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2015JOCジュニアオリンピックカップ 全日本ジュニアレスリング選手権大会
4月25日(土)~26日(日)横浜文化体育館
[上位入賞者]
男子グレコローマンスタイル
55㌔級 室伏(法2・飛龍) 3位
74㌔級 杉田(工3・太田商) ベスト8
96㌔級 間島(済2・高岡商) 3位
女子 48㌔級 野村(社3・日本文理大附) ベスト8
間島は大学2年目にして初の表彰台をつかんだ
自身の強みである力強さを生かし攻め込む杉田
下級生を中心に28人が出場した今年度のJOC杯。男子グレコローマンスタイルでは間島、杉田、室伏が上位入賞を果たし、春季リーグ戦へ向け課題点が見える大会となった。
油断が勝利を遠ざけた。グレコローマンスタイル(以下、グレコ)96㌔級で昨年度優勝した宮國(国士大)が棄権し、間島は優勝を狙える位置にいた。初戦は不戦勝、2回戦は相手に1点も与えず6分間守り抜き勝利を手にする。「一番の山は決勝だと思っていた」。準決勝を通過点としてしか見ていなかった間島は、すでに決勝のことを考えていた。だが、このはやる気持ちが少しの油断を生んだのかもしれない。準決勝開始約1分でグラウンド戦に持ち込まれ、そのままテクニカルフォール負けを喫する。間島の練習相手をしている鈴木勝主将は「まだまだだと思う。練習を発揮できなければ意味はない」と苦言を呈した。しかし、今大会での3位という成績は大学入学以来の最高成績だ。船津コーチは「試合の運びを覚えれば上を目指すことができる」と期待を寄せている。
そして、今大会は普段フリースタイルでの出場が多い杉田が、グレコに挑戦しベスト8をつかんだ。以前は「いつも気持ちで負けてしまう」と弱気な面を見せていたが、今大会は「基礎を固めていったことで精神的に余裕ができた」と自信を持っていた。2回戦は持ち前の力強さを生かし、わずか35秒でテクニカルフォール勝ちを収める。しかし、3回戦はグレコ専門の選手に当たってしまい、1点も取ることができずベスト8となった。杉田の弟もJOC杯に出場しており「同じベスト8だったので兄としては追い越したい」と、兄弟の存在も杉田の士気を上げている。「(今後は)リーグ戦とインカレでまず正選手として選ばれて、一つでも多く勝って好成績を残したい」。精神面の弱さを克服し、力強さを武器に戦うことで、杉田の活躍の場はさらに増えていくだろう。
■コメント
・船津コーチ
優勝者が出なかったのは寂しい。組み合わせがよくなかった。2年生は去年の反省を生かしていると思う。どうして勝てなかったかということや、弱点や反省を練習で克服していかないと次のステップには向かえない。授業を優先して練習を行っているので、短い時間で集中して練習をしている。(杉田について)本来はフリースタイルの選手。独特の体の柔らかさを生かして戦ってほしかったが、相手がグレコローマン専門の選手ということもあり、うまくローリングを決められてしまったことで差が出てしまった。器用な選手なので、勉強していけばグレコローマンでも活躍が期待できる。(間島について)実力のある鈴木勝や黒木と毎日スパークリングすることで急激に成長した。また、ウェイトトレーニングをしたことで上半身が大きくなった。力負けしない自信はあったと思う。勝ちを意識し過ぎたことで、持ち味である思い切りのよさが出せなかった。下半身を強化して、試合の運びを覚えればさらに上を目指すことができる。(今後強化していきたいことは)技の反復を昨年からやってきて成果も出ているので続けていきたい。
・鈴木勝主将(法4・南京都)
(今大会を総括して)2階級で3位を獲得できたことは良かった。間島は確実に決勝に行かなければならなかったにもかかわらず、準決勝で負けてしまったのでまだまだだと思う。練習を発揮できなければ意味はない。室伏は最低でもメダルは取ったのでよかった。
・杉田(工3・太田商)
グレコローマンをちゃんと練習したのが初めてだった。試合自体はあまり良いものではなかったが、練習してきたことは出すことができたので自分的には評価は高い。初戦が一番苦戦した。モチベーションの持っていき方が苦手で、あまりやろうという気持ちになれなくて心が折れていたが、基礎を固めていったことで精神的に余裕ができて何とか勝つことができた。でも、最後の試合のグラウンドの時は、基礎を固めすぎてやられた時のことをあまり考えていなくて、あっという間に負けてしまった。弟が同じベスト8だったので、兄としては追い越したい。監督には前日に大技を狙わずに基礎で固めていけと言われたので、やろうと努めた。試合後は、レスリングにおいて気分屋なところが試合に反映していると言われたので、気分の波を一定にしていけるように練習していきたい。(今後の目標は)リーグ戦とインカレでまず正選手として選ばれて、一つでも多く勝って好成績を残したい。
・間島(済2・高岡商)
緊張もあっていつもならできることができていなかった。2回戦は思い通りのレスリングができたが、準決勝は前大会チャンピオンの宮國さんが棄権して出ていないというチャンスの時に勝てなかったから悔しい。絶対に勝てると思っていた。相手というより自分との戦いで、気持ちでも負けていたし、自分の持ち味の押し負けないレスリングもできなかった。一番の山は決勝だと思っていて、(準決勝のことより)決勝をどう勝ちにいくかを考えていた。今後はグラウンドの攻めと守りの強化と、押し負けないように練習をしていきたい。
TEXT/PHOTO=木谷加奈子