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2015.06.11
バスケ

[バスケ]佐久間と杉田が見せた!長い戦いを気持ちで勝利

第55回関東大学バスケットボール新人戦

6月10日(水)大田区総合体育館


東洋大78-69神大

     6|1Q|21

     18|2Q|13

     16|3Q|18

     17|4Q|5

     10|OT|10

     11|OT|2


スタートメンバー

28佐久間澪(済1・東海大相模)

29岩淵俊也(済2・新潟商)

31榎雄大(済2・市立船橋)

33平孝介(済2・東海大菅生)

35杉田涼(済1・市立船橋)


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チームの核となっている佐久間


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杉田は勝負どころでの強さを見せた



   1、2年生のみで挑む新人戦が開幕した。目標のベスト8に向け、負けられない戦いとなった神大戦。試合は延長2回まで続き波乱を極めたが、佐久間、杉田の1年生コンビが存在感を放ち接戦を制した。


 出だしは最悪だった。多くの選手が緊張からか動けず、3ゴールで1Qが終了。それでもその後は焦らずに立て直し徐々に点差を縮めていく。4Q終了間近でついに同点に追い付き、延長戦へ持ち込んだ。

 延長戦は互いにチームファウルがたまり、一つのミスが得点へとつながる気の抜けない5分間となった。東洋大は早々に4点を奪取。だが、一瞬の気の緩みと「延長戦は体力的にきつかった」と佐久間が語るように疲れからミスが増え、3連続でフリースローを与えてしまう。残りわずかで3点差まで広げられ攻撃もここまでと思われた。 しかしここで今試合で何度も好プレーを見せチームに流れを呼びよせてきた佐久間が、またしても流れを変える。3ポイントライン付近でファウルを受け3本のフリースローを与えられ、全て決めれば同点に追い付ける場面をつくった。 全てのシュートを沈めることはできなかったものの3本目をしっかり決め望みをつないだ。ところがその直後1点を返され、30秒で再び3点を追う苦しい展開に。するとここでも1年生が見せる。残り11秒で杉田が放った3ポイントシュートがリングに吸い込まれていった。

 土壇場で食らい付き延長2回に突入すると手に汗握る展開に、ベンチも一体となり沸いていた。お互いの意地がぶつかり合い、疲労もピークに達する中ではあったが勝ちたいという気持ちが選手を走らせる。それがリバウンドに表れ、守備の時間が減り主導権を完全に握る。勢いそのままに白星を挙げた。

 試合後、目(さっか)監督は延長2回という長丁場を戦った選手に「よく頑張った」とねぎらいの言葉をかけた。そして「緊張から出だしが悪くなった」と選手、監督が振り返ったように経験値の無さが顕著に表れる試合となった。それでも選手たち自身で状況を立て直し、最後は気持ちで勝利したことは自信につながっている。「明日勝てば」。今日浮き彫りになった課題を明日の糧に変え、ベスト8進出に向けて一歩前進した。


■コメント

・目(さっか)監督

出だしが悪かった。緊張もあっただろうが相手もしてただろうしお互い様。だがよく耐え忍んだ。3、4Qのハーフタイムでじりじり追い付いて最後勝負だといって、選手はよく頑張った。3Qからマンツーマンが良くなった。あとはエリックがリバウンドを頑張ってくれた。みんな途中から良くなったし、ベンチにいるメンバーも全員期待できる。(特に頑張っていた選手は)最終Qは佐久間と杉田が良かった。佐久間で追い付いて佐久間で延長に持ち越せた。延長ではチームファールがたまっていたから簡単にファールをするなと。あと、エリックと杉田がしっかり走れと。二人がしっかり走れば相手は崩れるからと指示した。それをよくやってくれた。ただ、ディフェンスとターンオーバーの多さが反省点。1Qだけで7、8個。これだと試合がつくれない。(次戦に向けて)明日勝ったらベスト8。明日の明学大も強いんで、なんとか頑張って勝ちます。


・岩淵(済2・新潟商)

初戦ということもあってみんな緊張していたのか入りが悪すぎた。それでも2Qからは吹っ切れたのか自分たちのバスケットができていい流れでいけたのが勝利につながったのかなと。粘り強いディフェンスから速いオフェンスで攻めることが後半できたことが勝因だと思う。(主将として)いいときも悪いときも自分が声を出さなければチームは悪い雰囲気になってしまうので、常に声を出すことを心掛けていた。(明日に向けて)普段からスロースターターなので、入りをしっかりすることと、明日も悪い流れになることはあると思うが自分と榎で立て直していきたい。明日勝てばその次は東海大か大東大が相手になると思うので、絶対勝って次につなげたい。


・榎(済2・市立船橋)
 上級生として出だしがだめだったので後半はその分頑張ろうと思った。最初、緊張から流れがつくれなくてチームとして成り立っていなかったので、コミュニケーションをとって短い間で改善できたかなと。相手の得点源の33番を止めることがチームの中での課題で、つくのが自分だったのでオフェンスよりもディフェンスに集中した。延長戦は体力的にも精神的にもひたすら疲れたが、上級生として頑張らなくてはという気持ちで乗り切った。(声を掛けていたが)集中力を切らすなと、自分がカッとなったらチームが崩壊してしまうので冷静にと声を掛けていた。自分が4Qの最後、みんなが疲れている中で決められたら勝ったので自分はつめが甘いなと。延長戦で取り返さないといけないと思った。(次戦に向けて)ここまでの流れを切らずに、明日勝てばずっと試合ができるので、みんなに少しでも経験を積ませるためにも明日勝ってベスト8に入りたい。

・佐久間(済1・東海大相模)
 最初ミスが多くてひやひやした。4Qで点差が縮まっていい流れで終われたが、延長2回は体力的にもきつかった。だから早い段階で地道に点差をつけていきたい。(今日に向けて練習してきたことは)ずっとこの試合をイメージして、ディフェンスを練習してきた。自分の役割はリバウンドとシュートを決めること。監督にも点を決めにいけと指示された。あとはディフェンスのカバー。今日は全然入らなかったから明日決めたい。(延長のフリースローは)緊張しなかったが、入らなかった。先輩が気にするなと声を掛けてくれたのがありがたかった。あと杉田には助けられた。あそこでの3ポイントシュートは大きい。シュートは入らなかったけどリングに向かっていた姿勢は良かったかなと。(次戦に向けて)明日はシュートの確率も上げていきたい。オフェンスもディフェンスも両方で貢献したい。


・杉田(済1・市立船橋)

1Qからチーム内でミスが多かった。それでもそこまで慌ててはいなくて、重く考えずに吹っ切って「ここから取り返そう」と話していたので、負けるとは思っていなかった。(勝負どころでシュートを決めていたが)競っていて、決めなければリバウンドを取られて相手にもっていかれるという場面で決まられたのは、日々の練習が実を結んでくれて良かったし、チームに貢献できて良かった。(3、4年生からは)練習中から点を取りにいくように言われていて、今日もその声援があったので自分がいこうという気持ちになれた。(明日に向けて)頑張ります!


TEXT=高橋雪乃 PHOTO=石田佳菜子、高橋雪乃