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2023.05.14
硬式野球

[硬式野球]ついに決めた2部優勝! 戦いはこれから、目指すは聖地神宮

東都大学野球春季2部リーグ戦・拓大3回戦

5月11日(木) UDトラックス上尾スタジアム 

〇東洋大7-2拓大



拓大
東洋大X


二塁打:橋本吏(二回)

三塁打:宮本(二回)


・打者成績

打順守備名前
(中)橋本吏(総4=花咲徳栄)

打中秋元(済2=木更津総合)
(遊)石上泰(営4=徳島商業)

佐久間(済3=千葉黎明)
(二)三宮下(総2=北海)
(右)水谷(営4=龍谷大平安)
(左)宮本(総4=大阪桐蔭)
(捕)後藤聖(法4=京都学園)
(指)花田(総2=大阪桐蔭)
(一)山地(営3=天理)

松本(営3=成田)
(三)加藤響(総3=東海大相模)

池田(営2=三重)

吉田(営2=龍谷大平安)



3211


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総4=東亜学園)11911
石上祐(法4=東洋大牛久)1/3
加藤慶(営3=龍谷大平安)2/3
一條(総3=常総学院)33


優勝旗とトロフィーとともに笑顔を見せる

水谷主将とエース細野

勝ち越し打を放ち、チームを勢いづけた橋本吏

安定感のある投球で2部での戦いに終止符を打った一條

優勝を決め、安堵の表情を見せる選手たち


2部優勝に向けてあと一勝というところで、前日に完封負けを喫してしまった東洋大ナイン。井上監督は「もうあいつしかいない」と頼れるエースをマウンドに送り出す。


優勝に向け負けられない中で、東洋大ナインは序盤から強さを見せた。「一番打者として出塁が大事」という橋本吏(総4=花咲徳栄)が安打と盗塁で無死二塁とチャンスを作ると、相手の失策の間に俊足を生かし、ホームへ生還。出塁が得点につながり1点を先制する。


二回、表に1点奪われ同点に追いつかれるも相手に決して流れを渡さなかった。その裏、先頭花田(総2=大阪桐蔭)が四球で塁に出ると、その後犠打と内野安打で1死一、三塁とチャンスを作る。ここで橋本吏が中前に打球を落下させ、すぐに勝ち越しに成功する。続く宮下(総2=北海)もこれまでの不調を晴らすように左中間を越す二塁打を放ちさらに2人を生還させた。


それだけでは終わらない。さらに、水谷(営4=龍谷大平安)が選球眼を駆使し四球で塁に出ると、2死一、二塁となおもチャンスは続き、次の宮本(総4=大阪桐蔭)がライトフェンス直撃の三塁打で2点を追加。さらに後藤聖(法4=京都学園)も中前に打球を落とし、この回一挙6得点。チャンスをものにしたビッグイニングが生まれ、優勝に向けて、確実に試合を掌握していく。


大量援護をもらった細野(総4=東亜学園)。「あそこでの大量得点は本当に気持ち的に大きかった」と仲間がダイヤモンドを駆け巡る姿に目を細めた。その後は、味方の失策で1点失うも、走者を背負いながら本塁を踏ませない投球で6回まで投げ切った。


七回、細野の後を継いだ石上祐(法4=東洋大牛久)、加藤慶(営3=龍谷大平安)が三者凡退に抑える投球を見せ、チームは優勝に近づいていく。八回からマウンドに上がったのは一條(総3=常総学院)。先頭に安打を許すも後続を断ち切りこの回を無失点。試合終盤でもリリーフ陣が相手に流れを渡さず、優勝まで残りアウトカウント3つ。


九回のマウンドにも一條が上がる。拓大の応援がグラウンドを覆う中、各打者に粘られながらもベンチからの「ナイスボール、大丈夫」の声を受け、着実に三振でアウトを取っていく。最後の打者を三振に仕留め2部での戦いに終止符を打った一條は、後藤聖の方に駆け寄りグローブ越しのタッチを交わした。上尾での1年ぶりに2部の栄冠を再び手にし、選手たちは笑顔を浮かべた。


