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2015.04.27
陸上競技

[陸上競技]全部門で自己記録更新!関カレを前に追い風吹く

第243回日本体育大学長距離競技会

4月25日(土)~26日(日)日本体育大学健志台キャンパス

 

▼1日目

男子800m

20組

1着 眞柄 1'50"41

3着 尾上 1'51"67

6着 本平 1'52"26

9着 海谷 1'59"08

DNS 増田

 

男子1500m

16組

4着 松崎 3'55"64

19組

3着 生井 3'55"27

5着 横山 3'56"30

 

女子1500m

4組

11着 柴田 5'06"79

DNS 鴫

5組

2着 曽我 4'42"75

7着 森田 4'56"62

DNS 室伏

6組

5着 江口 4'40"84

7組

16着 渡部 4'53"22

8組

DNS 山田

 

女子3000m

2組

DNS 岩崎

3組

4着 平山 10'00"88

 

女子5000m

1組

9着 川瀬 17'11"66

15着 永木 17'20"28

2組

21着 内田 16'32"55

DNS 二瓶

 

▼2日目

男子5000m

27組

19着 牧浦 14'17"13

DNS 服部勇

28組

4着 口町 14'01"70

14着 橋本 14'15"75

19着 小笹 14'18"75

29組

DNS 渡邊一


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眞柄は念願の日本選手権B標準を突破した


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「思っていた位置取りも上げ方で走れた」と言う口町は、13分台に迫った


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練習での不調を感じさせない粘りを見せた内田



 いよいよ関東インカレまで3週間を切り、各部門で選考も本格化している。その中で行われた今大会では出場した3部門すべてに新記録が生まれ、選手の士気と状態の向上がうかがえる内容となった。


 800mの眞柄(済2・三条)が自己ベストを1秒以上縮め、目標の日本選手権B標準を突破。「思い通りの走りができた」と笑顔を見せた。

 充実した冬季練習に加え昨年1年間の積み重ねが実を結んだ瞬間だった。レースでは、出口(早大)が序盤から飛び出しその後に眞柄や本平(済3・御調)が続く。眞柄は2周目に入るまで焦らず後ろに付くと、500~600にかけて抜き去る。そのまま先頭を譲ることなく1着でゴールし、狙っていたタイムを出すことにも成功した。

 昨シーズンから800m陣全体としてなかなか結果が出なかっただけに、今回の記録は選手たちの自信につながっただろう。塩田部長も「やっと800mとしての走りができるようになった」と安堵の表情を浮かべた。


 女子長距離部門からは1500m、3000m、5000mに出場。まず故障明けの平山(ラ3・酒田南)は、動きの確認のために3000mを走った。集団の中ほどからスタートすると少しずつ順位を上げ、中盤には3位集団の先頭に立つ。徐々に表情が苦しげになり少し後退するも、ラスト200m辺りからスピードを切り替える。すると前をいく選手を次々追い抜き4着でフィニッシュ。理想的なレース展開で好調さを感じさせた。また、調整に悩まされていた内田(食2・学法石川)は、5000mで実戦での強さを発揮する。実業団選手がつくる速いペースを持ち前の粘り強さで耐え、思い通りにできていなかった練習の動きを振り払う。課題であった最後の失速を伸びに変え「自信とモチベーションにつながった」と収穫を得た。

 一方練習で元気な1年生も、大学で最初の試合として1500mを経験。特に曽我(食1・須磨学園)は初レースにして自己ベストを更新し「順応が早い」(永井監督)と評価された。


 2日目は、連戦が続く長距離部門の4選手が5000mに臨んだ。27組の牧浦(済3・西脇工)は、先週のレースでラストの切り替えを課題に挙げていた。今回は縦長になった集団の後方に位置すると先頭の動きに対応しながらギアを入れ替え、順位を上げていく。冷静な試合運びで自己記録を約2秒更新させた。

 それでも谷川コーチは「もう少し前で進めることができればスムーズに流れに乗れた」と課題も述べている。そして、その言葉通りのレース展開を見せたのは28組の3選手だ。13分台を目標とした選手たちは勢いよくスタートすると前方に位置取った。中でも残り1500mを切ったところで2位に浮上した口町(法3・市立川口)は、ラストこそ後続に前を譲ったものの13分台まであと一歩の好記録をマーク。「理想通りの走り」と振り返るように、口町の得意とする積極的に先頭へ出るスタイルが生かされたレースとなった。また、橋本(工3・館林)と小笹(済1・埼玉栄)も終盤は粘りの走りで大きく失速することなくまとめた。トラックレースにおいて勝敗を左右する位置取りの重要性を体感したことは、大きな経験となったはずだ。


 中距離部門や長距離部門では現在主力選手が本調子ではなく、関カレに向けて不安要素も残っている。しかし、今大会で見られた下級生の躍動は確かな追い風となる。関カレで勝利を収めるためには、チームの勢いをつくり個々が万全な状態でスタートラインに立たなければならない。気を緩めることなく、残り限られたレースで調子をさらに上げることで勢いを増していく。


