記事
第15回東日本学生フィギュアスケート選手権大会
10月15日(金)~17日(日) ALSOKぐんまアイスアリーナ
◆7級男子
15位 坂東 80.08
16位 鶴田 43.86
◆7級女子
6位 増田 98.53
12位 海津 85.35
16位 園田 79.35
27位 田中 73.21
◆5、6級男子
3位 南雲 67.69
7位 深瀬 62.92
◆6級女子
7位 市川 65.43
10位 釜田 63.55
26位 星野 53.73
◆5級女子
31位 田邊 35.28
7位入賞を果たした市川
007にのって力強い演技を披露した釜田
2人の女性を演じ分けた星野
しなやかにスタートポーズをとる田邊
3日間に渡り東日本フィギュアスケート選手権大会(以下、東インカレ)が開催され、2日目に行われた6級女子、5級女子には東洋大から4名の選手が出場した。
まずリンクに登場したのは5級女子の田邊(済2=東海大付高輪台)。最初のジャンプで転倒してしまうと、その後も流れに乗れずジャンプにミスが見られたが、『アランフェス』の曲に乗り情感たっぷりの演技を見せた。
続いて6級女子に出場した市川(社1=武蔵村山五)はジャンプを次々と決め、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の曲にあった力強い滑りを見せる。「疲れる後半にサビの部分を持ってきた」と狙い通り終始スピード感を落とさず滑り切ると「一番思い切って滑ることができた」という納得の演技で7位入賞を果たした。
釜田(社1=東京学館新潟)も007の音楽で始まった演技は冒頭の2アクセルを決めると歓声が上がった。後半のジャンプで転倒こそあったものの全体的に安定感のある滑りを披露。2アクセルの成功に手応えを見せ、「次の大会では2アクセルを2本入れた構成に」と意気込んだ。
この日最後に登場したのは星野(社3=帝京)。鮮やかなエメラルドグリーンの衣装で登場すると、『A whole new world』ではおっとりした女性を、『Speechless』では力強い女性を演じ、映画『Aladdin』の世界を表現した。
また、5、6級男子に出場したルーキー南雲(済1=駒場学園)が3位になるなどそれぞれが課題と収穫を手にした東インカレ。選手たちは自らにさらなる磨きをかけ、次大会に向かう。
◼️コメント
・鶴田(社4=開志学園)
(今大会を振り返って)1週間前に行われたブロックでけがが悪化し、棄権していて、今大会もかなり迷いましたけど、本戦まで時間があることから、ただ滑るだけでも出ておこうという感じで、本当に滑るだけの大会だったと思います。(演技で意識したこと)ジャンプやスピンはほぼ全て実施せずに滑ると決めていたので、どう表現しようかなどは考えていました。(収穫や課題となったこと )滑ることで精一杯で収穫や課題を見つける余裕がなかったですし、まずはけがを治すことが最優先だと思います。ただ、こういった何も出来ない状態でも課題などを見つけれる選手が上に行ける選手なのかなと感じました。(選曲の理由)フリーは昨年と同じで、昨年のどこかで理由を話したと思います。ショートはこれまでのスケート人生で、僕は何か残せたわけでもなく、これといって大きい大会で良い成績を記録として残せたわけでもないのですが、僕を見てくださった皆様、応援して頂いた皆様の記憶に残れたら嬉しいですし、今後僕に似た選手が出てきた時にそういえばこんな選手昔居たなと、話して貰えたらなという想いで選びました。また、引退後の新しい人生のスタートという意味合いも僕は感じながら滑っています。ただ、1つの作品として、色々な感じ方、見え方があると思うので、人それぞれの感じ方をして貰えたらと思いますし、それも楽しみ方だと思います。(次大会に向けて)東日本選手権には出場しないので、今大会の本戦である全日本インカレに向けて、まずはけがを最小限な状態で臨みたいです。そこが最後になってしまうかもしれないので、今まで僕にご指導いただいた先生方、友人、応援してくださった皆様、関わって頂いた全ての人への想いを込めて最後まで滑りきれたらと思います。
・坂東(社1=駒場学園)
