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平成27年度春季関東学生卓球リーグ戦
5月30日(土) 和光市総合体育館
男子3部代表校決定戦
東洋大 3-4 東経大
●岡田凌 0-3○
●大森 2―3○
○坂本 3―1●
○大森・岡田理 3―1●
●岡田理 1―3○
○中村隼 3―1●
●伊藤 2―3○
坂本の勝利はチームの流れを変えた
最終ゲームでは伊藤が接戦を繰り広げた
3部リーグBブロックを全勝で1位通過した男子卓球部。同じく3部リーグAブロックの1位である東経大との決定戦が行われた。勝てば入れ替え戦に進むが、激闘の結果3―4で敗退。3部残留が決定した。
「プレッシャーに負けてしまった」と伊藤監督は肩を落とした。
今日の決定戦は昨春の入れ替え戦で破れた相手、東経大だ。入れ替え戦に進むには勝たなければならない。しかし、その思いが強すぎて肩に力が入ってしまった。序盤にはエースの大森(法3・甲府商)を始め、いつもならばチームを引っ張る実力選手が振るわなかった。「100%の力が出せれば自ずと結果はついてくる」「力が入ってしまって120%の力を出そうとしてしまう」と伊藤監督は言う。
決定戦はデュース続きの4時間半超えの長丁場となった。はじめ2ゲーム先取されるもその後2ゲームを取り返す。お互い一歩も譲らない状況下、ついに同点のまま運命の第7ゲーム目を迎えた。入れ替え戦への望みを託されたのは、今季唯一4年生の出場者である伊藤(法4・桐蔭学園)。昨季は決定戦で2ゲームリードしていたところを惜しくも負けを喫し、その後チームも黒星が続き逆転負け。とても悔しい思いをした。「挑戦者のつもりで戦った」というこの試合。1セット目から一進一退の攻防戦が続く。激しいラリーの末10−8とセットポイントを先取するも「相手のサービスがわからず苦しんだ」と逆転され10―11。その後はデュースが続く心理戦となる。3年生からやっと出場できるようになった伊藤。「試合に出られない選手の分も頑張ろう」と粘るも、結果は13―15でこのゲームを落とした。2セット目は接戦をものにするが、その後はあと少しのところで敵わず惜しくも3対4で決定戦敗退。3部残留が決まってしまった。「1セット目が取れれば流れが変わったと思う」と悔しげに語った。
しかし、来季にかける希望は大いにある。そこでひとつのポイントとなるのが新入生の存在だ。今回の戦いで初白星を挙げたのは1年生の坂本(済1・埼玉栄)だ。チームが2連敗している中も、プレッシャーに押されなかった。競った場面でも「開き直って強気でいくことの大切さを学んだ」というように、ペースを崩すことなく見事に実力を発揮した。白熱した1セット目の後半は観客がどよめき、明らかに流れを変えた。新戦力は今日出場した2人含めても4~5人いる。そして力のある新入生の存在は上級生へのいい刺激となる。山崎主将は秋季の目標として「2部に上げて後輩たちにいい形で引き継ぎたい」と言った。男子卓球部の来季の可能性は未知数だ。
■コメント
・伊藤監督
結果は残念だった。オーダーは良かった。予想通りだった。前半は思うようにいかなかったが、本当はいつも勝っている選手たちだから、実力はあるはず。しかし、プレッシャーに負けてしまった。いろいろなことを考えてしまって本来の実力が出せていなかった。昨年からプレッシャーに負けず、自分に勝てれば良い、120%も出さなくて良い、100%を出せれば自ずと結果は出てくるのだと伝えていた。だが、やはり力が入ってしまって120%のことをしようとしてしまっている。初の白星を取った坂本には期待している。負けているところを流れをまた引き寄せてくれた。もうひと伸びできればエース級で使えると思っている。入れ替え戦では違う1年生も使うつもりでいた。