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2022.05.18
硬式野球

[硬式野球] 2部優勝へ!投手陣の乱れにも臆せず7勝目

東都大学野球春季2部リーグ戦・拓大1回戦

5月16日(火) 大田スタジアム

〇東洋大8-4拓大



拓大
東洋大×


二塁打:石上泰(五回)、後藤聖(三、七回)


細野、〇岩崎(1勝)、渡邊、河北ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(指)松本渉(営4=龍谷大平安)
(右)水谷(営3=龍谷大平安)
(遊)石上泰(営3=徳島商業)
(一)小口(法4=智弁学園)
(左)東小橋川(営4=帝京第三)


大髙(営3=常総学院5


矢吹(総4=聖光学院)
(二)宮下(総1=北海)
(三)加藤響(総2=東海大相模)
(捕)後藤聖(法3=京都学園)
(中)橋本吏(総3=花咲徳栄)


3412


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総3=東亜学園)11/347
岩崎(総2=履正社)22/359
渡邊(総4=報徳学園)44
河北(営4=浦和学院)24


1点目の本塁を踏んだ水谷


5四球、3失点した後の細野


今季リーグ戦初登板となった岩崎


この日も勝利を目指す東洋大ナイン。試合の始まりを告げるサイレンとともに降り始めた雨のように、落ち着かない試合を展開。それでも最後は4年生がしっかりと締め、2部優勝に近づいた。


 試合は初回から動いた。先週258球投げた疲れからか身体に張りが見られた細野(総3=東亜学園)。先頭から四球を3つ与え、先制を簡単に許す。その直後、細野を援護したい打線はすぐ反撃を開始した。水谷(営3=龍谷大平安)が中前打で塁に出ると、小口が一塁線際の打球を相手が捕球できず、二塁に足を進める間に水谷がホームイン。すぐさま追いつくと続く大髙(営3=常総学院)の三遊間を抜けるタイムリーで2点目とし逆転に成功した。


 二回も続投した細野だったが、ストライクが入らない。そして、1人走者を置いた場面で相手にランニングホームランとされ、再び先を越されてしまう。3失点とされたこの時点で「完全に準備不足」と俯きながらマウンドを降りた。


 細野からマウンドを引き継いだのは岩崎(総2=履正社)。制球に乱れが見られ、毎回フルカウントにまで及ぶテンポの悪い投球をしてしまう。二回の攻撃で再び逆転したものの、リズムを作れず三回に1点を失い、同点とされた。


 こちらも三回に1点を加え、5対4で1点リードで迎えた五回。ようやくこの苦しい攻防戦から抜け出す。先頭の後藤聖(法3=京都学園)と橋本吏(総3=花咲徳栄)が失策で出塁すると、松本渉(営4=龍谷大平安)が右前に打球を落とし、チャンスメイク。最近絶好調の石上泰(営3=徳島商業)が右翼を転々とする適時二塁打を放ち、2人が生還。試合中盤で相手にダメージを与える追加点をもぎ取ると七回にも後藤聖の二塁打でダメ押しの1点。4点差と大きく突き放した。


 流れをこちらのものに引き込んだ東洋大は五回からは渡邊(総4=報徳学園)がマウンドへ。「4年生が引っ張らないと」と前回1失点の悔しさを晴らす投球で試合を円滑に進めると、八回からは河北(営4=浦和学院)が登場。雨が降り、どこか締まりのなかったこの試合を最後は4年生2人がしっかりと締めくくった。


 この日は投手陣に乱れがあったものの、3試合連続二桁安打の野手陣のおかげで今季7勝目。そして2死からチャンスを掴み、確実に得点を奪う機会も多く見られた。また、早々に降板した細野も他の選手の手伝いを積極的に行う様子が見られ、チームへの想いが節々に表れている。2部優勝の文字が浮かび上がってきたが東洋大の戦士たちは気を抜かずに戦い抜いていく。


