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2015.05.17
陸上競技

[陸上競技]松永が連覇達成!3種目で表彰台へ上がる!

第94回関東学生陸上競技対校選手権大会

兼第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)代表選手選考競技会

5月16日(土)日産スタジアム


▼3日目


男子200m 予選

1組

DNS 桐生

3組

3着 北村 21"66 ※準決勝進出

4組

DNS 小林


男子800m 予選

2組

4着 尾上 1'51"27 ※準決勝進出

3組

8着 本平 1'55"45

4組

3着 眞柄 1'52"73 ※準決勝進出


男子5000m 決勝

4位 服部勇 13'52"85

12位 口町 14'06"99

24位 橋本 14'32"74


男子400m障害 予選

3組

DNS 横川


男子3000m障害 決勝

2位 渡邊一 8'52"89


男子1万m競歩 決勝

1位 松永 39'33"16

2位 山下優 40'22"35

4位 及川 41'08"63


男子4×400mリレー 予選

1組

5着 東洋大(ウォルシュ―北村―富樫―辰野)3'07"63 ※決勝進出


男子走高跳 決勝

3位 山下義 2m13


女子200m 予選

3組

7着 白寄 26"40


女子400m障害 予選

4組

7着 長畑 1'03"46


※速報掲示板に誤りがありました。大変申し訳ございません。


 昨日は優勝を狙った種目でまさかのアクシデントが続き、重い空気が漂っていた東洋大。気持ちを切り替えチーム一丸となって挑んだ関カレ3日目は、競歩部門の3選手が上位を独占し悪い流れを断ち切る。さらに走高跳の山下義(法3・小樽水産)や3000m障害の渡邊一(ラ4・九州学院)も表彰台に上がり、選手たちの表情に笑顔が戻った。

 

20150516rikujo競歩

ワンツーフィニッシュで表彰台に上がった松永(中)、山下優(左)


 昨日からのチームの流れを変える役目は、昨年度の1万m競歩覇者である松永(工3・横浜)に託された。これまで数々のジュニア記録を更新してきただけに松永自身にも同世代には負けられないプライドがある。「早く優勝を決めたかった」とハイペースで飛ばすと、レースのほとんどを単独走で進めた。そのまま他を寄せ付けない圧巻の歩きで連覇を達成。また、終盤にはペースの上がらない及川(済2・愛知)を自ら引っ張り鼓舞する姿も見られた。部門のみならずチームを背負った彼の果敢に攻める強さは、東洋大にとっても頼もしい存在となった。

 さらに学生競歩3位の実績を持つ野田(明大)との争いを制し、山下優(総2・富山商)が2位に続いた。山下優は前回大会で1年生ながら4位入賞と実力のある選手であったが、その後の故障から不調に陥り精神的に落ち込んだ時期を経験している。フォーム改善など地道な努力を重ねてたどり着いた復活のゴールをVサインで歩き切り、「狙っていた順位をとれたので、今できることはできた」と安堵(あんど)感をあらわにした。

 及川も現時点の力を尽くして4位と健闘し、「チームに貢献できたと思うし、悪い流れも断ち切ることができた」と競歩部門の活躍を松永は振り返った。このプレッシャーのかかる場面でも使命を果たし、この後に続く競技へとしっかり流れをつないだ。



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中盤にトップで障害を飛び越える渡邊一


 3000m障害の渡邊一は、昨年の全カレでは同種目で3位に入っている選手だ。予選ではゆったりとした入りで徐々に位置を上げていったが、決勝では最初から2番手に位置取る。先頭選手の転倒により一時トップに出るも「ラスト1000mで勝負しようと思っていた」と再び集団の中に戻った。その言葉通り2000mでレースが動いた。昨年度全カレ優勝者の津田(筑波大)が飛び出し、渡邊一も後ろに続く。開く差を縮めることはできなかったが足の痛みをこらえながらも2位でゴール。最上級生らしく走りをまとめ、酒井監督からは「気持ちの出た内容だった」と評された。

 その後の男子5000mでも、長距離部門主将の服部勇(済4・仙台育英)が4位入賞と続く。レースは留学生選手がつくるハイペースで始まり、橋本(工3・館林)と口町(法3・市立川口)が積極的に前方に位置取った。一方で後方からスタートした服部勇は、中盤に集団がわかれたときに遅れかけ、ひやりとする場面も見られる。それでも3000m過ぎに留学生選手二人が抜け出してできた3位集団に入り込み、ラスト1周でのスパート勝負となった。他大学のエースたちと激しく競い、最後は競り負けたものの、マラソン練習での故障からわずか1か月間の練習で「ここまでこられたのはすごく評価できる」と話す。万全な状態ではなくともポイントを確実に取り、主将として、さらにエースとしての責任を果たした。

 また男子800m予選では、眞柄(済2・三条)が先頭に立ちレースを引っ張る。500m以降は周りのスピードも切り替わり苦しくなるが、スパートをかけられても何度もかけ返すタフな走りで3着に入った。尾上(工4・長崎北陽台)もタイムで拾われ、二人が明日の準決勝進出を決めた。


