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2019.09.14
卓球

[女子卓球]悲願のリーグ優勝!笑顔で秋季リーグを終える

2019年・秋季・関東学生卓球リーグ戦・3日目

9月13日(金) 所沢市民体育館


女子2部リーグ

▼3日目

〇東洋大4-2大正大



前半にダブルスとシングルスで勝利した岡崎(右)と青木萌


最後の一本まで諦めずに戦い抜いた川崎


接戦の末にチームの優勝を決めた奥山


 2019年・秋季・関東学生卓球リーグ戦(以下、秋リーグ)最終戦の相手は1部リーグから降格してきた大正大。大接戦となったがデュースやフルゲームの場面で底力を発揮した東洋大に軍配が上がり、悲願の1部昇格が確定した。


強敵に対し江尻監督は出し惜しみなしの強気なオーダーを組んだ。1番手の青木萌(文1=武蔵野)は1ゲーム目・2ゲーム目はデュースもあったが競り勝ち、4ゲーム目で試合を決めた。2番手には川崎(文3=聖和学園)が起用された。相手はカットマンのため守りが固いのはもちろん、隙あらば強烈な攻撃を仕掛けるというスタイルで川崎は対策を講じることができない。そのまま3ゲーム連取されて大正大に1試合取り返される。しかし、3番手のダブルスと4番手シングルスに登場したエース岡崎(文1=川口市立)が苦戦しながらも東洋大のペースに持っていく。ダブルスは1ゲーム目を落とすと2ゲーム目と3ゲーム目を冷静に取り返し、青木萌との連携も徐々に良くなっていく。相手もカットで粘り、チャンスボールをしっかりと得点してくるため4ゲーム目は取り返されフルゲームになる。フルゲームはどちらがとってもおかしくない状況と思われたが、岡崎と青木萌は前陣でカウンターを繰り出し、相手の強打をことごとく自らの得点に結び付けた。最終ゲームは11-4で勝利した。続くシングルスでも岡崎は1ゲーム目こそ取られたものの、相手のラバーの特性に素早く対応して3ゲーム連取。これで東洋大はあと1勝でリーグ優勝という状況になった。


ここからは2年生の須田(文2=鶴岡東)と奥山(文2=秋田商)が奮闘する。5番ダブルスの須田・奥山ペアは2日目に2勝しており、この試合も粘り強く戦った。しかし、相手は1試合も負けることはできないという意地で一歩も引かず1、2ゲームに続いて3ゲーム目のデュースも連取した。ダブルスが終了し、6番シングルスには再び奥山起用される。奥山は以前にも同じような状況で試合が回ってきた際に惜敗している。そのため「前に負けたのがトラウマで怖かった」と試合直前の心境をのちに話したが、試合中はその気持ちとは裏腹に気迫がみなぎっていた。互いにボールに食らいつき試合はフルゲームへともつれる。しかし、ここでも奥山の表情は落ち着いており、むしろ得失点に関わらず笑顔でベンチや観客席を振り返った。プレーにもその前向きな姿勢が表れ、見事に勝利。ついにチームは1部昇格をつかみ取った。


接戦を制したメンバーは互いに健闘を称えあった。この勝利は決して一人の頑張りで成し遂げられるものではない。しかし、1部は2部リーグ以上にチームワークが重要となる。江尻監督は「1部の中でもちゃんと戦えるチームにしたい」と次戦に向けての目標を語った。チームはここで止まることなく次の戦いに向けて動き出す。


◼️コメント

・江尻監督

(リーグ戦を振り返って)はっきり言うと男女で明暗が分かれた試合だった。女子は念願の優勝が撮れたが、男子は入れ替え戦にまわってしまい、悔しいところと嬉しいところが複雑に入り混じっている。ただ、やはりその中でも自力で1位になったというのは、監督をやって十数年になるが2部のレベルの高い中でよく1位をとったなと。選手を褒めてあげたい。(試合中の声掛けについて)今日の大正大戦では最初にベンチに入ったが選手以上に自分が緊張するような感じで、本当に一本一本の重みが伝わってくる中で、力を抜いてという言葉ととにかく良い戦術と良い言葉がないかとフル回転で頭を回しつつ、選手のプレーを見ていて?咤激励している状況だった。(優勝した選手たちに掛けたい言葉)一番は4年生で主将をした川内に声を掛けたい。4年生一人しかいない中で選手のケアや練習、対戦相手の映像分析を彼女は一人で悩みながらやってくれたので、彼女はここまでチームをまとめた立役者だと思う。ここに至るまでのチームは彼女が作ってきたというぐらい彼女は頑張ってきた。そのうえで結果が出て嬉しい。(次戦に向けて)次のリーグは春で新1年生が加入してくる。ただ、過去に1部に昇格したとき1勝もあげられなかったので、今回は1部の中でもちゃんと戦えるチームにしたいというのは自分の目標の中にあって、来年度が本当の勝負なのかなと。メンバーもそこそこ戦えるメンバーがいるのと、チーム力を高めていくしかないなと思う。



・川内主将(文4=正智深谷)

