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昨年に引き続き、レース全体の流れをつくる1区を務めた児玉悠輔(済3=東北)。10kmを自己ベストで通過、12km付近から粘りの走りを見せ、「去年よりも追い込めたレースになった」と振り返る。来年度はいよいよ東洋大ラストイヤー。全日本大学駅伝対校選手権大会(以下、全日本)のシード獲得、出雲全日本大学選抜駅伝競争(以下、出雲)・東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根)の優勝に向け、児玉自らがレースへの思いを語った。
写真:東洋大学/月刊陸上競技
・児玉悠輔(取材日・1月15日、聞き手=木村彩香)
――1区のレースプランを教えてください
ハイペースになることが予想されていて、留学生が来たり、他の主力選手がそろったりしていました。なので、しっかりついていき、後半粘れるように臨みました。
――レースを振り返ってみていかがでしたか
留学生は区間にエントリーされませんでしたが、中大の吉居選手が抜け出して、結果的に区間新記録のハイペースになってしまいました。予想していたハイペースより速かったというか、結構きつくなってしまって。後半、ちょっと粘り切れなかったという感じでした。
――2位集団の駆け引きはどのように考えていましたか
6㎞過ぎに中大の吉居選手が抜け出した後、いったんペースが落ち着きましたが、前との差がどんどん開いてしまいました。やばいんじゃないかってことで、17㎞過ぎに学生連合の選手が前に出ました。前が見えない状態で、後半行くということだったので、難しい展開というか前を追い切れるか分からないような展開だったと思います。
――2年連続の1区を任された心境をお聞かせください
やっぱり昨年の経験があるので、コースであったり、走り方、どこでどう仕掛けたりとか、そういうところはそんなに緊張しませんでした。結果として、去年が歴代で1番遅い入り、逆に今回は区間新ということで、1番速いレースになりました。結果は悪かったですが、経験になったと思います。
――2年連続での松山(総2=学法石川)選手とのタスキリレーはいかがでしたか
走りやすい位置で渡せるようにすると試合前に話していたところで、ちょっと去年より(順位が)下がってしまったんですけど、いい位置で渡せたんじゃないかなと思います。
写真:東洋大学/月刊陸上競技
――昨年のタイムを1分17秒上回った点はいかがですか
目標タイムというか、監督からこのタイムでは走ろうという(話があった)タイムよりは7秒ほど遅い結果になってしまいました。区間順位としては13位、学生連合を抜けば12位ということで、物足りない結果となってしまったので、タイムはそこそこでも順位は最低でも1桁はいきたかったです。
――昨年と比較して今年の1区はいかがでしたか
去年は遅い、速いが繰り返されていましたが、今年は10㎞の通過が自己ベストより1分半くらい早く、12㎞ぐらいで本当にきつくなりました。やっぱりここで離れたら、チームにすごい迷惑をかけると思って、何とか粘って、最後も本当に足がまともに動かないくらいでした。去年よりも追い込めたレースだったと感じています。
――1区ならではのプレッシャーはありましたか
やっぱり駅伝は最初の流れ、特に1区で区間賞とかを取ってくれば、後半の選手も頑張ろうという気持ちになると思います。しかし、1区で出遅れると「うわ、まじか」っていう変なプレッシャーをかけたり、気持ちの面でも乗せたりすることができないので、流れをつくるという意味では重要な責任を感じていました。
――レースでのよかった点、課題点を教えてください
去年までの自分だったら、12㎞あたりの本当にきつくなったところで離れてしまっていたと思いますが、そこでちょっと粘れて、後半も落ち着けて。最終的にはちょっと離れてしまいましたが、耐えるということができたというのは、よかった点だと思います。悪かった点は、やっぱり区間順位で言えば、去年より3つ、4つ落としてしまっている点です。経験がある上級生ならば、最低でも区間5番くらいにはまとめたかったというのが、反省点です。
――個人、チームの結果についてはいかがですか
個人としてはやっぱり区間12、13位ということで、悔しい結果となりました。往路全体を見ても区間2桁が3区間あり9位だったので、復路の選手がすごく頑張ってくれました。結果的に2秒差の4位まで上がることができ、今まで復路が課題であるというか往路の結果で復路は逃げ切るという形だったので、復路が2位で後半追い上げていけたというのがすごい収穫だったと思います。
――付き添い担当の選手についてお話をお聞かせください
去年と一緒で同学年の長尾大輝(ラ3=高岡向陵)でした。日ごろから仲いいというか、いつも一緒にいる中で気を遣わなくていい。一緒にいるからこそ試合のときに変な緊張をしない、そういった意味で今年も長尾に頼みました。
――監督からどのようなお声がけがありましたか
去年はありましたが、今年はぎりぎり間に合わなかったみたいで、(当日の声かけは)1区はなかったです。
――レース前にはお声がけありましたか
全日本大学駅伝前には調子を崩してしまって、そこから12月は人が変わったって言われるくらい、すごく努力していたので、「練習してきたお前だったら大丈夫だから」っていうことを、レースの前あたりにいただきました。
写真:東洋大学/月刊陸上競技
――ラストイヤーへの意気込みをお願いします
まず、全日本大学駅伝がシードを落としてしまったので、そこで最低限しっかり予選会を勝ち抜きたいです。そして、出雲と箱根は10番以内に入っており、最低ライン走れるので、3年生主体となって優勝を目指していきます。個人では大学期間中トラックの主要大会に出られていません。故障せず大会に出場し、入賞してインカレなどでも点数を稼いでいきたいです。
――宮下選手が率いる今年のチームはいかがでしたか
前の年に比べて、正直、チームのまとまりがなかったというか、ばらばらなところがありました。そのような結果、区間で悪いところが出てきたり、いいところとのばらつきが出てしまったりしましたが、最後の箱根は4年生がしっかりまとめてくれました。宮下さんはいつも通りの走りが出来なかったのですが、復路を走った蝦夷森さんには4年生の意地を見せてくれて、いい姿を見せてもらえました。
――4年生へひとことお願いします
自分たちの学年はすごく生意気というか、まとまりのない学年でしたが、その中でしっかり引っ張ってくれました。心から感謝しています。
写真:陸上競技部長距離部門
◆児玉悠輔(こだま・ゆうすけ)
生年月日/2000・7・27
血液型/A型
自身の強み/集団の中にうまく隠れる