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平成27年度春季関東学生卓球リーグ戦
5月17日(日) 所沢市民体育館
女子1部リーグ
東洋大0-4大正大
●川上(文3・真岡女子)0-3荒木○
●荒井(済2・正智深谷)0-3姜○
●川上・中本(法3・明秀日立)0-3柴田・湯本○
●村山(社3・武蔵野)0-3中村○
なんとか白星をつかみ取ろうとする仲間にベンチから声援を送る穂積主将
一番に選手に寄り添い自身の分まで戦う選手たちを鼓舞した
1勝も勝ち取れぬまま迎えた春季リーグ戦最終日。シングルス、ダブルス共に1セットを奪うことさえ許されず大正大に惨敗。しかしその陰で、ベンチから誰よりも選手たちを励まし続けた主将の姿があった。
1部昇格から一転、まさかの壁が立ちはだかっていた。昨年の秋季リーグ戦で2部全勝に大いに貢献した穂積主将(法4・富田)が秋の全日学で膝を負傷。秋季リーグ戦前に主将に就任し、自らが試合に勝つことと同時にチームをまとめるという責任を負った矢先だった。手術を強いられ、練習に参加できない日々を過ごした。「自分が出られなくて、最初は悔しかった」。主力メンバーとしてほとんどの試合に出場してきた穂積主将は、試合に出られない歯がゆさに苦悩した。しかし、もう一つの主将としての役割に気づき、それからは「出ている選手のために何ができるかを考えてやってきた」と〝チームをまとめる〟役割に専念した。試合のインターバルでは選手に寄り添い、今まではしてこなかったアドバイスを積極的にするようになった。
「今回は人数をしぼって出した」と江尻監督が話すように、シングルスは川上、村山、荒井、石井(文4・千葉英和)、ダブルスでは川上・中本、村山・荒井と、主力メンバーのみが多くの試合に出場。連日の試合で疲労が見える選手たちへ、穂積主将は声援を送り続けた。選手が敗戦すると、同じ主力メンバーとしてそばで試合を見てきたこともあり、より一層悔しさが身に染みる。「頼りない部分が多かった」と自らの主将としての反省を語っていたが、江尻監督は「チームをまとめることに徹してくれたのは、いい意味で試合に出る以上のことをしてくれた」と穂積主将を評価している。
現在は今年の秋季リーグ戦への復帰を目指してリハビリをしながら、練習にも少し参加している穂積主将。療養期間に得た〝まとめる〟力を持って再びコートに立ち、2部全勝で1部昇格、そしてその先へチームをいざなう。
■コメント
・江尻監督
自分たちの力を出し切るというところでは、7割くらいはやれることはやれたと思う。去年初めて1部に上がった時は相手にならないような状態の試合が続いたが、今回は結果が同じでも、去年と比べて技術的な部分では少し追い付いてきた。2回目の1部は1回目よりもチームの力を発揮できたので、かなりの収穫があった。今回は人数をしぼって出した。(良かった選手は)シングルでいうと荒井、川上、石井と、みんな頑張った。タブルスは川上と中本。この2人は思った以上に良かった。(けがで出られなかった)穂積はよく頑張ってくれた。やっぱり戦力的にはかなり痛いが、その分チームをまとめることに徹してくれたのは、いい意味で試合に出る以上のことをしてくれたと思う。(次の大会では)2部に降格してしまったのでやはりもう一度1部に返り咲く、という一言しかない。今年の秋は1部を経験したところを糧にして、必ずもう一度1部へ行きたい。
・穂積主将(法4・富田)
今日は最終戦ということで1勝ずつ勝っていく目標はあったが、全部0対4で負けてしまってとても悔しい。(全試合振り返って)全体的に経験してきた分、昨年よりは戦えた。内容も濃かったが、勝ち切れない部分は何かを今後は反省していかなければいけない。今回はベンチという立場で選手一人一人をじっくり見る中で、今まではアドバイスしてあげることもなかったが、今回この立場になった時にそれをうまくしてあげられなかったのは悔しい。自分なりにはけがをしてから今までしてきたつもりだが、実際先輩みたいにアドバイスできなかったのは反省点。出ている選手が負けて帰ってくるのを見ると、頑張ってきたところを見てきた分とても悔しかった。自分が出られなくて、最初は悔しかったがそれは変えられない事実なので、その分出ている選手のために何ができるかを考えてやってきた。主将として頼りない部分が多かった。今までは自分が出て勝つのがチームのためと思っていたが、試合以外の部分でチームをまとめるのは難しい。選手それぞれの個性をうまく見てあげるのが主将として足りない部分。今回2部に降格してしまったので、悔しい部分はあるが気持ちをしっかり切り替えて秋に向けてチーム一丸となってもっとまとまりたい。チーム力を発揮して2部全勝優勝で1部に返り咲きたい。
TEXT=木谷加奈子 PHOTO=伊藤拓巳