Article

記事


2023.03.21
コラム

第808回 最後の春を迎え 執筆者・木村彩香

ご無沙汰しております。

春から3年となります、陸上・水泳・ラグビー・射撃を担当している木村です。


なんともう3月も後半となり、桜も満開を迎えつつありますね。厳しい冬も終わりを告げ、暖かい陽気に心が弾むのは決して私だけではないはず。しかし、その陽気さに一抹の寂しさを感じ、切なくなる時もあります。出会いもあれば別れもある春だからでしょうか。そんな春に必ず思い出す詩があります。


「花に嵐の喩えもあるぞ、さよならだけが人生だ」。これは中国・唐時代の漢詩「勘酒」の「花発多風雨人生別離足」(花開けば風雨多し 人生に別離多し)を井伏鱒二が訳したものです。

ざっくりと言ってしまうと、「花が咲けば必ず風で散るように、人生にはあまりにも別れが多すぎる」といったところでしょうか。


スポトウの別れでいうと、明後日に控えた4年生の卒業式、そして既に1月に3年生が引退を迎えました。とうとう新体制。今まで後輩として活動してきましたが、自分たちへとバトンタッチされました。

関係者の皆さま、至らぬ点も多々あるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

いつも活動の苦楽を共にし、支え合う同期たちへ。これからもよろしくね。悔いなく笑って1年を終えられるように、一緒に駆け抜けていこう。そして、何より先輩方へ。今まで本当にお世話になりました。この言葉だけでは正直足りません。先輩方の背中を追いかけ、活動してきた2年間でした。スポトウの伝統を繋ぎ、さらなる飛躍を遂げるために、新体制で頑張りますね。


別れもあれば出会いも。4月には入学式も控え、スポトウでも新歓活動がスタートします。自分の2年前を振り返ると、新型コロナウイルスが猛威を振っておりオンライン授業がほとんど。そんな中で何を自分はしたいのか、できるのかと悩み抜いた末にスポトウへ入部を決めました。新しいことを始めるにはぴったりの季節でもある春。もしこのコラムを新入生の方に見ていただけているなら、ぜひその一歩を踏み出してみませんか?あなたのその一歩を、部員一同心待ちにしています。お気軽にTwitterのDMにお問い合わせくださいね。


さて、前半で紹介した漢詩に話を戻します。

「人生には別れが多すぎる」と表すと、あまりにも寂しさを強く感じてしまいますが、ただ別れの悲哀を歌ったものではないような気がします。花は散る前に必ず美しく咲き誇ります。これは、人の出会いも別れも同様ではないでしょうか。辛く寂しい別れがあるのと同じくらい、素晴らしい出会いがあります。別れがあるからこそ、出会いもある。正直先輩方との別れや引退はとても悲しいものでありますが、それはまた新しい出会いもある証であると思っています。




今年の桜はまだ写真に収めていなかったので、代わりに私の故郷・水戸の梅の写真をお届けします。先日地元に帰省した際に、偕楽園の夜梅祭に訪れた時の写真です。

(これはiPhoneで撮影したものですが、先輩にもお褒めの言葉をいただいたので、かなり自信作です!)

また来年この梅を見るときは、どんな自分でいられるでしょうか。来年の引退コラムでは、スポトウの活動を悔いなく終え、晴れやかな気持ちで綴って欲しいなと希望を託す春です。


拙くまとまりのない文章となってしまいましたが、最後まで読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。また次回のコラムでお会いできるのを楽しみにしております。

今後も東洋大学スポーツ新聞編集部をよろしくお願いいたします。


木村彩香