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2015.05.18
硬式野球

[硬式野球]連投!完投! 優勝へ、原は諦めない

平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・国士大戦2回戦

5月17日(日)国士大グラウンド

東洋大13-2国士大


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2試合連続先発も堂々と106球を投げ抜いた原(営4・東洋大姫路)


 「ピッチャー・原」のコールは、相手ベンチの表情を一瞬にして変えた。前日完封したエースが、再び先発マウンドへ。自力優勝のないチームにとって、もう1敗も許されない。高橋監督に迷いはなかった。「疲労がゼロということはない。今朝までしっかり状態を確認した上で決断した」。連投の疲れから本調子とは言えない中、粘り強い投球で2失点完投勝利。「最後は本気を出した」と終盤3イニングをすべて三者凡退でピシャリ。指揮官の男意気に応えた。

 このカードでは、今季初めて地元兵庫から父・敏行さんが観戦に訪れた。「中学高校とずっとエースでしたから、うちの子が投げている試合はいつもハラハラドキドキです」。いつの日もチームを背負って投げる息子の姿を目に焼き付けながら、素直な思いを口にした。「でも、私はそれが楽しいんですよね」。頼もしい末っ子の活躍が、今できる最大の恩返しだった。

 今季、原が先発した5試合の援護点は全試合1点のみ。待ち望んだ打線の奮起に、「ピッチャーがしんどい時にはバッターが頑張ってくれる。いつかこういう時がくると思って投げてきた」と、安堵(あんど)した。これで勝ち点3。日大の結果次第だが優勝へ望みをつないだ。「可能性がある限りとことん最後まで戦う」。ここまで8試合に投げ、チームの全6勝の勝ち星はすべて原が挙げている。大車輪の春を最高のものにするために、エースはまだ諦めない。


■コメント

・原(営4・東洋大姫路)

連投はくるだろうなという思いがあった。マウンドが低く、プレートの部分にストッパーがないのでどんどん掘れて投げにくかった。攻撃が長く待ちの時間も長かったので、今日は難しいマウンドだった。(初回の被本塁打はボールが)新品でスライダーが抜けてしまっていた。まさか入るとは思わなかったが、出会い頭の一発としか思わなかった。ピッチャーがしんどい時にはバッターが頑張ってくれる。いつかこういう時がくると思って投げてきた。自分が連投でつらいだろうなという思いでみんなが打ってくれたんじゃないかと思う。優勝の可能性がある限り最後までとことん戦う。自分たちにはあと1シーズンしかないので。自分のできることをしっかりきちっと一つひとつこなしていくことが、トータルでいい結果につながる。先を見ずに目の前のことをしっかりやっていくだけ。


TEXT=浜浦日向 PHOTO=伊藤梨妃