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平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・青学大1回戦
5月23日(土)青学大グラウンド
東洋大2x-1青学大
(イニングスコア)
1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 |
青学大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1× | 2 |
(東洋大)
○原(7勝1敗)―後藤田、西川元
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (遊) | 阿部健(帝京) | 6 | 2 | 1 |
2 | (二) | 林(桐生一) | 5 | 3 | 0 |
3 | (指) | 中川(PL学園) | 3 | 0 | 0 |
4 | (左) | 笹川(浦和学院) | 4 | 2 | 0 |
5 | (一) | 鳥居(愛工大名電) | 3 | 0 | 0 |
6 | (三) | 冨澤(愛工大名電) | 5 | 1 | 0 |
7 | (右) | 久保(桐蔭学園) | 1 | 0 | 0 |
走右 | 竹原(二松学舎大附) | 2 | 0 | 0 | |
8 | (中) | 茶谷(東北) | 3 | 0 | 0 |
打 | 木村(愛工大名電) | 0 | 0 | 0 | |
9 | (捕) | 後藤田(東洋大姫路) | 1 | 0 | 0 |
打 | 宝楽(PL学園) | 1 | 0 | 0 | |
捕 | 西川元(浦和学院) | 1 | 0 | 0 | |
計 | 35 | 8 | 1 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
○原 | 11 | 40 | 6 | 0 |
サヨナラ打を放った阿部健
ヒーローは笑顔で仲間に迎えられた
2部優勝に向け、絶対に落とすことのできない青学大戦。阿部健(営3・帝京)がサヨナラ打を放ち、延長戦にもつれ込む激闘に決着をつけた。投げてはエース・原(営4・東洋大姫路)が完投。今季7勝目を挙げた。
1対1の同点で迎えた延長十一回、1死から冨澤(営4・愛工大名電)が左前への安打で出塁。その後、四死球も絡み2死満塁の好機を築いて打席には阿部健。2球目だった。快音とともに放たれた打球は右翼手の手前で弾み、劇的なサヨナラ打となった。
今ノリに乗る男が試合を決めた。リーグ戦序盤こそ不振に陥ったものの、前カードの国士大2回戦では満塁弾を放つなどして6打点の大暴れ。この日も、1打席目で相手投手の立ち上がりを攻め中前へ弾き返すと、さらに持ち味である足を生かし二盗に成功。好調ぶりをアピールするが、その後は4打席凡退が続く。走者を出しながらも、エースとして粘りの投球を続ける先発・原をなかなか援護できない。「何とか原さんを援護したいとは毎試合思っている。みんなもそれしか思っていないと思う」。そんな思いを抱きながら、今日までとにかくバットを振り続けてきた。そして、絶好の場面で巡ってきた6打席目。「自信を持って打席に入った」。好機で1本を出すことが課題であった阿部健。それを克服し、大一番でしっかり結果を残してみせた。原への思いと行動こそが最後の一打につながった。
試合後、高橋監督が「原は最高だよ」と絶賛する一方で、打線は12残塁と決め手を欠いた。「野手が足を引っ張ってばかりで本当に申し訳ない気持ちしかない」と反省の言葉を口にした阿部健。日大が敗れたため優勝の可能性はまだ残っている。しかし、苦しい状況であることには変わりない。野手陣が奮起し、最後まで意地を見せてほしいところだ。
■コメント
・高橋監督
なかなかだめだね。もうひとつ。苦しいけど、原がよく頑張ったからね。今季は全部あんなゲームだよ。よく頑張ってくれた。そう簡単に野球は勝たせてくれないからね、素晴らしいよ。(相手は)ピッチャーは若いし、吉田くんは良かったね。うちにも若い選手がいるから、今日勝ってみんなが自信を持ってやってくれればいいと思うんだよ。原は最高だよ。よく粘って、何度か危なかったけど。緊張感からかな、やっぱりへばってるよ。全部投げている。7勝全部だもん。明日は頑張らないとな。立正が勝ったからね、明日は頑張るよ。
・阿部(営3・帝京)
(サヨナラ打について)ほっとした。原さんに迷惑をかけていたので、絶対に試合を決めたかった。1打席目でヒットが出てそんなに自分的には悪い感じではなかったので、自信を持って打席に入った。日大戦あたりから調子は悪くなくずっとキープできている。いつも1打席目が良くてそこから集中力が欠けてしまうところは課題。3、4打席目でも自分がしっかり結果を出せばチームとしても良くなるはず。(チームの雰囲気は)悪くないが、点が取れていないのでそこがやっぱり引っかかる。何とか原さんを援護したいとは毎試合思っている。みんなもそれしか思っていないと思う。今日は守備でもミスがあったし原さんに負担をかけてばかりで、バッティングも最初と最後以外は中身がなかったのでもっと粘りを出していかなければいけない。毎試合そうだが、野手が足を引っ張ってばかりで本当に申し訳ない気持ちしかない。(次戦に向けて)優勝やプレーオフについては何も考えないで、来季に向けて自分たちのためにしっかりやっていきたい。秋につなげるためにも青学を倒したい。
TEXT=枦愛子 PHOTO=美馬蒔葉、千野翔汰郎