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「アミノバイタル」カップ2015 第4回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
5月30日(土) 時之栖スポーツセンター裾野グラウンド
東洋大5-2東学大
<得点者>
29分 遊馬
39分 徳市
41分 仙頭
49分 坂元
62分 仙頭
<出場メンバー>
▽GK
伊藤俊祐(国2・柏U-18)
▽DF
石坂元気(国4・広島Y)
郡司昌弥(国4・柏U-18)
浦上仁騎(国1・大宮Y)
今井裕基(国4・埼玉栄)
▽MF
小山北斗(国4・帝京)75分→MF高橋宏季(国1・FC東京U-18)
徳市寛人(国3・東福岡)45分→MF飯島樹生(国3・流経大付柏)
坂元達裕(国1・前橋育英)
小山大貴(国4・大宮Y)
▽FW
仙頭啓矢(国3・京都橘)
遊馬将也(国4・武南)86分→FW佐藤仁紀(国3・武南)
公式戦初スタメンながら、右サイドを制圧した坂元
抜群の得点能力を発揮した仙頭
徳市のゴールが逆転への礎となった
初戦はリーグ戦でも顔を合わす東学大との一戦。1点を追いかける39分徳市のゴールで追い付くと、41分に仙頭のスーパーゴールで逆転に成功する。その後も追加点を挙げ、終わってみれば5対2の快勝で2回戦に駒を進めた。
負ければそこで終わり。一発勝負のトーナメント戦がスタートした。本大会は全国大会となる総理大臣杯の出場権をかけた戦いでもある。この大事な初戦で躍動したのは高校時代全国に名を轟かせた二人だった。
一人目は今年の1月、第93回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦のピッチに立っていた坂元だ。大学入学後初の公式戦スタメンに抜擢された今試合。1年生らしからぬプレーでチームの攻撃の起点となる。まずは7分、右サイドから得意のドリブルで切り込むとPA手前でファールを受け、FKのチャンスを作る。惜しくも得点には結びつかなかったが、大器の片りんを見せた。その後、東学大に先制を許し、一度は遊馬のPKで追い付くも35分に再び勝ち越しゴールを許してしまう。それでも、坂元の「足」が試合を振り出しに戻す。39分、徳市からDFラインの裏へパスが供給される。坂元がゴールライン上でボールに追い付き、体制を崩しながらもゴール前にクロスをあげる。そこに徳市がつめ、同点ゴールを奪う。徳市も坂元と同じくこの試合が今季公式戦初スタメンとなっており、闘争心が強い彼らしい気持ちの入ったゴールとなった。アシストを決めた坂元はさらに49分、小山大のクロスにスライディングをしながらシュートを決め、この試合1アシスト1ゴールを記録。短期決戦では不可欠なラッキーボーイ誕生の予感を漂わせた。
そんな坂元に負けじと存在感を見せつけたのは第91回大会の主役となった仙頭だ。徳市のゴールで同点とした直後の41分。郡司のロングパスから右SBの石坂がドリブルで駆け上がるとゴール前で待つ仙頭に絶妙なクロスを上げる。ゴールに背を向けながらも懐に入ったボールをダイレクトでシュートを放つ。ボールはゴールポスト内側に当たり、ネットに吸い込まれる。このスーパーゴールが決まり、この試合初めて勝ち越しに成功する。さらに4対2となった62分にも遊馬のポストプレーからのボールを受け、キーパーの頭上を越える鮮やかなループシュートを決め、勝負を決定づける5点目を奪った。守備では全員で体を張ったプレーを見せ、このまま終了。2回戦に駒を進めた。
チームを2回戦進出に導いた二人は奇しくも高校時代は同じく準優勝で涙をのんでいる。大学サッカーでは頂点を極めることができるか。まずは2回戦、現在関東大学サッカー1部で並み居る強豪を抑え、首位をひた走っている国士大を撃破しなければならない。全国大会で再び名を知らしめるためにも、明日の一戦は絶対に負けられない。
■コメント
・古川監督
