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第92回日本学生氷上競技選手権大会
1月5日(日)〜7日(火) 日本製紙アイスアリーナ
◆女子6級クラス
3位 水上 64.93
25位 星野 52.54
女子6級クラス団体2位 30点
最後のインカレで集大成を見せた水上
星野は1年生ながら堂々の演技を披露した
第92回日本氷上競技選手権大会(以下、インカレ)が今年も開幕。初日のこの舞台に出場した6級女子はベストを尽くし団体2位で表彰台へと登った。
まず最初に登場したのは、初のインカレ出場となる星野(社1=帝京)。初めての舞台でプレッシャーに押され、試合前は緊張で震えたと話す。それでも東洋大の大きな声援を受けリンクに降り立つと、キレのあるダイナミックな演技で観客を魅了。演技後は「大きなミスをしないでまとめられて終わったのでよかった」と満足のいく様子。初のインカレは大きな自信へとつながり、「来シーズンは絶対に7級で試合に出て東洋大に貢献する」と飛躍を誓った。
対照的に、4年生の水上(社4=桜町)にとってこのインカレは自身の集大成となる舞台となった。「最後だから楽しんで」。そう仲間たちに背中を押されリンクへと上がった水上の顔には緊張の色はなく、すでに笑顔が浮かんでいた。今回の演技は、インカレのために新たに3回転ジャンプを組み込む攻めたオーダー。練習では決まることのなかったと話すこの3回転も、厳かな曲調の中で丁寧に決め、完成度の高さに東洋大の応援席からは大きな声援が上がる。繊細さが際立つ演技の中でも表情は終始柔らかく、曲調の移り変わりとともに最後のポーズを決めた瞬間、会場は爆発的な歓声に満ちていた。そして、水上はこの演技で3位入賞の大快挙。「今できる人生の中で最後まで頑張った結果が今の結果」とこれまでのスケート人生を振り返った水上。今回のインカレは、今までの努力が報われた結果となった。
この2人の選手の活躍により、晴れて団体2位を受賞した東洋大。翌日に控える7級では、この勢いに乗ったさらなる好成績が期待される。
■コメント
・水上(社4=桜町)
(東インカレの成績を振り返って)東インカレはやっぱり4年生で絶対に自分がインカレに出るためには、4年生だから出るんじゃなくて自分が上位だから出れるという風にしたかったので。すごく緊張もしたしすごいプレッシャーもあったが、やってきたことを信じて頑張った結果が2位という結果につながってきたなという風に思って。順位的には2位でまだまだ上の人もいたし、まだまだ上を目指せるなという感じはあったなと思ったのが東インカレだった。(東インカレからインカレまでやってきたこと)インカレでトリプル2本にして攻めた内容にしたが、その分練習も、どうやってトリプル2本決めれるかというのを、ただ練習じゃなくてどうやったら曲にはめられるかというのを東インカレの後からずっとやってきたという感じ。(試合前、監督や部員から貰った言葉は)みんな言うのは、本当に最後だから楽しんでって言ってくれて。でもやっぱりすごく緊張していて、直前まで緊張して全然楽しもうということができなかったが、試合が始まる直前くらいからふっと落ち着けて、楽しもうというようになったかなと思う。去年の4年生の先輩に、東インカレの方が緊張した、インカレの方が緊張しなかったという言葉を頂いていて、その通りだったのかなと思った。(演技を振り返って)トリプル2本は練習で上手くはまることがほとんど無くてすごく心配で。どうやったらうまくいくかというイメージはうまくできてはいたが、曲で練習中はうまくいかなくて。すごく不安だったが、トリプル2本を本番で決めることができて、アクセルも回転不足ではあったと思うが最小限のミスでできたりとかダブルジャンプもミスはあったりしたが、内容的にはまとめられた演技だったんじゃないかなと思う。