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平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・国士大戦2回戦
5月17日(日)国士大グラウンド
東洋大13-2国士大
四回2点本塁打を放った林
まさにこれまでのうっぷんを晴らす一発だった。四回2死三塁、打席に立った林(営4・桐生一)が振りぬいた打球は、「想像以上に飛んでくれた」という言葉通り防球ネットの上部に突き刺さる特大の一撃となった。
今季は極度の不振に陥っていた。今カード前までの打率は1割台、前日には開幕から任されてきた3番の座を1年生の中川(法1・PL学園)に奪われるという屈辱も味わった。さらに打撃に比例するように守備でも日大戦で負けにつながる失策を犯した。そんな中、「これ以上落ちることもないので前を向いてやっていこうと思った」と気持ちを入れ替えて臨んだ一戦で意地を見せた。
初回にも大きな仕事をした。連投のエース・原(営4・東洋大姫路)が先制を許すも、「今日は何がなんでも野手の日だということで、野手みんなで話し合って原頼りにならないようにということで臨んだ」というように直後に貴重な同点打を放った。バントもあり得る状況で打てのサインを出した監督の期待にしっかりと応えてみせた。
同点打に今季初本塁打とようやく仕事を果たした林だが試合後、「これまでのチームにかけた迷惑を考えれば、まだ恩返しは100%できていない。今日ので少しぐらいです」と厳しい表情で語った。優勝には依然厳しい状態だが、最終週に向けて明るい兆しが見えた。
■コメント
林(営4・桐生第一)
(先制打は)阿部がいいかたちでメイクしてくれて、2番と言うことでバントの可能性もあったが、監督のほうから打てのサインが出て自分で返そうと思って、ファーストストライクから思い切っていった。(本塁打は)いい角度だったが、想像以上に飛んでくれた。打った瞬間あんなにいくとは思わなかった。これまでのチームにかけた迷惑を考えれば心の底から喜べない。まだチームに恩返しは100%できていない。このホームランで少しぐらいです。(昨日から1日でいきなりの2安打ですが)昨日は無安打で、でもチームは勝てたので下を向いていても意味がないので、今日こそはという気持ちで、これ以上成績も落ちることはないので切り替えじゃないけど、上を向いて気持ちの部分からしっかりやっていこうと思った。(連投のエースを見ていて)初回に打たれて、今日も完封するとは思っていなかったので、今日は何がなんでも野手の日だということで、野手みんなで話し合って原頼りにならないようにということで臨んだ。初回追いつけたのが大きかった。そこから原も野手も流れに乗っていけた。(打線爆発の要因は)今日だけじゃ何とも言えないが今日みたいな攻撃がシーズン序盤からできればもっと楽に勝てたが、今日はこれで来週にはいい形でつながると思う。昨日全体で振込みをして、その振込みをつなげようということで、先頭の阿部がいいかたちで出て勇気づけてくれて、そこにみんなが乗っていけた。(残すは青学戦のみですが)今日で兆しは見えてきたが今日の勝ちは考えないで一から練習して青学戦に臨みたい。
TEXT=千野翔汰郎 PHOTO=星川莉那