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2019.11.24
サッカー

[男子サッカー]粘り続けるも中大に勝ちきれずリーグ戦閉幕 2部へ降格

第93回関東大学サッカーリーグ戦(後期)1部第22節 

11月23日(土)中央大学多摩キャンパスサッカー場


東洋大1-2中大

<得点者>

20分 松崎



<出場メンバー>

▽GK

松本健太(国4=柏U-18)


▽DF

坂本涼斗(国3=柏U-18)

板倉洸(国3=横浜FM・Y)

土田直輝(国3=大宮Y)

野本幸太(国3=市立船橋)


▽MF

松崎快(国4=大宮Y)

坪川潤之(国4=矢板中央)

山下勇希(国2=昌平)→83分 工藤友暉 (国4=市立船橋)

前田泰良(国1=鹿島Y)→68分 横山塁(国2=FC東京U-18)


▽FW

小林拓夢(国4=帝京長岡)→90分 松田佳大(国1=京都橘)

荒川勇気(国4=旭川実業)




先制点を挙げ喜ぶ松崎

最後までボールに向かっていった荒川



 最終節、4年生がこのチームで戦うのも、下級生が4年生とともに戦えるのもこれで最後となる。残留のためにも勝利で幕を閉じたいという気持ちで全員が臨んだ今節。雨のせいでコートの状況も悪く、ボールが思うように進まず選手たちは苦戦を強いられた。そんな中、中大相手に先制点を挙げるが、相手に巻き返され敗北。この結果により来期から2部でのプレーが決まった。


 前半から東洋大ペースで試合が展開する。前田が流れを作るように積極的にボールに向かう。6分には、前田からのパスに山下が応えシュートするもゴールの上を通過。チャンスは何度か来るものの、それを結果にできず。そんな中、20分には荒川の落としから松崎がドリブルで上がりシュート。見事に決まり先制。これにより一層チームの士気が上がる。その後もゴールを狙い上がっていくも相手DFの守りが堅くなかなか攻められない。そんな中、40分にはゴール前まで迫った相手に隙をつかれ失点。その後反撃しようとするも時間だけが過ぎ、試合を折り返す。


 続く後半も攻め込むも相手も負けずと攻める姿勢で両者譲らない。60分には、小林拓夢がシュートチャンスをつくるも相手に阻まれる。その後、65分荒川が相手GKのこぼれ球を頭に当てゴールするかのように思われたが、ゴール上を通過し追加点とはならなかった。そして88分、GK松本が相手シュートを止めるも止めきれず、そのままこぼれ球を押し込まれる形で追加点を許す。その後も必死に得点を取りに行こうとするも時間が足りず試合終了。この結果により、2部への降格が決定した。これまで1部という舞台で戦ってきた選手たちは、誰もが落胆の姿を見せた。

 

 今節をもってリーグ戦は終了する。なかなか結果を残せず苦戦することの多かった今期。「エンジンがかかるまで時間がかかった」と古川監督は振り返った。勝ち点を積み上げることのできないなかでも、選手たちは次節に向けて努力を惜しまなかった。何度も降格が決定しそうな試合でも粘り続け、最終節まで持ちこたえた。結果は残留とはならなかったものの、チーム一丸となって最後まで戦った。


 4年生はこの試合で引退となる。今節も含めここ最近の4節、これまでのどの試合よりも粘り強さを見せた東洋大。その中心にいたのは4年生だった。誰よりもどん欲にこれからも1部でプレーができるように、下級生のために持てる力を出し切り戦った。今回の結果に対して、荒川は、「先輩としてかっこ悪かった」と振り返る。しかし、4年生全員が「1年で1部に戻ってくれる」とこれからのチームに期待を述べた。ここから先、4年生の抜けたチームで戦っていかなければならない。これまでチームの中心にいてチームを最高学年として支えてくれていた4年生という存在がいなくなり、誰もが思うようにいかない場面に当たることもあるだろう。しかし、4年生がこれからにたくさんの期待をしてくれているということを忘れず突き進んでいく、そしてその期待に応えるよう努力する、そんな新たな東洋大に期待がかかる。   



