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平成27年度東都大学準硬式野球春季２部リーグ戦・青学大２回戦
５月３日（祝） 上柚木公園野球場
東洋大３－２青学大
松下は相手打線を３安打に封じた
六回、この日２本目の適時打を放つ藤本
松下（ラ３・西湘）は、尻上がりに調子を上げる。九回に味方の失策で２点を失うが、藤本（営３・静清）の２本の適時打などで挙げた３点を守り抜き今季初の完投勝利を収めた。
序盤は四球を与える場面こそあったものの、凡打の山を築く松下。三回に左手親指の爪が割れるアクシデントにも見舞われたが、それを感じさせない投球で勝利投手の権利を手にする。本人が以前課題として挙げていた六回は「あまり意識しないように」。その言葉通り、青学大の上位打線を三者凡退に打ち取って見せた。試合後半になると徐々に三振も奪えるようになり、完封勝利も射程圏にとらえる。しかし最終九回、味方の２つの失策で無死２、３塁とこの日最大のピンチを迎えた。ここでマウンドに向かった小田辺監督は「２人の走者は最悪還しても良いから、アウトを稼ごう」と松下に告げる。松下はその後失策で２点を失い、さらに逆転の走者も背負うが、「多少力は入ったが意識しないように投げた」と後続を打ち取り、完投勝利で締めくくった。今季はケガもあり満足のいく投球を見せることができなかったエースが、リーグ後半戦に向け調子を上げてきた。
打撃陣では、今季ここまで苦しみ続けた主砲がついに活躍を見せた。二回、小野寺（ラ３・郡山）が内野安打と盗塁で一死２塁のチャンスを演出する。ここで打席が回ってきたのが藤本だ。昨季は２年生ながら４番に座った実力の持ち主だが、小田辺監督にキーマンとして指名された今季はなかなか打撃の調子が上がらず、打順降格も経験した。しかし、この日は本来の力を見せつける。２球目を振り抜くと、打球は右前へ。これが適時打となった。六回も得点圏の場面で打席が回ってくると、今度は初球のスライダーをとらえ、左前適時打。この日２打点の活躍だ。先日は決勝点となるスクイズも決め、「いい流れができている」と藤本。不振にあえいできた昨季の主砲が完全復活となれば、『打の東洋』はより厚みを増すであろう。
昨季はエース、そして４番としてチームをけん引した松下と藤本。この２人の復調がチームを優勝、昇格という目標へ加速させることは間違いない。苦しい状況には変わりないが、ついにエンジンがかかり始めた。
■コメント
・小田辺監督
勝ったというところは褒める。しかし、最後にバタついてしまった。もっとすっきり勝たなければいけなかった。（九回にマウンドへ）（出塁していた）２人の走者は最悪還しても良いから、アウトを稼ごうと松下に話した。（藤本の適時打について）決してきれいな安打ではなかったが、積極的にバットを振っているからあのような打球になる。そこは褒めたい。守りではミスがあったが。（次に向けて）帝京とやるときは、いつも乱打戦ばかりなので、もっと締まった試合ができるようにしたい。このチームの雰囲気自体は悪くないので、十分にチャンスがあると思う。明日勝てば、リーグ戦もより混沌としてくるので、結果にこだわりたい。
・松下（ラ３・西湘）
立ち上がりは四球を与えて状況を悪くしてしまうことがあったが、中盤からは三振こそあまり奪えなかったが、スルスルといけたので良かった。（課題の六回も三者凡退）今日は初回から０で来ていたので、あまり意識しないようにいった。六回から後もいい感じで投げられた。（最終回は）初回からやってきたようにやればいい結果になると思っていたので、多少力は入ったが意識しないように投げた。（次に向けて）今日完投したので、明日は自分が投げるかわからないが、投げるようなことがあれば勝ちにつながる投球をしたい。
・藤本（営３・静清）
２本の適時打について）積極的にバットを出していった。１本目は盗塁でチャンスが拡大したので、ファーストストライクを狙っていった。（打撃の調子は）ここ最近いい流れができている。継続していきたい。
TEXT/PHOTO=當麻彰紘
