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2019.09.13
硬式野球

[硬式野球]連盟初!諏訪&納の活躍でタイブレーク制し、立正大撃砕

東都大学野球秋季1部リーグ戦・立正大3回戦

9月13日(金) 神宮球場

○東洋大6-3立正大


10
東洋大
立正大


(東洋大)村上、松澤、○河北、山下雅-佐藤都


・打撃成績

打順守備名前
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(左)小峰(営4=帝京)
(遊)小川(法3=霞ヶ浦)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山崎基(営3=愛工大名電)
(一)諏訪(総3=浦和学院)
(右)納(総3=智弁学園)
(二)小林直(法3=光星学院)
(三)津田(浦和学院)


3612



・投手成績

名前球数四死球三振
村上(総3=智弁学園)107
松澤(営1=帝京)27
河北(総1=浦和学院)19
山下雅(営4=東邦)120


タイブレークで適時三塁打を放った諏訪


納は犠飛で貢献した


小峰は2戦連続マルチ安打を記録


じゃんけんに敗れた谷川主務(左)


 曇天の中、勝点を賭けて行われた立正大3回戦。チームは先制、勝ち越しと得点を挙げるも相手の猛攻をしのげず。延長十回に行われるタイブレークに突入。諏訪(総3=浦和学院)、納(総3=智弁学園)の2人で3得点を挙げると、最終回は山下雅(営4=東邦)が抑え6-3で東都大学野球連盟初のタイブレークで勝利した。


 「なんとなくファーストかなって」。試合後のバスの前でにこやかに語ったのはこの日のヒーロー・諏訪だ。開幕戦からスタメンに名を連ねるが、昨季とは違い二塁手として出場していた男が打棒で求められた仕事をこなした。勝負の延長十回。小川(法3=霞ヶ浦)と佐藤都(法4=聖光学院)を走者に置き始まった。オープン戦での練習通り、山崎(営3=愛工大名電)が犠打をしっかりと一球で決め、指揮官から「諏訪、勝負だぞ」と声をかけられ諏訪が打席に向かう。1死二、三塁の好機での打席で追い込まれると狙い球を「直球に絞った」と一振り。打球はやや前よりだった右翼手が飛びつくもわずかに届かず。白球が外野を転々とする間に快足を飛ばして三塁に滑り込むとホッと一息。殊勲の適時2点三塁打にクールな顔立ちのこの男もベンチの興奮に力強いガッツポーズで応えた。


 今季からタイブレークでの公平性を保つため、試合前に先攻後攻を決めるじゃんけんが行われる。この日のじゃんけんに向かった谷川主務(法4=神村学園)は試合後に「勝ってくれて良かった。でも、ヒーローは諏訪だけじゃない」とチームの屋台骨は他のヒーローの名を口にした。今季からメンバーに名を連ねている納だ。「本当はゴロを打とうと思ってたんですけどね」と苦笑いをするも諏訪の適時打の直後に犠打を放ち勝利に大きく貢献した。「山田さんの穴はしっかり埋める」と意気込むこの男が同校出身のエースと共にチームを支える心意気だ。


 4試合を消化し、なんとか勝点を奪取した。「次は練習で」と見つめる先には亜大が待ち構える。険しい道のりになることが予想されるが、活発になり始めた打線を軸に投打で圧倒できるに違いない。


■コメント

・杉本監督

村上は六回で目一杯でしょう。初戦の疲労があった。打撃は、どうしても丁寧にというところがあって、あと一本出るかということ。相手がピンチなのに自分がピンチになっている。プレッシャーかけてるわけではないのに。昨日帰って、意識を徹底しようという話をした。低めを捨てるというなら死んでも捨てろと。昔だったらそれで振ったらとんでもないことになる。今の子達は痛い目に合わないから徹底できない。それでもできるような意識の高さは絶対必要だよという話をした。一人一人、どういう待ち方をするのか話させて、それをやってみてくれと。ただ漠然と打席に入ってる感じが私が現役の頃と違う。今の選手の気質。上のステージに行ったら今のままの意識じゃ絶対通用しないと言った。一朝一夕でできるわけがないので、タイブレークになってしまった。僕は社会人野球で経験済みですから。坂田監督がやってた頃はタイブレークはないでしょうけど、僕は監督としてやってるので。後攻が有利な感覚が一般的だが、僕の勝率は先攻の方が勝率が高い。今日は先頭打者が打ち上げてくれたから助かった。あそこをつながれたり、バントされたりしたら危なかった。点を考えながらできるという点では高校の方が有利かもしれない。諏訪はよく打った。タイブレークって面白いでしょう?皆さん野球じゃないって言うけど、凝縮されている。面白いと思う。昨日、山下が誤算ってコメントを出して、読んだかもしれないけど、それは期待の裏返しだぞ。今日絶対行くぞ。って話をした。ひょっとしたら山下が抑えになるかも。あれだけの直球が戻ってきたなら。タイブレークでの起用は迷ったけれど、得点がバントされるケースだったら金光を行かせて、そのあと山下かなと考えていた。山下はバント処理が遅いので。こういう投手起用もタイブレークの奥深さだと思う。たまたま打順が山崎で、彼はバントが上手い。それがラッキーだった。諏訪は、昨日はセカンド今日はファースト。あいつは三年だし、この秋活躍しないと将来の進路に関わる。特に三年生はのんびりしちゃダメ。三年生が中心でやらないと。ピッチャーも、亜細亜戦まで頑張ってくれれば一週空くし、駒澤の次も一週空く。これを考えると、いきのいい投手が出てきそうな雰囲気があるのでそれまで我慢してと言った感じ。今日は山下が頑張ってくれたので。ひょっとしたら河北を頭や真ん中で使うかもしれない。タイブレークの練習はオープン戦でやった。一回も負けていない。タイブレークは準備の問題。刻々と状況が変わるから、選手が考える習慣をつけておかないとダメです。