(今大会を振り返って)初めてのインカレでとてもいい経験ができました。(演技で意識したこと)初めてのシニア参戦でジュニアの時よりも演技力やスケーティングの流れが求められるため最後まで全力で魅せることを意識しました。(収穫や課題となったこと)今回の試合では、得点源であるスピンのミスが2つあり得点を下げてしまい順位にも響いたのでニ度とこのようなミスをしないように練習のときからスタミナの無くなってくる演技後半を意識してどんな状況でもミスをしない演技を目指します。(選曲の理由)私が、今シーズン使用している「ファンタスティックビースト」は、主人公と魔法動物の関わりが非常に面白く映画を見た時にいつかこの壮大な魔法の世界を描いたこの曲で演技をしたいと思ったのが選曲した理由です。(次大会に向けて)毎日の練習でなぜミスをしたのかを深く探究しどうしたら、どうやったら上手に成功することが出来るのかを常に意識して練習して、パーフェクトな演技を次の試合では出来る様に練習に取り組んでいきたいと思っています。
・海津(社4=武修館)
(今大会を振り返って)ラスト東インカレということで、かなり緊張しました。全体的に大きなミスをすることはなく演技できたことは良かったですが、ジャンプの回転不足やスタミナ不足が目立ってしまったのが、心残りです。しかし、最後まで楽しく演技をすることができたのでよかったかなと思っています。(演技で意識したこと)思い残すことのないように楽しく演技することを意識しました。無観客試合でしたが、私の演技を見て楽しい気持ちになってくれた方や感動してくれた方を思い出して、ジャンプに捉われず演技に集中することができました。(収穫や課題となったこと)今回の試合で、全てのジャンプにおいて回転不足がついたのでGOEでマイナスにならないのように改善していきたいです。スタミナ不足が課題なので、曲の後半でも動き切れるようにしていきたいです。(選曲の理由)コーチである山本雅江先生が「あすかに絶対合う!」と言ってくださって、ウエストサイドストーリーの曲にしました。先生も両親も、私らしく引退生っぽくない曲で引退してほしいという願いを叶えて、しんみりさせずに笑顔で引退できればいいなと思っています。(次大会に向けて)今回の試合で、たくさんの課題を見つけたので修正したうえで、試合も緊張も楽しめるように気を抜かずに最後まで頑張ります。
・園田(社2=北谷)
(今大会を振り返って)今の構成でほぼノーミスな演技で、自己ベストを約10点更新でき、今自分ができることを今大会では発揮できたと思います。そして、何よりも去年コロナの影響で無くなった東インカレに出場できたこと、インカレ7級女子3枠を取ることに貢献できたことがとても嬉しいです。(演技で意識したこと)名前コールされる前に、コーチからスピンの回転数をしっかり回ること、監督から笑顔で滑ってと言われたので、その2点を主に意識してました。(収穫や課題となったこと)今大会で「強気で行く!」という前向きな気持ちで試合に望むことが大切だと収穫しました。課題は、まだトリプルが安定してなく、実力不足なので、ジャンプの苦手意識を克服することです。(選曲の理由)コーチが選んでくれました。「スパルタクス」という曲は後半に連れて盛り上がっていくので、自分にとって表現の幅が広がると思い、私もコーチと意見が合ったからです。(次大会に向けて)都民大会では、苦手なショートで自己ベストを更新すること、国体予選では沖縄はまだ国体に出場したことないので、予選を通過できるように、全体的にレベルアップしたいです。
・田中(社2=山梨学院)
(今大会を振り返って)2年生ですが大学の大会は初めてだったので、大会に出れたことが嬉しかったです。貢献できず個人的には申し訳ない結果になってしまいましたが、良い経験になりました。(演技で意識したこと)とりあえず今できることをしっかりやろうと思って滑りました。(収穫や課題となったこと)ジャンプの回転不足やスピンのレベルの取りこぼしが多く、自分の意識の甘さを感じました。(選曲の理由)もともと映画が好きでサウンドトラックも聴いたりしていて、後半部分の曲が好きだったので、和のプログラムは初めてでしたが挑戦してみたいと思いました。(次大会に向けて)今回大会を通して感じたことを忘れずに、次の大会までに課題を改善していけるように練習を積み重ねていきたいと思います。
・増田(社1=白鵬女子)
(今大会を振り返って)点数と順位にとても驚きました。今シーズンはまだ試合で3T+3Tが上手く入ってなかったので、加点付きで降りれて良かったです。(演技で意識したこと)リズム感がないのでまだ上手く出来ていませんが、自分なりに音をよく聞いて滑ることを意識しています。(収穫や課題となったこと)1つ目と2つ目のジャンプを降りて、少し気が緩んでしまい3つ目のジャンプが抜けてしまったので、集中力を切らさず滑りきることが課題かなと思いました。(選曲の理由)同じクラブの先輩が前に使っていて、難しい曲だなとは思いましたが、私も滑ってみたいと思いました。(次大会に向けて)次の試合は、今回レベルを落としてしまったスピンでしっかりレベルを取り、ショートとフリーどちらも予定構成通りに滑ることが目標です。
