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第15回トワイライト・ゲームス
7月28日(日) 慶應義塾大学日吉陸上競技場
男子100mタイムレース決勝
2組(風:+0.2)
2着松尾10”49(総合2位)
DNS 宮本
男子400mタイムレース決勝
2組
4着吉津47”80(総合8位)
5着松原48”49(総合10位)
男子800mタイムレース決勝
2組
5着坂本1’52”90(総合12位)
男子4×100mリレータイムレース決勝
2組
3着東洋大(田村ー渡邉ー松尾ー木立)39”88(総合3位)
男子4×400mリレー決勝
1位東洋大(齊藤旬ー吉津ー木立ー柴崎)3’09”33
女子走高跳決勝
7位小池1m65
おなじみとなったスタート前のTOYOポーズ
木立(右)はトップで柴崎にバトンを託した
長い梅雨が明け、猛暑となった気候のなか行われた第15回トワイライト・ゲームス。短距離部門、中距離部門から多数の選手が出場し各種目で活躍した。なかでも東洋大のお家芸ともいえる4×400m(以下、マイル)リレーでは、主要メンバーを入れ替えながらも粘りのレースで優勝した。
今大会の前日に行われた第59回実業団・学生対抗陸上競技大会にも出場し疲労のある吉津(ラ3=豊橋南)を2走にし、つなぎとして起用した梶原監督。狙いはもう1つ、下級生のころからマイルメンバーとして経験を積んできた吉津以外の選手にも、アンカーの機会を与えチームの今後を考えていた。レースは1走・齊藤旬(法3=北陸)が出遅れ、5位でバトンが2走・吉津に渡る。吉津は序盤から積極的に攻め2位にチームを押し上げるものの、バトンパスで詰まり3走・木立(法1=弘前実業)は5位からのスタートとなった。徐々に追い上げ、アンカー・柴崎(法2=米沢中央)にトップでバトンを託した。柴崎は「今年初マイルで4走ということで不安もあった」と語るも、手間取ったバトンパスの時に前を譲った駿河台大を懸命に追いかける。ギアを上げ、ラスト100mで抜き去った柴崎が見事マイル優勝を決めた。
「メンバーが変わっても十分戦えるだけの力をみんなが付けてきた」と梶原監督はレースを評価した。関東インカレで初優勝し、次は全日本インカレの4連覇が懸かっている。その快挙を成し遂げるには、夏期休暇中のレベルアップがものを言いそうだ。
◼️コメント
・梶原監督
足に違和感があった宮本(法2=洛南)をここで無理させるよりは休ませてケアをして、次の日本インカレに向かったほうがいいだろうということで当然リレー(4×100m)も誰をどう使うかというところで、やっていかなくてはいけなかった。先日に2本走っている連中もここにエントリーしてあったので、そのなかで今日の状態を見て足にあまり影響がきていないほうを4継では走らせた。メンバーを大幅に入れ替えたわりには39秒8台も出たので、これは良くやったなと。そういう意味では誰が出ていってもそれなりのタイムで、チームの底辺も上がってきて底力が付いてきたかなというところ。400の個人のほうは吉津は昨日2本走っているので、ちょっと足に疲労がきていた。どの程度やれるかなという不安もあったが、前半は積極的にいくレースをしっかりやろうということだった。それなりにいこうとするような動きはできたので、タイムは良くなかったけど十分それでよかったかなと思う。マイルの方はまたメンバーを入れ替えて吉津はつなぎだけで、他の人間が頑張ればいいからということで出してみて、他の人間がバトンなんかは効率が悪くてせっかくリードしてきたのにバトンのところで逆転されるというようなミスはいろいろあった。それでも個々にはよく走れたのでメンバーが変わっても十分戦えるだけの力をみんなが付けてきたかなと思う。松尾は昨日のウォーミングアップでもすごく良くて実学であれだけの条件のなかで10秒2台は確実に出るだろうと確信を持っていたが、46という平凡なタイムになってしまった。今日もスタートからの流れは非常に良かったので、あのままデーデー(東海大)に勝ってトップでゴールしてくれれば、タイムは多少条件が良くないので悪くてもデーデーに勝てばそれなりに収穫はあったと思う。勝ったかなと思ったが、ちょっと刺されてしまった。