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2023.04.05
硬式野球

[硬式野球]「一戦必勝」を胸に 細野の粘りと花田の一振りでタイブレークを制し白星発進

東都大学野球春季2部リーグ・東農大1回戦

4月4日(火) UDトラックス上尾スタジアム

東洋大4ー1東農大



10
東洋大
東農大


投手

○細野-後藤


・打者成績

打順守備名前
(指)花田旭(総2=大阪桐蔭)
(遊)石上泰輝(営4=徳島商業)
(二)宮下朝陽(総2=北海)
(右)水谷祥平(営4=龍谷大平安)
(中)橋本吏功(総4=花咲徳栄)
(左)宮本涼太(総4=大阪桐蔭)
(三)加藤響(総3=東海大相模)
(捕)後藤聖基(法4=京都学園)
(一)馬込悠(法3=桐光学園)

吉田元(営2=龍谷大平安)



(一)松本憲信(営3=成田)




34


・投手成績

名前球数四死球三振
細野晴希(総4=東亜学園)1015412



タイブレークで二点適時打を放ち、拳を突き上げる花田旭外野手


ピンチを切り抜け笑顔でタッチをする細野晴希投手と後藤聖基捕手


ウイニングボールを手にする細野晴希投手と井上大監督


"一戦必勝"のスローガンのもと、1部昇格を目指す東洋大ナイン。手に汗握る展開で初戦からタイブレークとなるも、着実に点を取り白星発進。幸先の良いスタートを切るとともに、井上大新監督に初勝利を届けた。



 「声」を大事にする水谷主将(営4=龍谷大平安)の下、全員の気合いの入った円陣から始まった試合は白熱の投手戦となった。

東洋大の先発は細野晴希(総4=東亜学園)。「お前がエースだ」と監督から期待を寄せられる左腕は、チームを勢いづけるため、勝利のために重要な開幕のマウンドに上がった。試合開始直後から両者ともに、走者を出すものの得点には結びつかず。互いに流れを渡さない投球でスコアボードに0が刻まれる。


「ピッチャーのために打つよ!」。攻守交代の際、ベンチに大きな声が飛び交う。そして六回、試合が動いた。花田(総2=大阪桐蔭)が中前打で出塁すると、石上泰(営4=徳島商業)が右中間への適時二塁打を放ち、先制点をもぎとる。ようやく援護点を貰った細野だったがその裏、2連打を浴び、2死一、三塁とされる。そして痛恨の暴投で1点を失い、試合は振り出しに戻された。さらにピンチを招いたが、その後は落ち着いて投球し、最小失点で切り抜けた。


試合は同点のまま終盤へ。9回表、チャンスを作るも、東農大の好守備に阻まれ、無得点。サヨナラ負けを防ぐべく、裏の東農大の攻撃を無失点に終え試合はタイブレークへ突入した。


10回表、先頭打者の松本(営3=成田)が送りバント→犠打で走者を2.3塁にすると、続くバッターは花田。「先頭の僕がチームを勢いづける、勝たせる」と意気込んだ花田のバットから放たれた打球はライトの頭を越す適時二塁打に。決勝点を放った花田は二塁上で大きなガッツポーズを魅せた。これだけでは終わらず宮下(総2=北海)の犠飛で、この回一挙3得点。1失点で粘り続けた細野にとって大きな追加点となった。


その裏もマウンドに上がった細野は打者3人をそれぞれライトフライ、セカンドゴロ、ショートフライに抑えゲームセット。細野は計154球を投じ、7安打、3四死球を与えながらも1失点に抑え、エースの実力を見せつけた。


井上監督の初陣を4対1とし見事に勝利を飾った東洋大の戦士たち。監督から「エースになれ」と告げられた細野の力投と、新たなリードオフマンに名乗りを上げる花田の活躍が光った試合となった。「聖地神宮に戻るため、最後に後悔しないため」。一戦必勝の言葉を胸に、これから先も東洋大ナインは勝利に向かって戦い続ける。



◆コメント

井上大監督

初勝利は嬉しいです。開幕戦ということで、ここで勝つことでチームの流れが大きく変わってくるので。細野は、オープン戦中は無駄玉が多かったけどだいぶ良くなってきました。いつもよりストライク先行で投げられたのが今日の勝利の一つの要因だと思っています。

正直、試合の途中で何度か細野を変えるか変えないかの葛藤があったんですけど、あいつはエースなので。タイブレークの中で投げ切って、勝ち切ったことは成長につながると思いますね。

年末に「何かを背負ってやってくれ、お前がエースになんだから」って話はしたんですよ。

今日は去年と違って、マウンドの立ち姿は少しエースっぽくなったかなって思いますね。まだまだ物足りないですけど。僕の中のエース像は原樹理(現東京ヤクルトスワローズ)ですね。連投がエースとは思わないですけど、ここって時に打者を抑えるのがエースだと思うんですよ。今日は一歩近づいたと思いますね。10回入るときも、三点差ありましたし迷わずに送り出しました。


細野晴希投手

いつもと変わらず投げられました。スタミナ的に7.8回を投げるときはきつかったんですけど、9.10回はそんなにきつくなかったです。制球に苦しむことが減ったのは、オープン戦で亜細亜大学と試合をした時に力を入れて投げたらボールが先行してしまって、後半てきとうに投げたら前に飛ばしてくれて、いい意味で力を抜くことを覚えました。球が走らないわけではないです。個人的に軽く投げてるのに打者は差し込まれていたので悪くなかったかなって思います。思いっきり投げてファールにされていたので、いい意味で吹っ切れて投げることを覚えたのがフォルムチェンジの一つの要因かなって思います。9回無死1.3塁で無得点でショックだったけど、ここで吹っ切れて、どうにでもなれ精神で投げられました。また、みんなあったかい声をかけてくれるのでそれも一つの要因かなって思います。タイブレークでは1点入れば抑えるって気持ちの中で3点入ったのはとても大きかったです。


花田旭外野手

タイブレークの打席について→どうにかして点を1点取ろうと思ってて、初球真っ直ぐ待ちをしていて、来たんですけど力んで打てなかったです。最後に打った球は、直球だったんですけど軽く打つイメージというか、力みなく打てたと思います。


TEXT・PHOTO 成吉葵