃を見守る。すると、味方打線は延長十一回に代打飯塚(営4=藤代)と諏訪(総3=浦和学院)の猛打賞となる適時打で2点を取りそのまま逃げ切った。
九回まで無安打無四死球とパーフェクトな投球を続けた村上は「七回くらいから正直(完全試合を)狙ってました」と打ち明けた。九回はボールが先行しながらも、2死までは打たせて取る投球を見せたが3人目の矢野(亜大)にこの試合初めての四球を与えてしまう。「悔しかった」と素直な心情がぽろりと村上の口からこぼれた。その後、十回に中前打を打たれたものの11回被安打1、与四球1とエースらしい圧巻の投球を見せ自身の目標を大きく上回る6勝目を挙げた。
「ここまで来たら優勝するしかないと思っている。みんなで力を合わせて勝ち点を取りに行く」。エース・村上の好投により完全優勝まであと1勝。昨秋の悔しさをバネに練習を重ねて来た東洋大戦士たちの「奪還」の瞬間まであとわずかだ。
◼️コメント
・杉本監督
厳しい試合だったけれど、こんなものでは。焦っているのか分からないけど、飛び出したりサイン間違いしたり、バント失敗したり。そこはもう少しやりようがあったかなと。優勝がかかったところだけど、口笛吹きながらやれる状況だと思う。監督が平気でも選手が平気じゃないなと。村上はよく投げた。今週は良くて、月曜ピッチングして今日試合だったら完封だったなと佐藤と言っていた。昨日も同じ。それで今日。完封よりすごいことをやってくれていたはずなのに本当に申し訳ない。井上コーチに反省してもらいます(笑)。みんなでなんとかしようとしたけれど、もうちょっと、といった感じ。村上は、もともとボールを操れる投手で135〜149キロまでのまっすぐを投げ分けてるところが厄介。変化球の精度もいい。そこが一番いいところでは。力まなくなったのもいい。ずっと言い続けてるけど、現役だったら一番受けたいのは村上。自分が捕手なら一番面白い投手。打たれたらキャッチャーの責任になるぐらいの制球。リード通りに来たらよっぽどのことがない限り打たれない。逆球を想定するから配球が難しくなるわけで。
優勝に王手。村上にはゆっくり休んでもらって、打線になんとかしてもらいたい。頑張ります。
・佐藤都主将(法4=聖光学院)
村上はまっすぐが良くて、前半はまっすぐ多めで変化球を見せ球にして、後半は変化球も増やしてリードしていた。試合前から球は走っていた。早めにアウトを積み重ねていきたいという気持ちはある。勝負できるところはしていこうという話をしていた。基本的にピッチャーの投げたい球を投げてもらうようにしていて、こういうバッターがいるからこういうリードもあるかもしれないっていうことは話している。今日は野手が11安打で2得点。あいつ(村上)には申し訳ない。チャンスでやることをやらないといけない。飯塚が初球から振っていってそういう姿勢をレギュラーは見習わないとなと思う。明日は野手がしっかり打って、勝って優勝を決めたいと思う。
・小川(法3=霞ヶ浦)
打った球はまっすぐ。村上が完璧な投球をしてたから、それを援護するような一打が出てよかった。今日勝つことができたので明日勝てば完全優勝。マイナスなことを何も考えずにただ勝つだけ。
· 山崎基(営3=愛工大名電)
初戦勝てたことはチームとしてとても大きい。今日は高校時代の監督さんが来ていたので、少しでも成長したところを見せたい気持ちで臨んだ。当時からよく言われていた『好球必打』の教えを監督さんの前で実践できて、結果が出て良かった。打った球は四回がスライダーで十一回はまっすぐ。相手投手のまっすぐに振り負けないようにしようと話していたが、なかなか捉えられなくて。いつも頌樹(村上)が頑張って投げてるのに全然援護出来なくてものすごく申し訳ない気持ちがある。なにがなんでも早いイニングに援護したい。明日で必ず決めて、勝ち点5の完全優勝を全員でつかみ取りたい。
TEXT=齋藤胤人 PHOTO=川口朋珠、齋藤洋