Article

記事


2019.09.06
水泳

[水泳]インカレ直前特集「個」からチームみんなで戦うインカレに⑥~若林健太・遠山ひかり~

水泳部 インカレ直前連続特集⑥ 若林健太・遠山ひかり


 9月6日~8日に学生日本一を決める第95回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が東京辰巳国際水泳場で行われます。それに際し、インカレ開幕日まで注目選手のコラムをカウントダウンでお届け!最終回はチームの柱、若林健太主将と遠山ひかり女子主将です!

 今年の東洋大のスローガンは「鉄魂(てっこん)~We get to win~」。東洋大カラーである鉄紺とかけた「鉄魂」と、3年ぶりとなる女子総合優勝に向けた「勝利をつかむ」という言葉が入っています。男子総合5位以上も狙う「鉄魂スイマー」たちは熱戦を繰り広げること間違いなし!




 「個」の意識が強かったチームをまとめてきたのは若林主将と遠山女子主将の2人。意識してきたのは“自分から話しに行く”ということだ。そこから生まれる団結力は夏合宿でさらに高まり、大学水泳唯一の団体戦への準備は万全だ。

最後のインカレを迎える2人はそろって「表彰台に上る」という個人の目標も掲げている。1年時から徐々にタイムを上げてきている若林は、昨年のインカレで初のA決勝進出を果たし、ラストイヤーではもうワンステップ上を目指す。2年前のインカレで東洋大メダリスト第1号となった遠山は「勝ちたい」と再起を誓った。

1年時に経験した女子総合優勝を最後の年で再び成し遂げ、男子総合5位の目標も果たすことができるか。2人が引っ張る水泳部の戦いが始まる。



――チームの雰囲気はどうですか


若林(以下、若):全体的に最初に比べてまとまってきたかなと思っています。すごく変化を感じたのは合宿中(8月15日〜22日)にミーティングをして、そこからお互い練習内外でタイムや調子のことでコミュニケーションをとることが増えてきました。インカレに向けて自分1人で戦っているんじゃないなっていうのを自覚してきたのかなって感じています。


遠山(以下、遠):ほぼ一緒なんですけど(笑)最初に比べるとチーム意識っていうのが高まってきて、やっぱりあと2週間というところで練習の内容も上がってきていますし。あとは声掛けっていうのが結構盛んになってきて、負けそうになったりするときもあるんですけど、そういう時に仲間の力を借りようってする人たちが増えてきたなと思います。


――4月に1年生が入ってきて変化はありましたか


若:確かに変わりましたね。男子はそんなでもないんですけど...

遠:女子は結構

若:すごいのが入ってきたので

遠:活発な子たちも多くて、人数は少ないんですけど個性が強くって楽しくしてくれるので、その雰囲気には助けられるところがあります。

若:それで楽しいだけじゃなくて、練習のベースもしっかり速い子たちが入ってきてくれたので先輩はそれに負けちゃいけないので、そういった雰囲気があるのはいいと思っています。


――練習は今年から白木先生が加わって3チーム体制になりました。変わってみていかがですか


若:今まで田垣先生、平井先生どちらの先生も僕は経験させてもらったんですけど、その2人ともまた違って、すごく質の高い練習が多くて。量的にはあまり泳がないんですけど、メリハリのある練習を毎回する感じです。


遠:それに加えて、白木先生は結構一つ一つのメニューに対しての意味とかをおっしゃってくれるので、取り組みやすいと思います。どういう意味で泳ぐっていうのが分かりやすいです。


――今年注目してほしい選手は誰ですか


若:男子だったら4年の中村海渡(文4=比叡山)に注目してもらいたいなと。1年生で7レースとかすごいタフなインカレを経験していて、その1年生の時に8継(4×200mリレー)で最後競り負けてしまって。それがあいつの中でもすごい心の中にあって、この4年目なので。やってくれると思ってますし、最後しっかりいい気持ちで8継終わってもらいたいなと思うので、注目してもらいたいです。


