記事
第91回日本選手権水泳競技大会競泳競技
兼第16回世界水泳選手権代表選手選考会
兼第28回ユニバーシアード代表選手選考会
兼第5回世界ジュニア水泳選手権代表選手選考会
4月7日(火)~12日(日) 東京辰巳国際水泳場
(5日目・予選)
◆女子100m自由形
4組
5着 宮本 56″53
→全体11位で準決勝進出
5組
DNS 岩本
6組
1着 内田 54″90
→全体1位で準決勝進出
◆女子200m背泳ぎ
3組
8着 大橋 2′21″25
◆男子100mバタフライ
5組
1着 三好 52″95
→全体5位で準決勝進出
◆女子200m平泳ぎ
3組
3着 青木 2′26″80
→全体5位で準決勝進出
5組
5着 金指 2′31″41
◆男子1500m自由形
4組
4着 松本 15′29″19
(5日目・準決勝)
◆女子100m自由形
2組
1着 内田 54″37
→全体1位で決勝進出
6着 宮本 56″40
◆男子100mバタフライ
2組
4着 三好 53″23
◆女子200m平泳ぎ
2組
3着 青木 2′26″25
→全体4位で決勝進出
(5日目・決勝)
◆女子800m自由形
3位 地田 8′35″29
4位 菊池 8′37″51
◆女子200mバタフライ
5位 藪 2′11″39
◆男子200m平泳ぎ
4位 山口観 2′10″29
内田は圧巻の泳ぎを見せた
復調のきっかけをつかむレースとなった山口観
地田(右)は悔しい3位となった
男子100mバタフライで混戦を争った三好
5日目の今日は、日本記録に注目が集まる内田(営3・関東学園大附)が女子100m自由形の準決勝に登場し、1位で通過。余裕も感じられる泳ぎで、明日の好記録に期待を持たせた。
女子100m自由形では、予選・準決勝共に内田が他を寄せ付けない圧倒的なレースを見せた。目標とする派遣標準記録や日本記録を狙っていく上では、前半の50mを25秒台で入っていくことが一つの関門となるが、「少しびびってしまったところがあったのかなと思う」と言うように、2レースともその設定タイムをクリアすることができていない。「絶対に切るという強い気持ちで臨みたい」と意気込んだ内田。明日の決勝では、記録への挑戦にも注目だ。
また、山口観(法3・志布志)が最も重きを置く男子200m平泳ぎ決勝に臨んだ。レースは、小関(ミキハウス)が前半から世界記録を大きく上回るペースで進めていく。山口観は最初の50mこそ2番手で折り返すが、小関が2分7秒77という好タイムで優勝した一方で、2分10秒29で4位と後塵を拝した。
男子200m平泳ぎにおいて、これまでに2分7秒台をマークしたことがあるのは、国内では北島(アクエリアス)と山口観だけである。それだけに、レース後「同じレースで7秒台を出されたというのは、悔しい」と、いつになく悔しげな表情で言葉を絞り出した。勝敗だけでなく、小関が出した自らの記録に迫る2分7秒台の好タイムは、彼の闘争心を一層あおっただろう。その悔しさを忘れずに、次につなげていきたいところだ。
女子800m自由形決勝には、地田(文4・墨田川)と菊池(営2・作新学院)が出場する。「全体的に遅かった」と、地田は納得のいくレースとはならない中で3位と3連覇を逃してしまう。しかし、「スピードの強化や体力の強化を一からやり直したい」とすでにさらなる強化へ目を向けている。4位に甘んじた菊池も、「チャンスを無駄にしないようにしたい」と明日の1500mに悔しさをぶつけていくはずだ。
今日のレースは、男子100mバタフライでは三好(営2・八幡浜)が100分の1秒差で決勝進出を逃すなど、ハイレベルな戦いの厳しさを痛感する場面も見られた。明日はいよいよ最終日。日本最高峰の大会で結果を残すことは容易ではないが、各選手の好レースに期待だ。
■コメント
・地田(文4・墨田川)
連覇ができなかったのは悔しい。また努力し直したいと思う。前半は16秒で入って、後半は16秒もしくは15秒で入れるようにと思っていたが、全体的に遅かったというイメージがある。(隣のレーンがハイペースだったが)付いていこうと思ったので、焦りはしなかったが、思ったより自分が伸びなかったので、そこが悔しい。(今後への修正点は)アジア大会の時は、前半14秒で入ることができていて、それくらいのレベルでないと派遣標準記録は切っていけないと思うので、まずは8分30秒を切ることを目標に、スピードの強化や体力の強化を一からやり直したい。
・青木(営3・武蔵野)
タイムはもう少し出たかと思っていた。100mをターンしてからすでにきつく、後半全く体が動かなかったので、納得がいかないレースだった。(決勝では)前半もっと楽に入って、後半はバテないようにしたい。
・内田(営3・関東学園大附)
感覚は悪くない。前半25秒台で絶対に入ると決めていたのに、少しびびってしまったところがあったのかなと思う。まだキックが浅いところがあったりするので、そこを明日までに修正してきたい。(明日の目標は)タイムとしては53秒台。昨年同様2冠を達成し、派遣標準記録を切ること。絶対に切るという強い気持ちで臨みたい。
・山口観(法3・志布志)
悔しい。泳ぎが戻ってきているとは言っても、自己ベストまでは3秒もある。世界選手権の代表になることはできなかったが、どうやったら自分が上がっていくかという点では、今までとは違ったものが見えてきたので、昨年、一昨年よりは前向きなレースだった。特に、前半の1分2秒というのは2013年の世界選手権以来の好タイム。しかし、どんなに調子が悪くても2分8、9秒が出せるようではないと2分7秒台をコンスタントに出せるようにはならないと思う。(同組の小関は途中まで世界新ペース、2分7秒台だったが)やはりプライドがあるところなので、同じレースで2分7秒台を出されたというのは、悔しい。闘争心に火をつけられた感じがする。世界記録は自分の記録なので、やはり自分が最初に破りたいという強い気持ちがある。
・菊池(営2・作新学院)
落ち着いていくと決めていたのに、気持ちが弱かったのかなと思った。400m終わってからの中間泳が勝負だと言われていたのに、悔しい。初めて出たレースではなかったし、これで代表で決まるという部分が大きかったので、本当に悔しい。明日の1500mでのチャンスを無駄にしないようにしたい。
・松本(文2・神島)
200m、400mに合わせていたので1500mの練習は特にしていなかったが、高地トレーニングで心肺機能も高まってフォームも改善されたので、タイムが出るかと思っていたが、思ったより遅かった。今後の改善点が見つかった。1500mは分かりやすい種目なので、今後も力の試しとして出場することはあると思う。後半上げる自信がないので、前半から積極的にいって、その流れでいこうと思っていたが、ずるずるいってしまった。(前日までの200m、400mについて)400mはアップ不足という面があって、自分の力が出せなかったので、来月のジャパンオープンでしっかりと目標タイムである3分47秒台を出していきたい。200mは、ベストは出たがインターを切れなかったので、あと1か月スピードをしっかりつけて確実に切っていきたい。
・三好(営2・八幡浜)
(予選を終えて)昨日の疲れもあり後半バテてしまったが、前半は良かったと思う。100mバタフライメインだと思ってやってきたので、できるだけリラックスして泳ぐことを意識した。目標は51秒台。しっかり上げていきたい。準決勝は混戦になると思うので、自分のレースをしたい。
TEXT=青野佳奈 PHOTO=佐田毬絵、内田りほ