■コメント

・杉本監督

(最初から試合が乱れましたが)最初の投げ方からみて「今日はあかんな」って感じだったんで。早く変えてあげようと、実際の話は先週2回投げているので、本当は1週空けようかなって。でもエースなんでね。怖いという風な感じだったんで。(どういう部分が)身体が張っているんだと思います。調整の仕方変えてみようかなと。張ってるからキャッチボール調整してきたんですけど、それはもう一つハードルを越えとかないと、連投した時に思いがくるんじゃないのかなと。今回いい意味で自分が投げちゃうんだなと体験できてよかったんじゃないかと思います。打線の感覚でいうと、抑え込まれるという感じは全くしないので。岩崎が初めて投げたんですけど、ずっとサポートというか、岩崎が先発が何かあった時に投げることが役割になっていたので。1回投げさせてあげようかなと。渡邊にいったかといったら、あまりにもリズムが悪いと。ボール自体は今日も悪くないんですけど、あまりにもボールが多くて3ー2のピッチングなので。先発だったらああいったタイプなんですけど、今はそうじゃないので。一皮剥けないと厳しいかなと。うちのピッチャー陣だと、ベンチに入っていますけど、中継ぎというところでも登板が少なくなってしまいますね。野球はよく分かってるし、投げるコツはよく分かってるし、それはうちのチームでは一番分かってるんですけど、それにボールがついていってないので。全国大会優勝ピッチャーなので、ボールに磨きがかかれば手も足も出ないピッチャーになるんじゃないかと思います。その期待も込めて言っています。(渡邊選手について)いきすぎた時にはバッターとタイミングが合ってしまうということがあるので。押したり引いたりしないと。先発が厳しいということがありますけど、中継ぎの方が大変ですからね。試合の流れを考えながら、自分のピッチングで変えないといけない。今年はオープン戦終わってから、ピッチャーと僕とキャッチャーで話をして、そこのピッチングの組み立てであったり、流れを話していたりしたので。その部分で特にキャッチャーが成長しているんじゃないかなと思います。点取りゲームですので、1点でも勝っていればいいので。キチキチにいく必要はないと思いますので。(打線が調子いいですが)飛距離と打球の速さと音がすごく良くなってきているのは確かなので。そこは成長が見えると思います。いいピッチャーがいるからだと思いますけど。彼らがシートバッティング投げて、そしてブルペンにバッターが入ったりしてね。それとうちより速いピッチャーは他にはいないのでね。球速だけじゃ全てじゃないですけど、12人くらい145㌔投げられる人いるんですよ。速さだけじゃないけどな(笑)。


・渡邊(総4=報徳学園)

(今日の投球を振り返って)今までの試合で細野に頼ってた部分があったので、今回は細野が早めに降りて4年生がしっかりとチームを引っ張っていかないといけないと思いで、流れを作ろうとの思いで投げました。(投げた球種は)ストレートとスライダーとカットボールとチェンジアップです。まっすぐはそこまで良くなかったんで。とりあえず変化球で。中継ぎで出た時に、カウント悪くなってしまってランナー貯めてと悪い方にこの2試合いっていたんで、とりあえずテンポを良くするために、テンポを考えて、先発と同じ気持ちでゾーン勝負でいこうと考えていました。(野手陣が援護してくれますが)ピッチャー陣の中では絶対に0を目標にやっているんですけど、点を取っておいてくれることでノーアウトでランナーを置いたとしても、ゆとりがあるというか。点取られても自分が耐えたら打線が援護してくれるというチームワークも今年はいいと思うので。期待してます。(自分の役割は)とりあえず、自分の任された場所を0に抑えるというか。オープン戦であったら防御率を意識してやってるので。その結果、いい感じに球速も上がって、底上げ出来ているのだと思います。



・小口主将(法4=智弁学園)

(細野投手が初回から乱れましたが)先週に3日間で2回も先発させてしまったんで野手の責任です。そう言っても細野はすごく悔しいと思うんで次は必ずやってくれると思います。でもまだ疲労はあると思うので、無理せずやってほしいです。(3試合連続二桁安打ですが)いい感じで、きてると思います。頼もしいです。(今日よかったことは)点を取られても焦らずすぐ追いついて追い越す事ができたので中々相手に流れがいかなかったと思います。細野も変わった後も前でよく声を出してくれましたし、前までの細野だったら試合中ずっと下を向いていたと思います。技術ももちろん成長してるんですけどそういった所の成長っていうのは「すごい!賢い!嬉しい!」ってなります。(次戦に向けて)気を抜かずにやる事をしっかりやって勝ちます。


・細野(総3=東亜学園)

(今日の調子は)普通です。(自信はありましたか)いつも通り投げれたら抑えられると思っていました。(先週から)思ったよりも回復しましたが、万全とは言えませんでした。(5四球出してしまいましたが)完全に準備不足です。いつも点を取られるのが自滅なのに、悪い時全く改善できないのが情けないです。(次戦に向けて)今回また野手とピッチャー陣に助けてもらったので、次は僕が抑えて助けたいです。


・後藤聖(法3=京都学園)

(今日の調子は)身体が重くて自分的には良くなかったです。(テンポの悪い試合でしたが)投手陣も疲れていて、制球が良くない中でうまく抑えようと難しく考え過ぎてしまったのが反省です。(猛打賞で全打席出塁ですが)今日はたまたま打てました。(いつもより声出ししていませんでしたが)自分がバタバタせず落ち着いてどっしりと守ることを意識していたからだと思います。(収穫は)守りのミスがほぼなく、点を取るべきところで取れているところです。(課題は)攻撃面でサインミスなどのイージーミスが出てきているところです。(次戦に向けて)次戦も僕の役目は投手をリードして得点を与えないことだけを考えて挑みたいと思います。


TEXT/PHOTO=宮谷美涼