遠:女子は結構注目選手がいるんですけど、同期で言えば中野(文4=長岡大手)は毎回インカレでは優勝してますし、3連覇も今年はかかっているので。インカレ女っていうか、夏に強いイメージがあるので今年は最後ですし、やってくれるだろうと信じて、自分も負けないように頑張ってます。あと1年生は今井月(法1=豊川)、2年生は白井璃緒(国2=宝塚東)っていう日本代表にも入っているすごく素晴らしい選手がいるので、その選手たちの泳ぎにもぜひ期待してほしいです。


――若林選手は昨年のインカレで初のA決勝進出。ガッツポーズと笑顔が印象的でした


若:去年は自分のために泳ぐっていうのと同時に、同期のマネージャーの松原がインカレで引退ってことで、最後にいい花を持たせていい気持ちで引退してもらおうって思って。ずっとそのマネージャーにはお世話になったりとかしたので。自分史上1番うまくいったというか、ペースも思った通りでしたし、しっかりと競り負けずに最後上げきれたっていうのは本当に自信になりました。レース中はあんまり覚えてないんですけど、夏合宿の頃から競り合って練習した2年生の宝田(法2=東福岡)が横で泳いでいて、最後しっかり勝ち切ることができたのでそこが印象に残っていますね。


――昨年は日本選手権でも準決勝進出。調子もよかったんですか


若:そうですね...日本選手権を見たらそうなんですけど。インカレ前の7月の神奈川の国体予選があったんですけど、そこでは2分7秒とかでベストから5秒くらい遅かったので、そこでちょっと不安はあったんですけど、しっかり修正できたので良かったです。


――インカレで1番の思い出は何ですか


若:今まであまり緊張しなかったインカレだったんですけど、唯一緊張したのが去年の4継(4×100mリレー)の決勝ですね。メンバーに入ってなかったんですけど、予選が終わった後の昼のミーティングで決勝のメンバーが発表された時に急に言われてっていうのがあって。そこでめちゃめちゃ緊張したのが印象的です。


――遠山選手は2年前の50m自由形で大ベスト更新と2位に入賞されていたのが印象的です


遠:2年前がシンプルに水泳を楽しめていたのもあって、何も怖いものとか不安がなくてレースに挑めていたので。だからこそのあの結果なのかなとは思います。


――同期の中野選手も以前「勇気をもらった」と言われていました。お互い影響を受けあっているのでしょうか


遠:やっぱり同期の結果っていうのは気にしていますし、誰か1人がバーンといってくれると、自分も絶対負けないっていうか。同期は同期なんですけどライバルでもあるので、負けたくないっていうか、追いついてやろうって気持ちは芽生えるなと思います。


――そこから昨年はあまりタイムが伸びずに終わってしまったという感じでしょうか


遠:そうですね...去年は自分自身に負けてしまっていて。練習自体に納得がいっていなくってそのまま不安をちょっと抱えたままインカレを迎えてしまって、インカレの雰囲気に負けてしまったのが去年の結果の原因かなと思います。


――不安は解消できましたか


遠:最後の年だからやるしかないですし、良くても悪くても1回しかないので本当にやり抜いてやろうっていうか。あとはやっぱりシンプルに私は勝負が好きで、勝ちたいって思いが強ければ強いほど泳ぎでも勝ちたい思いが表現できますし、今は最後勝って終わりたいって気持ちだけです。


――主将としてそれぞれ意識してきたことはありますか


若:個人的には部員全員とできるだけコミュニケーションをとろうっていうのを意識してきました。「個」のチームだったのでまとまりもなかったですし、部の問題点があんまり上にまで伝わらないこととかがすごくあったので、自分の方から後輩や同期にも話すことによって、問題を浮き彫りにして解決できるようにっていうのはすごく意識してやってきました。


遠:私は結構助けられることがあって。最初は全然主将というかそんなタイプではなかったんですけど、若林とかから「自分から進んで先生や選手の話を聞きに行け」みたいなところを学んで...