直近のリーグ戦で大事な日体大戦の敗戦のショックがチーム全体であった。その中でもう一つ大きな目標である全国大会出場を実現させようということでまずはメンタル的に切り替えて行こうという気持ちだった。(先制されたが)打ち合いになるのは我々の本意ではない。ただ、2度リードを奪われる展開の中で前半で勝ち越して戻ってきたところは評価できる。(後半の指示は)しっかりゲームを作っていきながら、チャンスがあったときにしっかり逃さずにゲームを決められる追加点を取ろうという形だった。リクエストにしっかり答えてくれた。(国士大戦に向けて)一発勝負なのでチャンスはあると思っている。今日の試合のように簡単に失点してしまうと大量失点というところまで繋がってしまう。まずはチーム全体で安定した守備が必要になってくる。その中で何回か訪れるチャンスはあるので、確実に我慢しながらモノにしてという戦い方をして、何が何でも次に進めたいと思う。
・遊馬将也(国4・武南)ゲームキャプテン
リーグ戦と違ってカップ戦という形式だったので、苦しい試合になると言っていた。試合に入ってすぐ失点してしまったので、最初はきつかった。前半は仙頭との距離が遠かったが、後半は近くなったのでうまく連携を取りながらゴールまでいけた。2年連続で2回戦で敗退していて、それも惜しいところまで行っていた。今年こそは自分たちの代で全国への切符を手にしたいと4年生全員で話していたので、それの第一歩に過ぎない。またs切り替えて明日やっていきたい。(2回戦へ向けて)国士大は1部でも1位だが、同じ大学生なので全員で戦う気持ちを持ってやっていきたい。
・石坂元気(国4・広島Y)
普段のリーグ戦と違って一発勝負ということなので、失点をしないことが重要だということを意識して守備から入り、点を取れればいいなとミーティングでも話していた。そこでチームが一つになった。東洋は一度も全国大会に出場したことがないので、そういう面でも気持ちが入っていた。(アシストを記録)元々はサイドバックではなく一個前でやっていたので、攻撃参加というのが自分の特徴。そこで結果を残せたのは自信にもつながるので良かった。(2回戦へ向けて)国士大は関東1部でも1位ということで、自分たちよりもレベルの高いところでやっている。でもそこで自分たちがやれないということはないし、ここで勝って総理大臣杯に出場できれば。
・仙頭啓矢(国3・京都橘)
全国に出たことがないので出たいという気持ちが強かった。初戦は大事なので勝つことだけを考えてやった。(先制を許したが)失点の時間帯が早かったということもあって、メンタル的には維持できていた。でも、得点を許した分だけ苦しい試合になった。それでも前半リードして折り返したのは良いことだと思う。(得点シーンを振り返って)(1得点目は)いつも元気くん(石坂)が(ボールを)受けた時は意識しているので、来ると信じていたし、来たら決めようと思っていた。それが上手くいった。(スーパーゴールだったと思うが)久しぶりにあんな感じのゴールを決めて気持ち良かったです。(2得点目は)遊馬君とワンツーすると意識していたので、それが決まって良かった。(明日の相手は1部リーグの首位だが)そこに勝ったら注目されると思うので勝って全国の切符を近付けたいと思う。
・徳市寛人(国3・東福岡)
(久々のスタメン)緊張はしたが、一発勝負なのでやるしかないと思っていた。先制されて苦しい中だったが、前半のうちに逆転できたのは良かった。(ゴールを振り返って)1回右サイドにスルーパスを出したところで右サイドのタツ(坂元)が追いついてくれ、遊馬さんが流してくれたので決めるだけだった。(2回戦へ向けて)総力戦になると思うので、みんなで勝ち取れるように。100%出せるようにして勝ちたい。
・坂元達裕(国1・前橋育英)
最初は1年なので自分のペースがつかめなかったが、徐々に慣れてきて自分のプレーができるようになって良かった。ゴールはとにかく取りたいと思っていたので嬉しかった。ドリブルは何回かできたこともあったが、細かいミスは目立っていたので次の試合ではミスを無くせるようにやっていきたい。(初スタメン)そこまで緊張はしていなかったが、自分のプレーができればと思っていた。(2回戦へ向けて)まだ出られるかわからないが、出たら自分のプレーをして点に絡めるようにしたい。
TEXT=村田真奈美 PHOTO=當麻彰紘
[次回試合予定]
「アミノバイタル」カップ2015 第4回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選
2回戦 5月31日(日)対国士大 時之栖スポーツセンター裾野グラウンドにて 11:30キックオフ