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第99回日本選手権水泳競技大会競泳競技
4月4日(火)〜9日(日)東京アクアティクスセンター
(3日目・予選)
男子800m自由形
4組
5着 坊岡 8'12"12
女子200m自由形
4組
4着 山本 2'01"60
→全体10位でB決勝進出
男子200mバタフライ
3組
7着 草野 2'02"68
4組
2着 福田 1'59"98
男子100m自由形
5組
7着 土岐 50"25
男子200m個人メドレー
3組
5着 牧野 2'02"14
→全体16位でB決勝進出
女子200mバタフライ
5組
3着 何澤 2'11"69
→全体8位で決勝進出
(3日目・決勝)
女子200m自由形
B決勝
2位 山本 2'01"44
男子200m個人メドレー
B決勝
8位 牧野 2'02"69
女子200mバタフライ
決勝
8位 何澤 2'13"25
200m自由形でB決勝に進出した山本(左)と200mバタフライで決勝進出を果たした何澤(右)
(写真提供:東洋大学体育会水泳部)
第99回日本選手権水泳競技大会競泳競技(以下、日本選手権)は3日目、7人の選手が出場した。何澤由衣(国4=京都外大西)が女子200mバタフライで全体8位で第96回大会以来となる決勝進出を果たした。また、新入生の牧野航介(営1=湘南工大付)、福田圭吾(国1=武南)もそれぞれB決勝進出、自己ベスト更新の力泳を見せた。
3日目最初に登場したのは前日に男子200m自由形でベストタイムを更新した坊岡優眞(済2=市立太田)。今大会4本目のレースとなった男子800m自由形では惜しくもB決勝進出とはならなかったものの自己記録を上回る泳ぎを見せた。
続いて女子200m自由形に山本葉月(法3=花咲徳栄)が出場した。前半から力強い泳ぎを見せて全体10位でB決勝進出を決めると、B決勝では積極的な泳ぎで最初の50mをトップで折り返した。その後も先頭争いを続け2位でゴールした。
そして男子200mバタフライには草野光希(法2=湘南工大付)、福田の2名が出場。草野は前半はいい泳ぎをしたものの後半思うように伸びなかった。「力不足を痛感した」と苦手な後半に課題が残った。しかし気落ちせず、苦手を克服しインカレでの活躍に闘志を燃やす。
新入生福田は自分のペースで泳ぎ後半から持ち味の追い上げを見せて2分台の壁を破り自己ベストを更新した。今回が東洋大学を背負い臨む初の日本選手権だったが、「大学生としての一発目のレースとしてはかなりいいレースができた」と納得の泳ぎをした。大学での目標について「選手権でA決勝、インカレでメダル」を掲げた。今後の福田の泳ぎから目が離せない。
男子100m自由形では土岐祐介(国4=札幌大谷)が前半から積極的な泳ぎを見せたが、0.17秒足りず惜しくもB決勝進出を逃した。ただ、冬に強化した基礎持久力と泳ぎのストロークが生きていたように思えた。また、今回のレースを「他の選手に比べ、ターンした後の25mでタイムが離されている」と振り返り、早くも次のレースに向けて課題を挙げた。4年生としてチームを引っ張る存在となった今回、冬季の成果と新たな課題が見つかるレースとなった。
1日目の男子400m個人メドレーで思うように記録を伸ばせなかった牧野は、3日目の男子200m個人メドレーではB決勝に進出した。先日行われたジュニアオリンピックにも出場していたため、疲労が残りながらのレースだったが、自己ベストに迫るタイムで泳ぎ、健闘した。今回のレースについては「記録はあまりよくなかったが、その中でも諦めない、投げ出さない気持ちを強く持ってレースに挑めた」と話し、泳ぎだけでなくメンタル面での強さも見せた。大学での目標についても周りのレベルも上がり、ライバルに勝つためにも「世界を視野に入れ、日本代表に入れるほどの力を身につける」と、意識高く競技に取り組んでいる。今後の活躍に期待がかかる。
そして最後に登場したのが女子200mバタフライの何澤。予選を「無駄なことは考えずに目の前のレースに集中することが好タイムにつながった」と振り返った。その言葉通りスタートからいい飛び込みを見せ、その流れのままいいリズムを刻み全体8位で第96回大会以来となる決勝進出を果たした。だが、決勝では持ち味の後半をうまく泳ぎ切ることができずタイムを思うように伸ばせなかった。今大会は「予選の収穫はあったものの、決勝では課題点が多く見つかった」と語った。決勝に進出したという結果はインカレに向けていい弾みをつけただろう。
◾︎コメント
何澤由衣(国4=京都外大西)