(試合振り返って)秋リーグ1日目の国学大戦で0-4で負けている状態で自分たちが優勝できる可能性はとても低かった。自分たちの試合だけでなく、隣のコートでは淑大と国学大が試合をしていて、その試合によっても自分たちの順位が変わっていくという状態だった。しかし、そちらの試合をみんなあまり気にすることなく、どんな形でもいいのでみんな全力で戦って勝ちに行こうという気持ちで全員で試合に入れた。(優勝できた要因は)春リーグでは1部2部入替戦にまわって負けてしまった。そこから秋リーグでは絶対に1部リーグに昇格しようとみんなで目標を掲げた。毎日毎日試行錯誤しながら新しいことをやっていった。日々積み重ねてそれをやってきた成果が間違ってなかったと思えた瞬間だった。「日々の積み重ね」が勝った要因かなと思う。(来年1部で戦う後輩たちへ)自分たちの今のチームでも後輩たちは本当に目標にむけての意識が1人1人高く頑張れる選手たち。また春の1部で戦うときも日々しっかり準備をしてやってくれると思う。来年も応援してるし期待してる。


・川崎(文3=聖和学園)

(試合振り返って)今日の1試合、勝つか負けるかで大きく変わる試合だったのでみんなで一致団結してできた試合だったと思う。勝ったときは本当嬉しかった。(リーグ戦全体)やることはみんなやってきたし、17人は今まで1番多いメンバー数だけど、みんな仲が良いし役割を果たせたっていうのがあるのでそれが大きいと思う。(次戦に向けて)来期はもう1部なので今よりもっとみんなで上を目指していけたらいいなと思う。


・須田(文2=鶴岡東)

(試合を振り返って)インカレのときは青木萌と岡崎に頼り切っていたから、自分たちの学年とか先輩とかで支えて取りにいきたいと思っていた。やっぱり4つとらなくてはいけないのでそれを実行できて、最後は奥山が締めてくれたのが良かった。自分はダブルスで2敗しちゃったので、東経大・東女体大だけじゃなくさらに上のレベルの選手たちに勝っていけるようになったらチームとしてもレベルが上がるし、1部でも勝てるようになると思うのでまた練習頑張っていきたい。(ダブルスについて)相手が異質ラバーだったので自分たちのラリーに持ち込めないと話にならないのでラリーに持ち込むためのコースとかは結構話し合っていた。


・奥山(文2=秋田商)

(試合を振り返って)3-1でダブルスが回ってきてあと1つとれば勝ちという状況で、前の入れ替え戦でも3-0から回ってきた状況であと1つがとれなくて負けてしまって、今回も同じような状況だった。相手よりも粘って多く返していこうと話し合っていたが、相手の方が粘り強くて、競って取られてしまった。それでシングルスが回ってきて前に負けたのがトラウマで怖かったが、一本一本ベンチとか観客席を振り返って苦しいときこそゆっくりやろうと考えて、頑張れたから最後に勝てたと思う。(表彰について)青木か岡崎が呼ばれると思っていたので、自分が呼ばれるとは感が手もなくて、名前を呼ばれて嬉しさよりも驚きの方が大きかった。でもトロフィーをもらって自分はこういう賞を頂けたんだと思ってすごく嬉しかった。(次戦に向けて)1部は2部よりも難しくなる試合が多いしエースの岡崎や青木も勝つのが難しい選手がたくさんいるなかで、自分も勝つことが一番大事だが勝っても負けても最後まで諦めずに戦うことで後ろにもつながると思う。そこで自分が勝てば後輩とかにもつながるので先輩らしく戦いたいなと思う。



・趙(文2=日本航空)

(試合振り返って)最終戦で勝ったら1位、負けたら4位という状態だった。試合に出る人もベンチで応援している人もみんな全力で戦っていたと思う。17人で頑張ってきて本当によかった。(春から1部リーグだが)1部は上がれば上がるほど強いので、自分も1勝でも多くできるようにしたい。1部の中でも上位を目指したい。


・岡崎(文1=川口市立)

(試合を振り返って)勝つことを意識した。(シングルスはエース対決だったが)国学大戦のときに、自分が負けてしまいいい流れを作ることができなかったので、今日の試合ではチームに貢献するという気持ちで臨んだ。(来年の春から1部リーグだが)1部は勝てる選手が少なくなると思うが、自分の力を発揮してしっかり勝てるようにしたい。


・青木萌(文1=武蔵野)

(試合を振り返って)シングルスは1番だったので、その後のチームの雰囲気とか流れにつながるような試合をしたいと思って臨んだ。その後もダブルスで勝って少しはチームに貢献できたかなと思う。(リーグ戦について)春にすごく悔しい思いをして、部員全員でこの試合に向けて頑張ってきてこういう結果になったのはすごく嬉しい。試合に出ていないメンバーも協力してくれて、みんなで1位を勝ち取れて嬉しかった。(次戦に向けて)1部に残るのはもちろん、上位を狙らえるようにこれからしっかり基礎的なことから初めていきたい。

TEXT/PHOTO=鈴木拓磨

平成28年度春季関東学生卓球リーグ・東女体大戦
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