・谷川主務(法4=神村学園)

じゃんけんに負けた時は主務をクビになるかと思った。試合に勝てて本当によかった。負けたことを監督に伝えたら、何を出したんだって聞かれて「パーです」と答えたら『パーかぁ』と。自分的には妥当だと思ったんですけどね(笑)一晩考えてて、最初はグーで勝負に行こうと思ってたんだけど試合前にいろんな人とやったらみんなにパーで勝ったからパーで行きました。次戦はもう一回一晩かけて考えるけど、それを信じてやっていきたいです。


・佐藤都主将(法4=聖光学院)

(タイブレークは)難しかったけど3点とれたのが一番大きかった。でも裏の守りで根本(立正大)のセンターフライで1アウトとれたことも大きかった。あれが送りバントだったらバッテリーとしてもプレッシャーがかかるので。(七回のタイムリーは)反応でパッとだした。打ち方どうこうというよりも気持ちで打ったという感じ。もともと調子はあまり良くない。ふと思ったのは、結果ばかり気にしていた自分の身勝手な気持ちが邪魔していたのかな。個人的なものがすごい出てしまっていたと思う。ああいう1点がほしい状況で、ああいうヒットが自分のなかでは価値のあることだと改めて感じた。その前も1アウト一、三塁でファーストゴロでチャンスをつぶしてしまったのも、ひとりよがりになってしまっていたかなと。それは絶対しちゃいけないなと思った。今日は価値のある勝ち点をとることができて良かった。


・諏訪(総3=浦和学院)

1打席目、見逃し三振した後に監督から「ひっかけてもいいから強く引きつけて打つように」とアドバイスをもらった。2打席目からはそのアドバイスを活かして修正することができた。最終回には監督から「諏訪、勝負だよ」と言われて気持ちが高まった。打った球はスライダー。狙い球は相手のピッチャーがパワーピッチャーだしフルカウントだったから真っ直ぐ。とにかく引きつけて強く打つことを意識してた。OP戦の時からタイブレークの練習はしていたので覚悟はしていた。OP戦の時は三振だった。公式戦でやる初めてのタイブレークだったが特に緊張感はなかった。平常心で打席に立つことができた。チームとしては昨日までヒットが少なかった。昨日の夜ミーティングをしてみんなで高めあっていけた。ミーティングでは「打たされてる球は一緒。明るいだけでは勝てない。明るい中でも厳しくいくこと。」と言われた。


・納(総3=智弁学園)

最後の打席は本当はゴロを打とうと思っていて、意識はセンターから逆方向にありました。毎打席常にセンターから逆方向を意識しています。その中で打ったのは少し高めのストレート。スタメンで行くのは今朝知った。それでも、昨夜は出番があるのではないかと心の準備はしてました。スタメンというチャンスを与えてくれた監督さんに感謝して、山田さんの穴を塞げるように頑張ろうという心境でした。リーグ戦でのタイブレークはやはり緊張感はありました。タイブレークということで、かなり野球の醍醐味が凝縮されていて、新鮮な感じでした。またいい緊張感を持ってできてたと思います。次週の亜大戦はこのカードで4試合もしたので、次は連勝して勝ち点をとりたいとおもいます。


・小峰(営4=帝京)

今日は初戦にやられていたピッチャーだったのでやり返そうと思っていた。調子がとてもいい中で基本はまっすぐだと思うのでまっすぐ狙いで打席に立っている。2安打からのバントはノーアウト一塁の場面だったので当然だと思う。チームのためになるように自分は犠牲になっても1点1点取れればいいと思う。守備のファインプレーはたまたま。春は勝ち点5で優勝しているので、春と同じように優勝できるようにしたい。


・村上(総3=智弁学園)

調子はふつう。ピンチを背負った場面も1点先制してる状態だったから、1点は取られてもオッケーっていう考えで投げてた。まあ十分やれてたかなと。ストライクがなかなかとってもらえなかったけどファールでカウント整えていって。バッター見ながら球とか考えてたけど、特に意識して変えることはなくいつも通り。自分が登板の時にもっと点とってもらいたいですよね。5点ぐらいほしい。今日勝ったことによって大事な1カード目の勝ち点を取れた。それによって心に余裕がうまれたし。ここで落としたら入れ替え戦とかも視野に入ったり、優勝から遠のくから取れて本当によかった。


・松澤(営1=帝京)

村上さんに6回投げてもらっていたので。自分は昨日の反省を生かして、先頭バッターを抑える意識で投球してました。足はまだちょっと腫れてるけど試合中はアドレナリンが出てるから気にならないですね。(グラブが前のに戻ったが)もう緑の方は今シーズン封印します(笑)。昨日あれで打たれちゃったから幸先悪いし…。今季は黒いグラブの方で戦い抜きます。


TEXT=須之内海 PHOTO=川口朋珠、須之内海、齋藤洋