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皆さまあけましておめでとうございます!新年一発目のコラムを書かせていただきます、2年の髙橋です。先日は箱根駅伝の取材に行く機会に恵まれ、東洋大5区前田主将のゴールシーンや6区西村選手の山下りを生で見ることができるなど、かなり貴重な経験をすることが出来て良い1年を過ごすことができそうです!さて、今回の題名、Creer。これはスペイン語で信じるという意味で、昨年W杯を通じてこの大切さを感じたので、その事について綴ろうと思いこの題名にしました。(ちょくちょくスペイン語だしてかないと私がスペイン語勉強してる設定が忘れられてしまいそうなのも理由です笑)
スポーツに絶対生まれるものは何でしょうか、友情?楽しさ?お金?思いつくものは個々人であると思いますが、やはり絶対に生まれるものは、勝者と敗者です。どんなスポーツでも優勝が決められ、優勝するチーム以外は敗者となってしまうのがスポーツの宿命と言えるでしょう。そんな数少ない者しか手に入れられないものを引き寄せるのは?私の答えは信じる心です。これからそれを実感した話を書いていこうと思います。
自分はサッカーが好きで、小さい頃からメッシという世界で一番上手い(賛否両論あるけどここでは言い切らせてください笑)選手の事が大好きでした。彼はバルセロナというスペインのクラブで欧州一、スペインリーグ制覇、個人でバロンドールという世界最優秀選手賞を最多獲得など誰も出来ないようなことを幾多も成し遂げました。しかし、彼に唯一、そして最も足りないと言われていたものが代表チームでのタイトル、そしてW杯です。
彼の生まれはアルゼンチンですがプロデビューを飾ったのはスペインの地であり、かつ国歌を代表戦で最初の頃は歌っていなかったので「メッシは真のアルゼンチン人ではない」という意識がアルゼンチンのサポーターの中にはあったと言われています。そして、彼の中にあった最大の重圧は、神の子・アルゼンチンの英雄マラドーナとの比較です。1986年W杯の直前にあった英国とのフォークランド紛争で敗れ、ボロボロのアルゼンチン国民に、W杯の舞台でイングランドに神がかったプレーで仕返しをしたマラドーナは、サッカー選手の枠を超える英雄。越えるにはあまりにも高く険しい壁でした。
そんな重すぎる比較や重圧を乗り越えるべく代表でのタイトル獲得に励んだメッシですが、タイトルへの道は遠くつらいもの。W杯では3大会連続でライバルのドイツに苦汁を舐めさせられ、コパアメリカでも3大会連続、かつ2015年と16年は決勝での敗北。特に私の中で忘れられなかったのは、2014年ブラジルW杯でドイツに決勝で敗れた後に獲得できなかったW杯トロフィーを魂が抜けたような顔で見つめるメッシの姿です。心が締め付けられるような思いになり、一番調子の良い時期でこれなら一生このトロフィーを掲げるメッシは見れないのではないか、そんな気持ちにもさせられました。
その後は好調だったバルセロナでも欧州1番を決める大会、チャンピオンズリーグで大逆転負けや大差での敗戦で敗退するなどファンにとっても彼にとってもかなりつらい時期が。そんな中でも、「きっといつかメッシが報われる時が来るはず...」と長年ファンは待ち続けます。
転機となったのは、メッシ初の代表タイトル獲得となった2021年のコパアメリカ...と言いたいところですが、私にとっては2019年に行われ、敗れたコパアメリカのブラジル戦と、同じ年にサウジアラビアで再び行われたスーペルクラシコ・ブラジル戦。コパのブラジル戦での敗戦後、審判の判定に対しメッシは不満をぶちまけました。これまで「主将であるにもかかわらず、多くを語らない」と批判されてきた姿とはまったく違う一面を見せたのです。ここからアルゼンチン国内でも、メッシに対する好印象な評価が増えてきました。そして、アルゼンチン代表監督のスカローニが語っていた「メッシが気持ちよくプレーできる選手達」を揃えて、メッシのゴールでこれまで大事なところで勝てていなかったブラジルを破って獲得したスーペルクラシコのトロフィー。A代表のタイトルに含まれずとも、これがチームとしての方向性を決める重要な試合だったと思っています。