もうちょっと最後の10mくらいを上手に走れば勝てるのに。それでもいろんなところでいいところは出てきたのでこれからまとめていって、日本インカレで宮本と2人で上位を狙いたいし4継、マイル。当然優勝を狙っていくし400でも十分上位を狙っていけるようになると思うので、100、200、400。誰がこれからタイムをより出してきてエントリーできる状態になるかわからないが、ちょっと周りの今まで出られなかった連中がだいぶ仕上がってきて今度の記録会絶対タイム出してインカレメンバーになろうというような意欲を見せてきている。その点では楽しみでこれからどう伸びていくか見ていきたい。
・齊藤旬(法3=北陸)
(レースを振り返って)関カレで自分のせいもあって選手のみんなに予選で苦しい思いをさせてしまったので今回は自分が引っ張ろうと思った。前半が自分の課題でもあって、レース自体が遅すぎたというのもあり後半は巻き返せたが、それでも前半の部分が取り返せなかった。次のレースでは、前半から積極的にいって今よりもっといい順位で渡せたらなと思う。(関カレ終わってから今大会までを振り返って)先週の日体大記録会で自己ベストが出て、調子は上がってきていた。今大会もその調子でいけると思ったが、うまくいかなかった。それでも関カレよりは間違いなく調子は上がってきている。(全カレにむけて)個人の標準記録を切っていないので、まずは個人の標準を切ること。マイルに出場したら、関カレ以上の走りで4連覇を目指してやっていきたい。
・吉津(ラ3=豊橋南)
大学生になってから初めての2走だった。正直レース展開が読めなくてとにかく前半いこうと意識していたが、それしか意識していなかったのでラスト出られなかったというのはある。しかも前半もあまりいけず、駿河台の小清水と早稲田の村木にいかれてしまって、悔いの残るレースだった。(2走の理由は)これからの全カレや来年の関カレで、自分が走らなくても4走を走ってもらわないといけないときが来ると思う。自分が抜けた後に誰が4走をやるのかを見通し立てておくというのと、自分がやったことのない走順をやってみようかということで自分が2走になった。(4走の柴崎選手は)ちゃんとレースを見れていないが、聞いた話だと前半落ち着いていって後半外からいけたと、考えて走れているかなと。あいつの実力だと今日の4走のメンバーのなかではちゃんと走ればラスト競り勝てると、伝えておいたのでそこは良かったなと。これから全カレの予選とかでも使う可能性はあるのかなと思うレースだった。(優勝の気持ちは)今日は個人もマイルも反省するべきところばっかりだった。後輩が勝ち取ってきてくれた。個人的にはあれだが、勝ててよかった。勝つことは大きな意味を持つと思う。(これからへ向けて)大分前半からいかなければいけないという意識付けは出来てきたと思う。あとは自分の持ち味との融合をして行けるかというのが課題だと思う。夏休み中しっかり走り込んで全カレではしっかりと表彰台に上れるようにしたい。世界リレーや世界選手権に選ばれている選手たちと張り合えるようにしていきたい。
・木立(法1=弘前実業)
調子いいとは思っていなかったが、バトンをもらってからアドレナリンが出た。先輩に1番でつなげることができたのがうれしかった。(1番でつなげられた要因は)今までマイルはずっと3走をやってきて、3走には自信があった。吉津さんが前の方で渡してくれた時点でこれはいけるなと思った。アンカーの柴崎さんが頼れる先輩だったので、それが心の支えになった。(関カレ終わって今大会まで振り返って)着実に実力がついてきているので、このまま全カレでも選んでもらってまた走れるようにしたい。
・柴崎(法2=米沢中央)
(レースを振り返って)今年初マイルということで、また4走ということで不安はあった。夢優人(木立)が1位でバトンを渡してくれたが、バトンパスミスで駿河台大に前へ出られてしまったのは反省点。結果的に後半スピードを上げることができて、自分のレースができて優勝できたのはよかった。(全カレに向けて)まだ走れるかわからないが、これからある記録会でしっかり結果を残して個人でもリレーでも選ばれるよう頑張りたい。
TEXT=稲村真織 PHOTO=長枝萌華