■コメント

・永井監督

冬にやってきたことを関カレ前に確かめるような意味合いで出場した選手と、入学して初めてのレースを経験する選手で二通りあった。(動きが良かった選手は)平山は関カレの5000mを予定しているので、前半の部分を3000mで確かめようと走った。けがなどで出遅れていたがここにきて調子が上がっているので、5000mに向けてはいいレースだった。(今日5000mを走った選手は)記録次第で5000mになるか1万mに回るかということだった。川瀬(生4・白鵬女子)や永木(食3・埼玉栄)はもうちょっと記録が欲しかったところ。内田は短い距離から長い距離に慣れていく練習で、いま一つ切り替えがうまくできていなかった。しかし今日のレースでは練習より動きが良かったので、このまま調子を上げていってほしい。(新入生の調子は)全体を見ると入寮したときよりは生活に慣れ、それぞれのリズムで練習できるようになってきている。今日出たのは練習でも元気な選手で、曽我はこの環境が変わった中で春先から自己ベストを更新し、順応が早いと評価している。(今後は)関東インカレが前半の一番大きな大会なので、新戦力も含めて陸上競技部の代表としてしっかり上位に入れるように仕上げ、臨みたい。


・塩田部長

(1500mの評価は)19組はレースに任せてラストのみ勝負するということだった。もう少し切り替えをうまくスパートがかけられれば良かったが、予定通りだと思う。800mは全体として練習の割に試合で結果を出せていなかったので、 やっと800mとしての走りができるようになった。(前レースと比べて良かった点は)練習の流れは変わってないので選手の気持ちが大きいと思う。他大選手も走れてきているから自然にそれにのれたのかなと。(今後に向けて)試合が続いてインカレを目指すために実践的な練習ができるので、あとは流れを変えずにいきたい。まずは1分50秒を切ってスタートラインに立つことが目標。1500mは、今年は3分47~48秒で走る実力がないと入賞は厳しいので、狙っていけるようにしたい。


・谷川コーチ

牧浦は14分10秒切りを目指したが、自己ベストを出せたし先週の状態を見ても良くなっていると思う。ただレース展開がまだ消極的で、もう少し前で進めることができればスムーズに流れに乗れたかなというのがある。 28組は13分台を狙う位置取りができていたので良かった。口町は余裕もあってレース展開も良かったが、3000~4000mのペースが上がらなかったのがあと一歩だったのかなと。それでも機会があれば13分台を出せると思うし、全体的に積極的に走れていたのでこのレースを経験できて良かった。(毎週ベストが出ているが)昨年は出なかったのでチームの士気も上がっている。ただ、昨年足踏みしたことを考えるとまだ取り戻せてはいないし他大学と比べても劣っているので、チーム自体もここからさらにどう上げていくかというところ。平国大でも自己ベストを出して、波に乗ったいい勢いのまま関カレに臨みたい。


・口町(法3・市立川口)

目標は13分台だった。思っていた位置取りや上げ方で走れたが、最後の1周が足りずに13分台を達成できなかったのかなと思う。中盤までは理想通りの走りができた。(ここまで連戦が続いているが)今季は昨年と比べてもすべてベストで、いい流れできている。2週間後に出場する仙台ハーフが今季初のハーフマラソンになるが、ハーフではまだいいタイムを出せてないので1時間3分台を狙っていきたい。


・眞柄(済2・三条)

日本選手権のB標準である1分50秒30を切ることを目標としていた。結果的に1秒以上自己ベストを更新して標準を切ることができてほっとしたし、良かった。(レースを振り返って)誰も出ないようだったら自分でいこうと思っていたが、予想より早い段階で早稲田の方が前に出たので、少し早いかなというくらいだったが、うまく合わせて走れたと思う。昨日の刺激や今日のアップで体の軽さを感じていて調子も良かったので、自信を持って臨んだ。今回は思い通りの走りができた。今日は記録会だったのでラスト500か600mで前に出たが、順位を狙うレースだったら最後の100mくらいまで付いていくのも戦略としてあると思うので、次はもっとレースを意識した走りができたらいいと思う。(目標を達成できた要因は)高校時代は冬場練習するという経験がなくて、今年初めて冬季練を経て迎えた春だったが、冬場にしっかり練習を積むことができていたことが今回つながったと思う。(次に向けて)平国大記録会の1500mでは自己ベスト、来週の800mは今回記録を切って安心している中でもまたさらに記録を縮めていきたい。


・内田(食2・学法石川)

今年初めてのトラックレースで、調整が全然うまくいっていなくて出場するかも迷った。普段は一人でやる練習が多く、引っ張ってもらう練習がなかったので、タイムはあまり気にせず、しっかり前に付いていくことを意識した。(レースを振り返って)中盤は付いて離れてと無駄な動きが多かった。今日一番収穫だったのは、ラスト150mの去年だったらいつも失速してしまうところで今日は伸びたところ。今まではそこで抜かれて負けてしまうので、粘れたところが良かった。(次のレースに向けて)タイムはまあまあだったが、今までうまくいっていなかった分今日は思ったより動いたので、自信とモチベーションにつながった。関カレに向けてスピード練習をしっかりやっていきたいと思う。


TEXT=野原成華、石田佳菜子 PHOTO=石田佳菜子、青野佳奈