その後のアルゼンチンは上記した通り、2021年のコパアメリカでついに栄冠を手に。アルゼンチンにとっては1993年以来28年ぶり、メッシにとっては代表デビューした2005年から17年目でようやく手にした初タイトルでした。決勝のブラジル戦でディマリアの先制点が決まった時、早朝にもかかわらず絶叫してしまったことは今でも最高の思い出です。この大会でもメッシはキャプテンシーを存分に発揮しました。そんな彼の熱い一面を表すのがブラジル戦の前に行われたロッカールームでのスピーチ。
「我々はすでに知っている。自分たちが何者なのか、ブラジルが何者なのか。だから、それについてこれ以上言うことはないさ。
僕はこの45日間ともに戦ってきたみんなに感謝を言いたい。
誕生日を迎えたときにも言ったが、このグループは傑出している。美しいチームだよ。
この45日のハードワーク。我々はこの旅程も、この食事も、ホテルも、ピッチも、何にも不平を言わなかった。
家族に会えない45日。エミリオ・マルティネスは父親になったが、生まれたばかりの子供にも会えなかった。それはなぜか?この瞬間のためだ。
我々は目標がある。それを達成するための一歩を踏み出した。最も良いことは、あとは我々次第だという点だ。
だから我々は戦いに向かい、トロフィーを掲げ、アルゼンチンに持ち帰る。そして家族、友人、アルゼンチンをサポートしてくれた全ての人々とそれを楽しむんだ。
最後にこう言いたい。『偶然は存在しない』と。
このトーナメントはアルゼンチンでプレーしなければならなかったものだが、ブラジルに移った。それはなぜだったのか?
なぜなら、神様がそうしたからだ。我々のため、このマラカナン・スタジアムで勝つ機会を与えてくれたんだ。だから自信を持っていこう。冷静になって、トロフィーを手にしよう。さあ行くぞ!」
この勝利で更に勢いに乗ったアルゼンチンは36戦無敗のまま、メッシにとってラスト(になると言われていた)W杯に臨みます。ですが、初戦でサウジアラビアのハイライン戦術、そして10度も取られたオフサイドに苦戦しまさかの敗戦。
この時点でやっぱりメッシはW杯のタイトルに縁が無いのか...そう思わされましたが、メッシはここで「私たちを信じてくれ」とコメント。こう言われたら何が起ころうとメッシたちを信じるしかない。その思いで大会中、どんなピンチがアルゼンチンに訪れようとこのマインドを貫き通しました。
実際にメキシコ戦ではメッシが得点するまで引き分けムードが凄かったし、準々決勝のオランダ戦で試合終了間際に追いつかれた時、そして、決勝でエムバぺがハットトリックをしてアルゼンチンに追いついたときも激しい絶望が襲ってきました。しかし、いつもなら負けていたり、追いつかれると俯いてつらそうな顔をしているメッシが笑っているのです。その姿を見ていると「彼らなら絶対に勝ってくれる」という安心感が生まれてきました。
そして、、決勝は3ー3のまま迎えたPK戦で見事にアルゼンチンが勝利し優勝。自分がアルゼンチンを応援し始めたのは2010年のワールドカップからなので、12年越しの夢がかなった瞬間でした。優勝した時には、本当に起こったことなのか、と疑いそうになったし、何なら今でもあそこだけ夢の世界で生きていたのではないかと思うこともあります。でも、あれはリアルに起こった出来事なんです...!
アルゼンチンを応援するために旅費で自分の全財産を使い切った人、一生分のローンを抱えた人も多くいるとのこと。自分のようにテレビの前で長年応援していた人、現地に観戦しに行って奇跡を信じた人、様々な人の信じる心がこのドラマのような真実を作り出したのだと思っています。
えーぶっちゃけ書きすぎました。ここまで読んでる人、誰もいないんじゃないかなと思います笑。スポトウのコラムと言う場を借りて、究極の自己満をさせてもらい誠にありがたい限りです。次回からはいつも通りしょうもない事を書いていけたらなと思いますのでよろしくお願いいたします。