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2m13をクリアし、3位表彰台に輝いた山下義


 昨日のリレーのリベンジに燃える短距離部門。200mでは桐生(法2・洛南)、小林(済4・保善)が出場を見送る中、北村(法2・九州学院)が粘りのある走りで明日の準決勝に駒を進めた。また、4×400mリレーは小林がけがのため出走を回避し、決勝に進出できるのか危ぶまれていた。それでも北村や富樫(文3・酒田光陵)が気持ちの入った走りを繰り広げチームを決勝へ導いた。北村は「調子は悪くないので200mでは決勝、マイルは表彰台を目指したい」と話し、明日も期待ができそうだ。

 男子走高跳では山下義が2m13を跳び、昨年を上回る3位入賞を果たした。「3位は嬉しいが2m16は以前跳べていたし、確実に跳びたかった」と語るように悔しさも残ったが、試合中や表彰の際も多くのチームメイトが集まり、山下義の活躍を大いに喜んでいた。

 梶原監督は「桐生と小林はチームにとって非常に大きな存在。しかし、落ち込むことなくそれぞれが頑張っていた。昨日までの悪い流れを断ち切ることができて良かった」と語った。最終日に向けてチームは再出発ができたようだ。


 ここまで熱い戦いを繰り広げてきた関カレも明日で最終日を迎える。今日予選を通過した4×400mリレーでは大砲を欠いた中で東洋大記録に挑戦する。またハーフマラソンではトラックシーズン好調を保ちチームの主力に成長した高橋(工4・黒沢尻北)、寺内(ラ4・和歌山北)や女子長距離部門からは昨年入賞を果たした内田(食2・学法石川)など注目選手がまだまだ控えている。トラック連覇への道のりは厳しくなったが、東洋大らしい攻めの気持ちを忘れずに最後まで走り抜ける。


■コメント

・酒井監督
競歩は表彰台独占を目標に掲げていたが、この結果を出せてチームの流れを変える意味で良かった。特に松永は優勝本命と言われる中でしっかりと力を出してくれたので頼りになった。また一磨は足を痛めていて1週間前は欠場も考えたが、よく落ち着いて走ってくれた。4年生で最後の関カレということで気持ちの出た内容だったなと。5000mは各校の主力クラスが出てくる種目で、留学生も二人いて最初からハイペースになる。口町と橋本に関してはレースに積極的に参加し存在感を示すことが大事なことなので、前からいったのは頑張ったなと。勇馬はチームの主将として点数を取る、日本人トップになるという意気込みでいった。最後は競り負けてしまったが、故障明けでよくここまでコンディションを持ってきたと思う。(流れを変える3日目となったが)トラック優勝を目標に掲げていて、短距離の故障で厳しい展開ではあるが、チームなので他の競技で補って上位を狙っていきたい。山下義が足を痛めた中で3位になったことも長距離としては非常に勇気づけられた。上位を目指して最後まで頑張りたい。

・梶原監督

400m障害は横川が少し足を痛めていたが3日前の月曜日の段階でいけそうだということで判断してきた。アップのときに痛みがあったので棄権した。長畑は体調が良くない中で迎えてしまったが、関カレにあってスピード練習をかなりしてきたので動きが良くなった。自己ベストに近いところまでこられたので、あとは頑張って全日本インカレのA標準を切りたい。200mの北村は足に若干の違和感があるようなので、前半を抑えて入った。それでもラスト100mで準決勝を決められた。調子は悪くないので、準決勝でも無理はせずに4着には入れればいい。走高跳の山下は踏み切りと逆の足を疲労骨折していて、跳躍練習はあまりできていなかった。一本一本丁寧に跳ぶことで入賞までいければいいと考えていた。上手く低い高さから調整して合わせられたので、調整力が上がった。けがをしている状況の中で、しっかり集中してくれて3位に入れて良かった。マイルは小林が走れないので、富樫を入れてオーダーを組んだ。400mブロックの選手たちがそれぞれどのような走りをすべきかを考え、本番ではその通りの走りをしてくれた。アンカーの辰野は修正が必要。前半に攻めすぎて後半に失速してしまった。決勝では大学記録の3分6秒台を狙っていきたい。(昨日の分のカバーは)桐生と小林はチームにとって非常に大きな存在。しかし、落ち込むことなくそれぞれが頑張っていた。昨日までの悪い流れを断ち切ることができて良かった。


・服部勇(済4・仙台育英)
走り始めてからまだ1か月しか経っていなかったので、まずしっかり練習することと、ポイントをとってチームに貢献できるようにと思いながら走っていた。結果は4位で悔しいが、1か月でここまでこれたのはすごく評価できると思うので良かった。タイムや順位は後からついてくるものなのであまり考えていなかった。(レース展開は)ペース自体はプラン通りだったが後ろからの流れで苦労した。(スパート勝負に対する自信は)なかった。その前に振り切らなければいけなかった。(チームとしては)桐生や(小林)将一が故障で走れない中まだトラック優勝は狙える位置にいる。明日もしっかり走ってもらえれば優勝できなくとも上位にいられるので、勢いづく結果で終われればと思う。