(課題点は)最後だったからもう次はないなという風に思っていたので、できるだけ悔いの残らないようにと思っていたが、やはりスピンでぐらついてしまったりだとかもっともっとプラスに貰えるところは貰えたし、100点満点の演技はできなかったので、そういう細かいミスとかはもっと改善できたかなと思っている。よかった点は、みんなの応援があって、体力的にもつらくなって後半とかつらいが、がんばれと言ってくれる応援があったのでその分頑張って本当に最後だと思って最後まで全力でできたことがよかった点かなと思う。(シーズンを振り返って)私はやっぱり試合で本当にうまくいくことがこのスケート人生でほとんど無くて悔しい思いもすごくしたし、練習していても本番でうまくいかないことが多かったので、最後だけは報われてほしいなと思って絶対に努力を惜しまないようにしようと思って今シーズン1年間やってきて。夏もすごくハードだったし、東インカレからインカレに向けてもすごく考えることがあったし大変だったが、最後日々努力した積み重ねが今回こういうトリプル2本飛べたりとかの結果につながったから、頑張ってよかったのかなと思う。(今までのフィギュア人生を振り返って)私は天才肌じゃないし、コツコツやってきたものが今だから、もっと自分が天才だったら、もっと長くやってたら7級になってたりだとか、もっといいジャンプが飛べていたかもしれないと思うとやっぱり悔しいが、今できる人生の中で最後まで頑張った結果が今のこの結果だと思うとやってよかったと思うし、自分は自分で最後まだ1ヵ月くらいあるが、そこも気を抜かないで2月の試合まで頑張ろうと思う。(東洋大の存在は)存在って言われると本当に大きくて。高校生まで普通の高校に通ってクラブチームとしてスケートをやっていて。大学に入って初めて部活になって、個人スポーツだけどみんなで応援したりしてすごく楽しかったし、中でも東洋大学は本当に応援にみんなが命を懸けていてすごいサポートもしていたし、楽しんでいるのもあるししっかりとみんなの心のサポートとか心の暖かいところがみんなにはあって。私は他の大学じゃなくて東洋大学に入ってよかったなと今思っていて。色々個性豊かな人が多いし個人スポーツではあるから色々考えることも違うが、やっぱり東洋大学として先輩とか仲間を応援するのはナンバーワンだと思うので、本当に東洋大学に入ってよかったなという風に今思っている。
・星野(社1=帝京)
(東インカレは)台風で試合がどうなるかまだわからない状態で実際やれたことはよかったし、結果はトリプルがこけたしいつも跳べているダブルアクセルも失敗しちゃって不安が高まったが、後半まとめられたのでそこはよかった。(練習してきたことは)7級を合格するためにトリプルは絶対降りれる、練習で降りているから本番でも降りれるという強い気持ち。気持ちでバッチテストも試合も頑張ってきて、先月のバッチテストで7級のショートを合格できて、今回のインカレのメンバーにも決めてもらえた。(監督、仲間がらの声かけは)とりあえず笑顔と自信を持ってということ。練習でできているから本番でもできるという。とりあえず笑ってと。(試合を振り返ってみて)緊張で。とにかく試合前から涙が出ちゃって、不安が抑えられなくて震えてたけど、リンクへ出て行くときにみんなの顔が見て、ホッとした。大きなミスをしないでまとめられて終わったのでそこはよかった。(課題点、良かった点)トリプルがまだ1本しか入れられていないので、私大戦ではチャレンジして、自分はスリーコンビが苦手なので、スリーコンビをプログラムに入れられるようにしたい。(東洋大の応援)東洋大はすごい応援が安定して、どんなに緊張していてもみんなの声を聞いて安心したし、出れなかった6級のメンバーのためにも絶対頑張んなきゃ、絶対ノーミスしなきゃと強い気持ちを持てた。(シーズン振り返って)本番に強くなれた年。それこそ7級のショートもなかなか受からなかったけど先月は本番で降りれたし、本番に強くなれた年だった。(次の目標)来シーズンは絶対7級でインカレに出て、東洋大に貢献したいと思う。
TEXT=牧田のどか PHOTO=森美香子、越塚日南