■コメント

・古川監督

(今節を振り返って)勝ちが絶対条件の中で早大の結果次第ということは全員が分かって戦っていた。その中で雨でボールがほとんど転がらないというピッチの状況でのゲームで勝つ確率を上げるプレーを終始した90分だった。(今期全体を通して)開幕から勝ちきれないゲーム、最低限の勝ち点1も取れないゲームが続いた。結果的に選手達の頑張り、諦めないところがシーズンを全うしてくれて、もう一歩で残留という所まで来れた。チームとしてのスイッチの入り、本気でみんなが必死でっという所のエンジンが入るまで時間がかかった。(4年生に関して)最後チームとして粘り強さを見せれた中心にいてIリーグの最後の試合だったりこのリーグの最後の4試合だったりというところで誰かが強いリーダーシップを発揮してとか、声を出して引っ張っていくという代の4年生ではなかった。でも最後の4試合で粘り強く戦えたのは4年生の人間性がチーム全体を下級生も含めて諦めず逃げ出さず最後の試合まで可能性を繋げてくれた要因だと思うし、誠実に彼らのサッカーに取り組んできた姿を見て感謝しかないし、この先サッカーを続けていく選手も社会に出ていく選手もその先で活躍してもらいたい。(来年に向けて)降格という現実をしっかり受け止めて言葉にするのは簡単だが、1年で1部に復帰して1部という厳しいし難しいリーグだがここで一勝することの大変さも喜びもわかっている選手達なので1部でまた勝利をあげられるようにまたインカレだとかのタイトルを取れるように力をつけて1部に返り咲けるようにまた明日からもそこに向けての戦いだとかに意識を向けることは必要だと思うので来期に向けてのスタートが切られたと思う。


・松崎(国4=大宮Y)

グランドコンディションが悪い中、やれることが限られている中でまず先制点が取れたのはよかった。結局最後力負けしてしまった。(ゴールシーンについて)アップの段階である程度ボールが止まるというのは把握していたので、多少前にボール出しても止まると思ったので、うまくキーパーが出られないくらいの場所にボールを落とせたのはよかった。(リーグ全体の総括)難しい時期が長かった。最後は勝ち始めることができて最初からそれができればよかったが、チームというのが出来上がるのが遅かったかなというのは思う。(引退となるが)僕はけっこう試合に出させてもらった方なので、1年生の時からこのチームに出てて、1部昇格も経験してインカレにも出て、最後降格となってしまったが色々な経験をできたのは財産だと思う。(同期に向けて)特に最後の方は一緒に試合やっている4年生が多くて、彼らが頑張っているのが自分にとってもプラスだった。最後同期と一緒に後輩に1部残留というのは残せなくて、結果的にそこは残念だったと思う。(後輩に向けて)選手は揃っていると思うので、彼らがポテンシャルをうまく発揮してくれれば1年で昇格はできることだと思う。個人個人思い入れがある選手は何人かいるが、彼らが躍動して来年また1部という舞台に戻ってきてくれるのを個人的に願っている。


・小林拓夢(国4=帝京長岡)

(今節をふりかえって)勝たないと残留ができないという状況でなんとしても勝ちたかったが難しい結果になってしまい降格という結果になって残念だ。(今期全体を通して)今シーズンは難しい試合が多くてなかなか勝てない時期も続いたが選手達一人一人が自分に向き合い逃げることなく今シーズンをしっかりやりきることが出来たと思う。(後輩に伝えたいこと)2部という舞台でも厳しい試合はあると思うので1年で今の3年生があげてくれることが嬉しいことなので彼らが中心になって頑張ってくれたらと思う。


・工藤(国4=市立船橋)

勝たないと残留できないという状況だったので、敗戦という形はすごく悔しいし自分たち4年生がそれで引退するというのは不甲斐ないというか悔しい試合だったなと思う。(今季のリーグの総括)前期から苦しいシーズンだったが、後期から少しづつ勝ち星が増えていって。もうちょっと早くチームを立て直すということができていたら最終節で残留がかかるような展開ではなかったのかなと思う。(4年間を振り返って)自分は入学する前に東洋大学のサッカーのやり方にすごく共感を持って入団して、フットボールにこだわったすごくいいチームで4年間サッカーができて良かったなと思う。(後輩へ向けて)今の3年生以下の選手は2部以下を経験していないので、1部の戦い方と若干変わってくることもあることもあると思うがどこに行ってもサッカーというのは変わらないと思うので、常に勝利にこだわってやってほしい。