(予選・決勝のレースを振り返って)予選は無駄なことは考えずに目の前のレースに集中することができたことが好タイムにつながったと感じます。本番の何が起こるか分からないという可能性を信じて、当日の準備を考えて周到に行えたことが良かったです。レース内容自体は、前半から飛び込みの勢いを生かしてテンポを落とすことなく泳げたことが良かったです。決勝は、ただその勢いを最後までもたすことができなかっただけだと思うので、これから練習すればどうにでもなると思いました。(決勝8位という結果について)決勝では後半で身体をうまく動かせず、持ち味を出せなかったことがとても不甲斐ないです。今大会では予選の収穫はあったものの、決勝は課題点が多く見つかりました。1位とは差が7秒開いてしまっているので、ここの差を埋めたいなという練習へのモチベーションが生まれました。(インカレに向けた目標、意気込み)インカレに向けての道のり(練習、試合、日常生活)をとにかく丁寧に謳歌していきたいと考えています。日々の充実度を高めて、インカレ本番では自己ベスト更新、表彰台に乗ることを達成したいです。周りのレベルも高いですが、追いつけるように仕上げたいと思います。また、東洋大学にも最高学年としてプライドを持って貢献していきたいです。
土岐祐介(国4=札幌大谷)
(今日のレースを振り返って)全体としてはベストプラス0.01秒という悔しい結果になってしまいました。しかし、今までできておらず、目標であった前半のラップを23.8秒で入るという点は達成することができたため良かったと感じています。また、他の選手と比べてターンした後の25mでタイムが離されていることが分かりましたので、これから修正していければと思います。(冬に強化した点は)基礎持久力と泳ぎのストロークを長くすることです。基礎持久力は練習前にバイクを漕ぐようにすることや長い距離を泳ぐ際にも心拍数を管理することで強化に努めました。泳ぎのストロークを長くすることに関しては練習の最初から最後まで意識し続けることで改善していきました。(インカレに向けた目標、意気込み)インカレでは4年生として泳ぎで引っ張りながら、チーム全体で最後まで決して諦めないことを大事にしていきたいです。1つ1つの試合を大事にして部員一人一人が納得のいくレースができるように努めていきます。
草野光希(法2=湘南工大付)
(今日のレースを振り返って)まだまだ力不足を痛感しました。(冬に強化した点は)大学に入って後半がまだうまく泳げていないので後半をうまく泳げるように意識して練習しました。ですが、まだあまり日本選手権では成果が出ませんでした。(インカレに向けて)ここで落ち込まずに、まだインカレがあるのでインカレでは去年ダメだった分まで取り返せるように頑張ります!
福田圭吾(国1=武南)
(レースを振り返って)今日の200mバタフライは、自分の持ち味である後半を意識して泳ぐことが出来ました。しかし、ラスト上がりきることが出来なかったので、そこが課題でした。(大学生として臨む初の日本選手権の心境)東洋大学を背負って初の選手権でしたけど、程よい緊張感で臨むことが出来ました。大学生としての一発目のレースとしてはかなりいいレースができました。(大学での競技の目標)大学4年間での目標は、選手権でA決勝、インカレでメダルです。そのためには自分の課題を見つけ、改善して、レースの時に最高なパフォーマンスをすることが大事なので、日々の練習を頑張っていきたいと思います。
牧野航介(営1=湘南工大付)
(B決勝に進出した男子200m個人メドレーのレースを振り返って)初日の400m個人メドレーでは失敗してしまいましたが、200m個人メドレーではベストタイムに近い記録が出て、B決勝に残ることができて良かったと思います。しかし、B決勝ではタイムを落としてしまったので、予選から全力でいっても、B決勝・決勝でタイムを上げられるようなトレーニングをしていきたいです。(3日間で4レースというタフな戦いで得た良かった点や課題は)今回の日本選手権の1週間前にジャパンオリンピックもあり、疲労が溜まっている中でのレースでした。記録はあまりよくありませんでしたが、その中でも諦めない、投げ出さない気持ちを強く持ってレースに挑むことができました。(大学での競技の目標、意気込みは)大学では高校とは違って、レベルが一気に高くなります。そのためライバルに勝つためには、世界を視野に入れ、日本代表に入れるほどの力を身につける必要があると考えています。そのためには、今までとは比べ物にならないほどのハードなトレーニングに励み、日本代表になることが目標です。
TEXT=金子恭大