若:俺から!?(笑)

遠:(笑)姿を見て、学んで、そういうことって大事だなって。今は自分から話しに行くだとか、不安な顔をしている選手がいたら自分から話を聞いてみるだとかそういうことを意識しています。


――合宿では主将としてどのようなことを話したのでしょうか


若:男子は本当に鼓舞することだけを意識していました。不安な選手もいますし、調子が上がってこない選手もいるので。ただ、今からどこを直すだったり体作りだったりって強化するってわけではなくて、あとはもう気持ちだけだと思っているので。男子は結構まとまっていると思うので、しっかり全員で戦うぞっていう。男子は細かい点数を取れれば目標達成できると思っているので、ランキングに入っていない人もB決勝に食い込めるようにって話と、リレーに出場する人は目標タイムを言って絶対達成するぞって話をしまして。


遠:女子は合宿での練習タイムとかを見て、環境が悪くなった割にはみんなそんなに大きく落ちることもなく、むしろ東洋よりも速かったりっていう選手もいたので、合宿でのチームの雰囲気をマネージャーに話してもらって。で、W杯と全国公(全国国公立大学選手権水泳競技大会)のタイムを加味しての戦力分析をしました。ブレ(平泳ぎ)とかが女子は点数の狙い目だったのでそこを大事だよっていうのをみんなで把握しあって。あとは取りこぼしが無ければ、女子は優勝争いに食い込めるので、まずは種目ごとに種目での目標を掲げて、あとはリレーを全部優勝して終わろうっていう話をしました。


――練習はどういったことを重点的にやりましたか


若:個人的にはずっと4年間「競り負けない」っていうことが自分の中でテーマとしてやってきたのでそれは崩さず、僕は個人メドレーですし最後の自由形は鍵になってくるので、自由形の選手についていって最後しっかり勝てるようにってことを意識してやってきました。チームとしては田垣先生のチームと違ってスプリントやストロークの選手が多く、全部頑張り切るってことが難しい子たちが多いので、その分しっかりメリハリをつけるようにっていうのを意識してやっていました。ただ苦手なものを苦手意識のまま終わるんじゃなくて、逆に苦手だからやるっていうことを意識して伝えてきたつもりです。


遠:チームはたぶんその通りです(笑)。やっぱり集中力が高い時と高くない時の差が1番激しいチームだったので、ちゃんとそこの集中力をずっと高いところでやるっていう雰囲気を自分たちで作り上げていくっていうのをやってきたつもりです。個人としてはもう、1個1個のメニューを思い切って泳ぐっていうのを大事にしてきました。


――東洋大水泳部のいいところ、強みは


若:水泳を純粋に楽しんでいたり、本当にみんなで声出しあって切磋琢磨、まじめにっていうのはすごいうちの強みだなって思いますね。


遠:やっぱり水泳が好きだからこそ、みんな練習もまじめに取り組んでいますし、それだけ水泳が大好きなんだなっていうのが感じとれるチームだなって思います。


――後輩たちにどんな姿を見せたいですか


遠:やればできるんだってことですね。なんかやろうって思えばできるんだよっていうところを自分もインカレではちゃんと結果としてみんなに見せたいです。


若:結果もそうですけど、本当に大学水泳はタイムが伸び悩む子が結構いて「なんで水泳やってるんだろう」って出てきちゃうのが大学水泳で。ただ僕たちはまだ学生ですし、水泳自体を楽しんでもらいたいって思いが僕の中にはあるので、そのインカレっていう舞台で大学水泳の楽しさ、水泳の楽しさっていうのを4年生の頑張りを見て、自分も頑張って再確認してもらえたらっていうのを思っています。


――最後に、インカレの目標をお願いします


若:個人は2コメ(200m個人メドレー)で表彰台に上るのと、チーム目標は男子総合5位ですね、以上!


遠:個人は50mと100mの自由形でA決勝にちゃんと残ってもう1回表彰台に上ることが目標です。チームは女子総合優勝です!



チームで勝利をつかみに行く(左から遠山、若林) 


 


◆若林健太(わかばやし・けんた)


学部・学科・学年/経済学部・経済学科・4年


出身校/法政第二高校


身長・体重/183cm73kg


生年月日/H9・5・12


血液型/AB


好きな食べ物/チーズケーキ


エントリー種目/200m個人メドレー


 


◆遠山ひかり(とおやま・ひかり)


学部・学科・学年/国際地域学部・国際地域学科・4年


出身校/八代白百合学園高校


身長・体重/163cm


生年月日/H9・4・11


血液型/A型


趣味/散歩


エントリー種目/50m自由形、100m自由形


 


 

TEXT=越塚日南

ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016
ジャパンオープン2016