リーグ戦で戦える1年生は4~5人いる。今のところ横並びだが、上級生を追い越す勢いで頑張ってほしいと思う。伊藤は昨秋の決定戦、3番手で起用されたが、惜しくも逆転負けとなり、悔しい思いをしていた。意識せず、自信を持っていけば絶対勝てると送り出したが、相手も同じ(3−3という)状況だったので難しかった。唯一出場者の中の4年生でプレッシャーもあったと思うが、いい試合をしてくれた。課題はプレッシャーに負けないこと。普段でもプレッシャーの中での試合を想定して練習していきたい。目標は秋季2部に上がって、来年は大森たちが最終学年なので、彼らがいるうちに1部に手が届くくらいにしたい。
・山崎主将(4・作新学院)
4年生で最後の春季リーグ。ここで上がらないと2部で戦えないので、絶対に上がって秋を2部でプレーしたかった。強い新入生がたくさん入ってきて自信もあったが、自分が主将として少しやり方が甘かったのかなと思う。普段の練習で強い選手たちをどう伸ばせていけるかという部分で指導や考えが浅かった。力がある選手でももっと厳しくして伸ばしていかないと団体戦だと力は発揮しづらい。(チームの)雰囲気は今まで自分が見てきた中では一番まとまりがある。今までのリーグ戦では、練習では強い選手も、試合では力を発揮できずに簡単に負けてしまう試合もあったが、今日は厳しい場面でも一本一本大事に取りにいけた。(惜しくも取れなかったゲームもあったが)そこの部分は自分の指導力不足。全体的に選手は自分のことしか見えてなく、相手が今何をしようとしているのかを見れてない。もっと相手を見て何をするかということに重点を置いて普段の練習をさせていきたい。秋に最高でも2部に上がることしかできないので、2部に上げて、後輩たちにいい形で引き継ぎたい。
・伊藤(法4・桐蔭学園)
ずっと休みなしで1日6時間頑張って、絶対2部に上がるという気持ちで練習してきた。辛い日々もあったが、みんなで乗り越えて来た今日だった。自分は4年生の中で唯一試合に出ているので、主将の山崎や他のメンバーのことを考えて頑張ったが、自分の実力が足りず負けてしまった。相手は同じ神奈川県の高校で、強い選手ということはわかっていたので、挑戦者のつもりでやるようにと言われていた。(一番苦戦したセットは)1セット目。1セット目で自分が10-8でリードしていたが、相手のサービスがわからず苦しんでいて、それを早く改善できなかった。1セット目を取れていれば流れは変わったと思う。(デュースが続いた場面では)試合に出られない選手からの応援で気持ちを保つことができた。自分も去年から試合に出させてもらえるようになって、試合に出られない選手の気持ちがよく分かるので、その分まで頑張ろうと思って戦った。(秋季リーグ戦での2部昇格に向けて)ここ一番の時にチームとしてメンタルが弱く、普段からみんな優しすぎる部分があるので、互いに注意しあえるような関係になって2部に確実に上がりたい。
・大森(法3・甲府商)
(シングルスは)取らないといけない、自分が。(相手チームの)一番弱い相手に負けてしまった。プレッシャーがすごくあり、自分のプレーが思うようにできなくて負けてしまった。ダブルスは良かった。思い切っていけた。いつも通りのプレーができていて、固さはあったが押し切れた。(シングルスは)ほとんどだめ。初めて戦った相手だったので、相手は向かってくるだけで自分は受け身になってしまった。秋にはこの借りをしっかり返せるように今から練習して、もっと自分のプレーに磨きをかけて、どんな相手にも負けないように頑張りたい。
・坂本(済1・埼玉栄)
競った場面で弱気になってラケットを振れなくなると勝つことが厳しいので、開き直って強気でいくことの大切さを感じた。(試合内容は)自分なりには結構良かった。
TEXT=酒井桃子 PHOTO=伊藤拓巳、木谷加奈子