・深瀬(社2=霞ヶ関)
(今大会を振り返って)今回の東日本インカレは久しぶりの大会ということもあり、中々上手くいかず、失敗も多かった試合でした。(演技で意識したこと)演技で意識したことは、振り付けの強弱です。(収穫や課題となったこと)課題はジャンプのミスの多さです。(選曲の理由)緊急事態宣言中にすすめられたアニメの曲を使っています。この作品の音楽やストーリーに惚れ込んで選曲しました。(次大会に向けて)今回の悔しさをバネにもっともっと練習して頑張りたいと思います。
・南雲(済1=東洋大京北)
(今大会を振り返って)小さいミスはありながらも、全体的にまとめられた点が良かったと思います。(演技で意識したこと)難度を落として臨んだため大きなミスをしないようにすることを意識しました。(収穫や課題となったこと)初めて大学生の試合に出たので出場したこと自体が収穫だと思います。演技をまとめられたのは良かったですが、加点が少なかったことが課題だと感じました。(選曲の理由)ロシアの選手が使っていて良い曲だと思ったからです。(次大会に向けて)次回はより難度の高い構成で臨めるように頑張ります。
・市川(社1=武蔵村山五)
(今大会を振り返って)大きなミスなく、全体的にまとめられた演技ができ、ホッとしています。今シーズンの試合の中で1番思い切って滑ることができました。(演技で意識したこと)試合前の曲かけ練習で何回かノーミスで出来ていたので、練習通りを意識して自信を持って滑りました。(収穫や課題となったこと)演技構成点が上がればもっと点数が伸びることがわかりました。全ての動きを早く動いてしまうことが課題だと思ったので、特にステップシークエンスはスローパートなのでゆっくり大きく動くことを意識して滑ろうと思います。(選曲の理由)「パイレーツ・オブ・カリビアン」の曲は、前から使ってみたい曲でした。強い心で演じることができると思ったからです。疲れる後半に、激しいサビの部分を持ってきたことで勢いを落とさず滑れることができました。(次大会に向けて)日々の練習でミスを減らす練習をしていきたいと思います。次の試合では構成を上げ、自己ベストが出せるよう練習していきます。
・釜田(社1=東京学館新潟)
(今大会を振り返って)ジャンプのミスやスピンでのぐらつきなどあり、完璧な演技とはいかなかったが、2A着氷することができたし、全体的にまとめることが出来たので良かったと思います。(演技で意識したこと)笑顔で滑ることです。(収穫や課題となったこと)2Aが降りれたことは良かったが、後半はジャンプが乱れてしまったので体力をつけて、ミスを減らしていきたいです。(選曲の理由)コーチに選んでもらい、聞いたところとても気に入ったので007にしました。(次大会に向けて)次の大会では2Aを2本入れた構成にし、スピンやステップでも安定した演技をし、ノーミスできるように頑張りたいです。
・星野(社3=帝京)
(今大会を振り返って)腰と膝を痛めており、あまり練習も出来ないまま本番になってしまった為、納得のいく演技が出来ず、とても悔しい気持ちでいっぱいです。(演技で意識したこと)とりあえず転ばないで全て降りるということです。また、今出来ることを全て出し切るということです。(収穫や課題となったこと)ジャンプの回転不足が目立ったので次の試合までに直そうと思います。また、スピンやステップで加点があまりなかったので次回までに今回の課題を改善出来るようにします。(選曲の理由)Aladdinの最初のA whole new worldは歌詞にもあるように、今までとは違う全く新しい世界に行けた喜びや楽しさを表現して演技しました。A whole new worldは滑らかでしっとりした強調のためおっとりした女性を演じました。後半Speechlessは強い女性を表現して演技しました。Speechlessの歌詞には負けない・挫けない・自由の扉開けるなど心にグサッと刺さるものが多く、好きでずっと使いたい曲でした。今まで強い曲調を踊ったことがなかったことと今の自分にピッタリだと思いこの2曲を組み合わせて選曲しました。(次大会に向けて)まずは一日でも早く腰と膝を治し、万全な状態で試合に臨みたいと思います。そして、自分の武器であるスピンはもっと加点が貰えるようにし、ジャンプでは回転不足が取られないように、これから練習していきたいと思います。
※掲載が遅れ、申し訳ございません。
TEXT=小林夏実