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第96回日本選手権水泳競技大会
12月3日(木)〜6日(日)東京アクアティクスセンター
(4日目・予選)
◆女子200m背泳ぎ
1組
1着 酒井 2′11″36
→全体1位で決勝進出
3組
1着 白井 2′12″14
→全体4位で決勝進出
◆男子100mバタフライ
3組
3着 阪本 52″44
→全体7位で決勝進出
◆女子200m平泳ぎ
2組
5着 今井 2′30″86
◆男子200m平泳ぎ
2組
花車 DNS
(4日目・決勝)
◆女子200m背泳ぎ
1位 酒井 2′09″32
2位 白井 2′09″77
◆男子100mバタフライ
8位 阪本 52″47
※掲載が遅れ、大変申し訳ございません。
第96回日本選手権水泳競技大会(以下、日本選手権)の最終日は、酒井(法1=武南)が3冠の快挙を達成した。また、白井(国3=宝塚東)、阪本(国3=三重)がそれぞれ決勝に進出。今大会を通じて一人一人が収穫と課題を得る機会となり、4日間の日本選手権は幕を閉じた。
女子200m背泳ぎ決勝には、前回優勝者の白井、過去3連覇の偉業を持つ酒井が登場。どちらが優勝してもなんら不思議ではないこのレース。会場中が固唾をのんで見守るなか、まず最初に先頭を切ったのは白井。ターンを終えるごとに徐々に周囲との差をつけ、その背中を酒井が追う展開に。展開が動いたのはラスト50mを迎えた瞬間だった。「ラスト50mをしっかり上げていく」とレースプランを考えていたという酒井が、宣言通りの猛追を見せ白井に迫る。たちまち横一線に並び、最後は古林(京急電鉄)を加えた三つ巴の競り合いに。最終的にタッチの差でデッドヒートを制したのは酒井だった。激戦のレースを終え、直後のインタビューでは「ほっとした」と笑顔をこぼすと「本番のプールで自信につながるレースができて本当に良かった」と喜びを噛みしめた。今大会で3冠を達成し、うち2種目は派遣標準記録を突破した酒井。「本番のオリンピックではメダル争いができるくらい真剣に水泳に取り組んでいきたい」と未来に向け確固たる決意を固め、会場を後にした。
白井はタッチの差で2位でフィニッシュ。今大会を通じて体力面での低下を感じているという白井。「それなら中途半端にペースを刻むより積極的に突っ込もうと考えていた」と、まずはプラン通りの泳ぎができたことを評価し、「とりあえず今出せる力はすべて出し切ったかなという感じ」と和らいだ顔で胸中を綴った。鍛錬の冬を乗り越え、来年の選考会でその努力が花開くか。これからも白井の活躍から目が離せない。
前日の男子200mバタフライで日本選手権初の決勝を経験した阪本は、最終日の男子100mバタフライでも決勝への切符を勝ち取った。迎えた決勝の舞台では、強豪揃いのメンバーを前に、阪本は臆面も見せず積極的に食らいついていく。結果は8位で終わったものの、レベルの高いレースで真価を発揮してみせた。今大会を通じて大きな飛躍を見せ、派遣標準記録にも迫るタイムを残した阪本。大学ラストイヤーを迎える来年の選考会での、さらなる活躍に期待が高まる。
4日間の日本選手権が終わりを迎えた。異例の12月開催となったこともあり、万全のコンディションとまではならないものの、選手たちにとっていい刺激となったに違いない。今大会で得た収穫や課題を整理し、来年の選考会の舞台となる4月の日本選手権では、選手たちのいいパフォーマンス、そして選手たちの笑顔が見られることに期待したい。
■コメント
・酒井(法1=武南)
(ラスト50mは)ラスト50mをしっかり上げていくというのはレース前に決めていたので、その通りにできたかなと思う。(来年4月に突破したいというタイムより速いタイムで泳ぎましたが)自己ベストではないが、ここ2年間くらいは2分10秒をまわれていなかったので、2分9秒まで戻すことができてほっとしている。(来年の夢は)来年の4月はもっとタイムも上げていって本番のオリンピックではメダル争いができるくらい本気で水泳に取り組んでいきたい。
TEXT=風間紫穂、牧田のどか