・渡邊一(ラ4・九州学院)

レース2週間前ぐらいから足を痛めていて1週間全く走れなくて、今週の月曜日から練習を再開していた。とりあえず、入賞ができてほっとしている。(レースプランは)痛みなどは気にせずに付いて、ラスト1000mで勝負しようと思っていた。実際は最後離されてしまった。(今後に向けて)トラックシーズンもこれが区切りになるので、これからは記録会などでタイムを伸ばして駅伝に向かっていければいいと思う。


・松永(工3・横浜)

勝つことだけを意識していたので勝てて良かった。今回は優勝を早く決めたかったのでがつがついって追い付かれないようにした。優勝のためだけに単独走をした。(昨日までのチームは)桐生に頼りすぎている部分があって、それをやわらげるような歩きができればと思っていた。チームに貢献できたと思うし、悪い流れも断ち切ることができたのでこれから出場する選手に頑張ってもらいたい。(及川選手に声をかけた場面は)及川の体が動いておらず、まさか1周抜かしをするとは思っていなかったのでまずは集団から出そうと引っ張った。そのおかげで自分はイエローカードをもらってしまってひやひやしたし、そこは改善しなければと思う。(昨年と同じ成績になったが)今回出場した3人だけでなく、インターハイと国体を制覇している河岸や4年生も他大にいればエースという力があり、競歩ブロックとして着々と力がついていると思う。ただ今年は表彰台をあと一歩で成し遂げられなかったので、あと1年引っ張って来年また狙いたい。正式には決まってはいないが次はユニバーシアードになると思うので、出れたら金メダルだけを狙っていきたい。


・山下義(法3・小樽水産)

表彰台に上ることができうれしい。全体としては良かったと思うが、2m16は跳べたはずなので評価として満点は付けられない。昨日悔しい思いをした選手、本人が一番悔しいと思うが、ニュースや連絡を見て自分も悔しかった。2m10を跳べれば入賞できるとわかっていたが、昨日の件もあり2m16を跳んでガッツポーズをするという目標だった。監督からは踏み切りにブレーキがかかっていることなどアドバイスをもらい、修正していけた。今年は応援の人も多く、2m16を跳べたら応援してくれていたみんなにガッツポーズをしたかった。(今後は)足の状態を見つつ、全日本インカレ入賞目指していきたい。


・及川(済2・愛知)
点数を取れたので良かった。タイムは気にせず順位を意識して歩いたが、後半上がっているので悪くはないかと思う。集団でいるときは余裕があり、本来なら先頭集団で歩かなければいけない実力だが調子も良くないので集団で楽に歩いた。(レース中、松永選手から声をかけられたようにも見えたが)「行くぞ!」と言われた。自分も仕掛けたかったのでちょうど良かった。(二人の表彰台を見て)本来なら自分もあの場所にいなければならないが、調子を考えると今回は4位をしっかり取れたことが大事だと思う。(今後は)トラックシーズン中だが20kmの練習を継続していきたい。


・北村(法2・九州学院)
200m は全体的に力のある人達が欠場してしまって3着に入れたというのもあるが、これはチャンスなので明日はしっかり決勝を狙っていきたい。(マイルは)プラスで拾われたが、決勝になるとどこも上がってくるので、その中でも表彰台を目指していきたい。(調子は)疲労は溜まりつつあるが、状態は悪くないのでいいタイムを狙える手応えはある。


・山下優(総2・富山商)
去年自分のせいでワンツースリーがとれなくて、その借りはここで返すしかないと思っていた。(ゴールしたときの気持ちは)監督からずっと最低でもワンツーフィニッシュと言われて能美からずっとやってきたので、やっと監督の期待に少しは応えられたのではないかという安心感があった。(レースを振り返って)狙っていた順位をとれたので、今できることはできたのではないかなと思う。いくしかないという場面で自分なりに上げることができたのは収穫だった。(ここまでを振り返って)能美のときは、たくさんの人に応援して頂いていたのにあの結果で、競歩で結果を出せないならここにいる意味がないと思って、辞めようかなくらいまで考えたが、親の支えと友人の支えがあって、やるしかないと思ってやってきた。特に、母には優しい言葉をかけてもらったりして、気持ちの面で支えてもらった。(次の大会に向けて)自分は能見がだめでユニバーシアードがなく、目標が定まっていないので今は明確な目標を言うことができない。しかし、ひとまず関カレに向けてここまでやってきたので、先を見据えることも大事だが、次、またその次とひとつひとつこなしていけたらと思うので、個人選手権、そして全日本インカレに向けてやっていきたい。


TEXT=石田佳菜子、野原成華、福山知晃 PHOTO=石田佳菜子、野原成華、畑中祥江