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令和元年度東都大学野球春季1部リーグ戦・亜大2回戦
5月23日(木) 神宮球場
◯東洋大7×-6亜大
初安打が豪快な一発となった廣岡
ベンチが大いに沸いた
豪快なスイングから快音が響くと、神宮の青い大空を白球が切り裂いた。「勝って完全優勝したい」。チームメートの願いを込めた打球はぐんぐんと伸び、左翼席に刺さる。ルーキー・廣岡(総1=拓大紅陵)が放った衝撃の打球に、スタンドがどよめいた。
七回裏走者なし、2番・飯塚(営4=藤代)に代わり登場し、亜大との差を縮める貴重な一撃を放ったのは廣岡だ。「代打で出たらホームランを狙ってフルスイングするだけです」。その言葉通り、2球目の内角寄りの直球を思い切り振り抜いた。「木製バットであれだけ飛ばせたのは初めて。ホームランの感覚が分からなくてとりあえず走りました」と足早にダイヤモンドを一周。歓喜に沸くベンチでは手荒い祝福を受け、喜びをかみしめたた。
この一発は今季3打席目で生まれた大学初安打だ。打席で見せる豪快なスイングとは裏腹に、高校時代に放った本塁打は10本。「先輩方とは比べものにならない。追いつけ追い越せでやっていく」。そう胸に秘め重ねた努力が実を結び、生まれた初アーチが劇的サヨナラ勝利を導いた。
「今回から引退まで8連覇したいです。それに自分もレギュラーとして貢献する」と大志を抱く背番号25の伝説は始まったばかりだ。彗星の如く現れた若きスラッガー。その勇姿を再び神宮で見る日は、そう遠くない。
■コメント
・廣岡(総1=拓大紅陵)
打ったのは内よりのストレート。ほんとはスライダーを狙っていたけど、思いっきり振ったら当たった。木製バットのホームランの感覚が分からなくて、とりあえず走ったけどスタンドに入ってくれてよかった。(いつもフルスイング)代打で出たらホームラン狙ってフルスイングするだけだから。優勝はとてもうれしい。かっこよくて尊敬できる先輩方のおかげ。もっと上手くなって追いつけ追い越せでやっていきたい。大学での目標は今回から8連覇。それに自分が貢献すること。大きいことを言っているかもしれないけれど、このチームならできると思う。それぐらいすごいメンバーがそろっている。都志也さんはとても高い壁だけど、早くレギュラーになってチームのために活躍したい。(背番号25)都志也さんがつけていた背番号。最初は意識していなかったけど、今は自覚を持ってやろうと思っている。(高校通算本塁打は)10本。先輩方とは比べものにならない。けど、もっとうまくなって追いつきたい。
TEXT=齋藤洋 PHOTO=齋藤洋、川口朋珠