・松本(国4=柏U-18
前節同様勝ち点3を取らなくてはいけない状況の中で前節と同じように先制点を取ることができたのはチームとして先に相手に先手を取ることでメンタル的にも優位な状況にはあの時は立てていたが結果的に逆転されてしまったのは最後の最後で自分たちの甘さ、今シーズン通しての甘い部分が出てしまったと感じた。(今シーズンを振り返って)なかなか勝ち点3を取れない中ですごく苦しく状況が続いていたがそれでもチームとして下をむかずに愚直にやり続けたのが最後の3連勝につながっていたと思うし、もっと早い段階で危機感を持ってやろうとか言ってはいたが本当の意味でちゃんと危機感を持って戦えたというのが3連勝の時期だったのでもっと早くああいう試合ができるようにならないと最終的にこういう結果になってしまうので1年通してもっとチームとしてやれたと思う。(4年間を振り返って)自分はけががあったり試合に出れない時期が続いて特に1、2年生の時は苦しい時期が続いたがそこで腐らずやることをやってきたつもりだしそれが3年生になってから試合に出れることにつながったり選抜に選ばれたりだとか最後にプロに行くことを勝ち取れたというのは一番目標にしていたところだったので4年間通してプロに行けたというのは嬉しかった。印象に残っていることとして1年生の時に出させてもらった天皇杯予選で最後延長戦で出てPK戦で止めて勝った試合が印象に残っている。(後輩に向けて)結果的に2部に落としてしまって申し訳ない気持ちはあるが別にプロの道が閉ざされるというのはないと思うので結局やるのは自分次第だと思うので頑張ってほしい。(来シーズンから入団する柏レイソルでの意気込み)GKの層も1番手で出ている中村選手は日本代表に選ばれるような選手だしその他の選手もレベルが高いと練習参加していて感じている。だがそこで負けることなく明日からしっかりオフだったりトレーニングするところはして万全な状態で新シーズン迎えてスタメンというのを1年目からどん欲に狙ってとにかく結果を出せるように頑張りたい。


・荒川(国4=旭川実業)

今日は雨が酷くていつものサッカーができないとミーティングで話して、みんな割り切ってやっている中で前半(松崎)快が1点取ってくれて、いつも通り前半無失点で抑えたいところだったが、失点してズルズル入ってしまったのが痛かった。(今シーズンを振り返り)自分たちは4年生になって、順風満帆に進んだ年ではなかったが最後の4節残した時点で残留圏と勝ち点が9離れている中でIリーグの4年生たちが頑張ってくれている姿もあってそこで1つになれたなと思った。(4年生に向け)自分は2年生、3年の最初まで一番下のチームにいて、それでも周りの4年生がいつもプラスの言葉を掛けてくれて自分を良い方向に持っていってくれていたので、そこで自分も腐らずに同期のみんなと切磋琢磨して試合にも出られるようになって、何試合かチームの勝利に貢献もできて、いい大学生活ではなかったけど楽しかった。(後輩に向け)1部の舞台を残してあげられなかったのは先輩としてかっこ悪かったけど、この3年生以下は1部の舞台を肌で感じているので、1年でどうにか昇格できるように頑張ってほしい。(4年間を総括して)自分はエリート街道を歩いてこなかった人間なので、常に下から這い上がってくるサッカー人生だったので、この東洋大で這い上がって試合にも出られて、最高に楽しいサッカー人生だった。


・朝妻(国4=大宮Y)

(今季のリーグ戦を通して)初戦から苦しい時間がずっと続いていて、チーム的にも崩れそうな時期とか喧嘩が多い時期とか色々あったが最後の最後までこうやって望みがつなげたというのはみんなが最後まで諦めなかったという事実があることだし、みんなが気持ちを切らさずにチームのためを思ってやれたからここまで来れたかなと思う。(4年間を振り返って)一言でいえばすごく楽しかったというのがあって。自分結構負けず嫌いなところがあって、大学初めとかでも自分が出てない試合を素直に応援できなかったりだとか色々あったが、自分が2年生になってその時の代の4年生、自分が3年生になった時の4年生、自分が最上級生になった時の後輩、あいつらのためにも先輩のためにも頑張ろうという気持ちが自分の中で芽生えて、やっぱりそこで東洋に対する愛が出てきたのかなって。すごくいいチームに入れたなってこの4年間を通してすごく思っている。(後輩へ向けて)間違いなく1年で1部に上げてくれると思うので、そこは直接的な手助けはできないが試合を見に行ったりだとか陰ながらではあるがしっかり応援させてもらって。あいつらは物怖じとかしないと思うので2部でも思いっきり戦ってもらって最後まで楽しんでもらえればと思う。


・土田(国3=大宮Y)

前半いい形で先制点が取れたが、終わり方で失点してしまった。前半の入りは悪くなかったが、後半最後の最後で点を取られてしまって負けてしまった。自分はまだ来年があるのでこのような経験ができてよかったと思う。(リーグ戦の総括)1年間勝ちがなくて苦しい状況の中、最後の最後まで4試合で勝ち点9差で残留の望みがあった中で試合ができた。自分としてはもっと楽な展開というか、前期から勝ちが沢山あって、インカレに絡めるぐらいの順位にいたかったのが正直なところなので悔しい。(引退する4年生に向けて)1年間俺が1番関わった人が多いと思うので感謝しかない。最後勝ちで終われなかったというのは、3年と2年の責任でもある。来年は2部に下がるが1部に昇格していい報告ができるように頑張っていきたい。(来年に向けて)1部を経験して1部でもできるというのはみんな感じているので、2部では圧倒するくらいの気持ちで毎試合戦っていきたい。



TEXT=廣瀬璃子  PHOTO=谷口奏生、渡部穂乃花、酒井菜摘、牧田のどか