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第73回全日本大学ボクシング王座決定戦
12月26日(木) 墨田区総合体育館
○東洋大 11-0大商大
【LF】○川谷(判定)伊藤
【F1】○豊嶋(RSC)加藤尚
【F2】○田村(判定)内田
【B1】○政所(判定)池側
【B2】○金城(判定)山﨑
【L1】○木村(RSC)加藤一
【L2】○堤(RSC)山原
【LW1】○渡来(判定)細野
【LW2】○今永(RSC)中谷
【W】○平田(判定)元部
【M】○田中(判定)齋藤
11ー0の完全勝利で初の大学日本一に輝いた
キャプテンとして1年間チームを引っ張ってきた木村
ストップ勝ちを収めた豊嶋
堤は最優秀選手賞を受賞
応援を含め4年生中心にチームを盛り上げた
※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。
遂に大学日本一になるときが来た。第73回全日本大学ボクシング王座決定戦(以下、王座戦)が墨田区総合体育館で行われた。王座戦は関東大学ボクシングリーグ戦(以下、リーグ戦)と関西学生ボクシングリーグ戦の優勝校が戦い、大学日本一を決める大会だ。全11試合行われ、東洋大と対戦相手の大商大どちらが勝っても初優勝というなかで東洋大が11―0の全勝優勝。圧倒的な強さを見せ、初となる大学日本一に輝いた。
トップバッターであるライトフライ級の川谷(営2=豊国)はリーグ戦同様、ジャブを出しつつボディーブローも的確に決め判定勝ち。今大会もチームに流れを作った。バンタム級でリングに上がったのはリーグ戦で出場した試合は全て勝利し、チームの優勝に貢献した政所(営1=王寺工)。試合開始早々に目の上をカットしてしまうも「勝つことしか考えていなかった」と気持ちの面でも負けることなくパワーのあるパンチで勝利をつかむ。
そして、東洋大が5連勝と日本一まであと一勝という状況のなかライト級に登場したのはこれが大学最後の試合となる木村(営4=飛龍)。この1年、主将としてチームの中心となり家族のようなチームを作り上げた木村は今試合も相手を圧倒させ、東洋大の勝利を自らの試合で確定させた。「キャプテンをやらせてもらったことに対して誇りに思っている」(木村)。レフリーが木村の手を挙げると最後は笑顔でリングを後にした。次に登場したのは「キャプテンにいい思いをさせてあげたい」と試合に挑んだ堤(営2=習志野)。階級を1つ上げての挑戦だったが、これまでと変わらず落ち着いたボクシングを見せ、ストップ勝ちを収めた。さらに堤は今大会で最優秀選手賞も受賞し、全日本王者の風格を感じさせる試合となった。
ライトウェルター級の1試合目を制し、2試合目に登場したのは三浦監督が「今年1番伸びた選手」と評価する今永(営2=王寺工)。1ラウンド目からストレートが相手に決まると、そのまま今永のペースで試合は進み、2ラウンドRSCでの勝利。そのまま東洋大の勢いは止まることなく10-0で最後に登場したのはミドル級の田中(文3=享栄)。苦手なタイプである相手に対してダウンを取り、最終試合にふさわしい試合展開を繰り広げる。そして11―0と全階級制覇を成し遂げた。
「一人一人がベストを尽くして東洋のボクシングをする」という三浦監督の言葉通り、チーム全員が持っている力を発揮した。今大会フライ級で出場し、ストップ勝ちでチームを勢いづけた来季のキャプテンである豊嶋(営3=横浜総合)は「来年も優勝できるように頑張りたい」と強く意気込む。リーグ戦初優勝、そして今回の王座戦で大学日本一と最高の形で今季を締めくくった東洋大。これから王者として令和時代の大学ボクシング界の先陣を切り、新しい時代を作っていく。
■コメント
・三浦監督
今日の試合は一人一人がベストを尽くして東洋のボクシングをする、これは応援も含めてだが、そういう指示を出していた。軽量級で本当にいい流れを作ってくれたので、だんだんと中量級、重量級組が負けられないという気持ちになってくれて気持ちで上回った試合が多かった。自分の力をみんな100%出してくれたと思う。なかなか自分の力を100%出すっていうことは難しいと思うが、本当にいい緊張感といい応援で伸び伸びと試合をやってくれてそれが結果についてきたのだと思う。(大商大は)どんなに打たれても気持ちが強くて、最後ストップされるまで心が折れる選手が一人もいなかったので、最後まで油断できなかった。(リーグ戦初戦も全勝、王座でも全勝だったが)全勝というよりはみんながベストな試合をやってくれれば勝てると思っていた。でも実際にそういう風にできるっていうようになってきたかなと。選手自身が色んな意味で精神コントロールできるようになってきたかなと思う。(これから王者として追われる立場になるが)前からそうだが、元気がなければ練習も試合も応援も良くないのでそこはブレないで東洋の元気あるボクシングを貫いていきたい。それがやっぱり1番大切なことだと思う。
TEXT/PHOTO=岡村珠里