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秩父宮賜杯第54回全日本大学駅伝対校選手権大会
11月6日(日)熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前
総合8位 東洋大 (106.8km) 5:13’10
1区(9.5km) 奥山輝 27’33(14位通過・区間15位)
2区(11.1km) 石田洸介 32’21 (9位通過・区間9位)
3区(11.9km) 児玉悠輔 34’33 (9位通過・区間10位)
4区(11.8km) 前田義弘 34’07 (8位通過・区間6位)
5区(12.4km) 九嶋恵舜 37’28 (7位通過・区間5位)
6区(12.8km) 村上太一 38’35 (7位通過・区間5位)
7区(17.6km) 梅崎蓮 52'24 (8位通過・区間7位)
8区(19.7km) 柏優吾 59’48 (8位・区間7位)
スタート前アップをする奥山
スタートを切る奥山
2区で5人抜きの快走を見せた石田
第4中継所 4区・前田(左)→5区・九嶋
7区で早大と激闘を見せた梅崎
8位でゴールテープを切った柏
三大駅伝の2戦目で箱根駅伝の前哨戦ともいえる第54回全日本大学駅伝対校選手権大会(以下、全日本)が開催され、東洋大は8位でシード権を獲得。昨年と同じ轍(てつ)は踏まなかった。このレースでは、出雲駅伝(以下、出雲)でオーダーから外れていた九嶋(済3=小林)や柏(済4=豊川)の姿もあり、目標の3位以内とはいかなかったものの、及第点のレースとなった。
全日本の舞台で走ることを目標に、全国から集まってきた学生ランナーたちを伊勢の神様が祝福するような快晴の下、1区がスタート。出雲では中大がロケットスタートの勢いのまま集団から抜け出したが、今回は青学大がその作戦を実行し、1区独走を狙う。そんな中、第1走の奥山(総3=浦和実業)は焦らずに集団を並走し、自分のペースに合わせた順調な走りを見せたかに思われたが、アップダウンのコースで足を使ってしまい、ラストスパートで力を出せない。14位という結果に「良い流れを作れず反省している」と猛省しており、箱根路での逆襲に期待だ。駒大はスーパールーキー佐藤圭汰、順大は東京五輪日本代表・三浦龍司など、今年も豪華な顔ぶれとなった花の2区には、石田(総2=東農大二)が出雲に続いて登場。14位から5人をごぼう抜きし、シード権一歩手前の9位まで上げて3区へタスキをつないだ。好走には見えたが、石田自身は満足しておらず、「攻める走りが出来なかった」と悔しさを吐露する。3区を任されたのは、出雲で1区を任されたものの、失速してしまい悔しい思いをした児玉(済4=東北)。自身初となる1区以外での出走となり、慣れない区間での走りに苦戦したものの、順位を落とすことなく4区へつなぐことに成功する。課題として後半の粘りやペースアップを挙げ、最後の箱根に向けて気合を入れた。中間地点の4区を走るのは、頼れる主将、前田(済4=東洋大牛久)。目標に「3位以内、優勝」を掲げて臨んだ担当区間では、ここまで入ることが出来なかったシード権内の8位に順位を上げ、逆転優勝への希望を乗せて、5区へ。「早い入りはできたが、押していくことが出来なかった」と課題を口にした前田は箱根へ「最高の仲間、スタッフと笑って終わりたい」と意気込む。後半戦の最初の区間を任された九嶋も、良い流れを引き継いでいく。前を走っていた中学大を追い抜いて、及第点の走りに。大会1カ月前の復帰で、練習を満足に行うことが出来なかったという九嶋は「最低限の走りしかできなかった」と自分の走りを振り返ったが、箱根に向けては「上級生としてしっかり結果を出したい」と意気込んだ。その九嶋が最も印象に残った走り、と讃(たた)えたのが、第6走者・村上(理3=北見緑陵)だ。前を走っていた早大をしっかりオーバーテイク。更に後続の大学を突き放す走りを見せたことで、東洋大のシード権獲得を大きく引き寄せる結果に。「チームを背負って走る責任感を感じた」と語る仕事人は、上級生ゆえに感じる重圧に打ち勝つ。7区からは、これまで10㌔前半台だった走行距離が一気に伸び、17.6㌔に。この区間も2区と並び各校エースをそろえてきており、駒大は言わずと知れた田澤廉、国学大の平林清澄など強大なライバルたちが登場。そんな中、東洋大の走者を務める梅崎(総2=宇和島東)は、早大とのデッドヒートを展開する。7区までの勢いを守り、アンカーの柏にタスキリレーをしたい東洋大と名門復活をかけて一つでも順位を上げたい早大、熱い思いのぶつかり合いを制したのは早大だった。タイムの差を見ても1秒差とまさに紙一重といえる激戦。「突っ込む力」を身につけることを誓い、梅崎は自身2回目の箱根へ。アンカーの柏は、7位の中大の選手より10秒速いタイムでフィニッシュするなど、かなり追い込んだ走りを見せたが、順位を上げることはかなわず。シード権は獲得したものの、悔しい8位でのゴールとなった。「私が弱い」と自分を一喝した柏。不完全燃焼では終われない男は、自身最後の箱根に全総力を集中させる。
「悔やんでも悔やみきれない、大学入学以来1番悔いが残るレース」。これは、柏がインタビューで語った言葉だ。今回の大会終了後には、すべての選手が激しい悔しさをあらわにしている。出雲、全日本と悔しい思いをする時間はもう終わった。逆襲を誓う男たちは、芦ノ湖と大手町で鉄紺の証明を体現するときを想って、自らを追い込み鍛錬を続ける。
・酒井監督
(今大会の位置づけ)昨年シード権を落としているので、
・1区 奥山輝(総3=浦和実業)
(今回のレースを振り返って)自分が走っていた集団はゆっくりなペースで入っていきました。最
・2区 石田洸介(総2=東農大二)
(今回のレースを振り返って)攻める走りができなかった。(レースの中で印象に残ったのは)中盤から後半区間の粘り(見えた課題は)競り勝つ力。(箱根駅伝に向けて)チームとして出雲駅伝、全日本大学駅伝の悔しさを晴らしたい。
・3区 児玉悠輔(済4=東北)
(今回のレースを振り返って)初めて1区以外の区間を走りチームに貢献したがったが、後半粘れ
・4区 前田義弘(済4=東洋大牛久)
(今回のレースを振り返って)3位以内、優勝を掲げていましたが結果は2位と悔しい結果になり
・5区 九嶋恵舜(済3=小林)
(今回のレースを振り返って)入賞できたのは最低限、良かったです。しかし、上位校と全く勝負
・6区 村上太一(理3=北見緑陵)
(今回のレースを振り返って)中大に追いつかれ、離されてしまったが、最低限シード権を確保す
・7区・梅崎蓮(総2=宇和島東)
(今回のレースを振り返って)課題の残るレースだった。(レースの中で印象に残ったのは)応援が多かった。(見えた課題は)突っ込む力。(箱根駅伝に向けて)自信をつける。
・8区 柏優吾(済4=豊川)
(今回のレースを振り返って)悔やんでも悔やみ切れない大学入学して以来1番悔いが残り、責任
TEXT=髙橋生沙矢