昨年の秋、届かなかった神宮へ1年ぶりの挑戦権を手に入れた東洋大の戦士たち。2部優勝は新たな戦いの始まりを意味する。「ここから先で勝つことが大事なんだ」と井上監督は言う。ここから先“一戦必勝”のスローガンのもと、勝ち続けるためには、乗り越えなければならない課題が沢山ある。完全優勝、そして1部昇格に向けて東洋大ナインはさらにレベルアップしていく。


■コメント

・井上監督

(今日の試合を振り返って)今日の拓大戦は序盤は良かったですよね。昨日よりは何かしようという意識は見えたので、僕も最後までバントを貫きました。とにかく得点圏に進めるという。ただやっぱり次の1点、8点目は欲しかったですよね。そこはまだまだ甘いかなと思います。だから僕は細野を6回まで引っ張った。本当は点差的に5回で終わっても良かったけど。(6回以降の無安打も次への課題)課題ですよね。僕は投手を中心とした守りの野球が基本だと思っているんですけど、点を取らなきゃ勝てないですから。いくら投手が0で抑えても勝てないし、打たなきゃ勝てないので。ヒットを打てではなく繋げと思っている。昨日よりはそのような意識が随所には見えたかなと思います。(リーグ戦前から細野投手にエースとして何かを背負ってほしいと言ってきた。実際、優勝までたどり着いて細野投手をどのように見ている)春先のオープン戦に比べたら成長したと思います。心境的な変化や技術的な変化もあったかもしれないですけど、最上級生になって明らかに変わった。(入れ替え戦に向けて)とにかく残りを、スローガンである一戦一戦で勝つだけなので。チームとして今週決められたのは本当にいいことで、専修戦は色々な選手を使える。負けていい試合はないし、そんな試合は相手に対してもも失礼になる。全力で挑むが、そこで負けてもそれが前向きな負けならそれでもいいんです。とにかく今やれる最善を尽くして、あと(入れ替え戦の)2勝を全力で取りに行くだけです。


・水谷主将(営4=龍谷大平安)

(入れ替え戦出場を決めたことについて)あと、一か月ちょっと、昨日も負けていて課題も見つかったので。時間はあるようでないので、一日を大事にしてより一層レベルアップしたチーム力で臨みたいと思います。(課題というのは)犠打が出来ないと苦しい試合になることが多かったですし、見えないエラーやエラーのつかないエラーもたくさんあったので、その辺を徹底してやっていかないといけないと思います。少しでもスキを見せたら、相手は1部でこちらは2部ということでその辺の格差はあると思いますし、狙われるので。その辺をしっかり意識しないと1部上がれないので、しっかり積み上げていければいいなと思います。


・橋本吏(総4=花咲徳栄)

(入れ替え戦に向けてリードオフマンとして)一番なので出塁が大事だと思っている。出れば次の打者から良い打者がたくさんいるので、打点や得点につながることができる。なので、出塁を意識していきたいと思っています。(それは昨日の試合の反省もありますか)昨日だけじゃなくて、常に意識していますしどの試合も初回からしっかりいきたいと思います。(まだまだ不十分ですか)もっともっとレベルアップして、今日のような攻撃をどの試合でもできるようにしたいと思います。


・細野(総4=東亜学園)

(今日の投球を振り返って)リーグ戦が始まったころから、徐々に状態が上がってきてるなと思いますし、もともと入れ替え戦にMAX持ってこれるような調整をしてきたので、今は予定通りかなと思います。残りの時間でさらにレベルアップして、神宮で戦えるようにしたいです。(この春成長した部分)今までに比べたら大崩れすることが無くなりましたし、取られても少ない点数で抑えられるようになったのは成長したかなって思います。今までは四球だったらどうしようって考えが多かったんですけど、起きてもないことを気にするんじゃなくて目の前のことに集中するようになってからは大分結果につながっているのかなって思います。(エースとして負け投手になることなく優勝できたことに達成感はありますか)達成感というよりは、序盤は苦しい試合があったんですけど、守備やバッティング含めて野手に助けられた試合が多かったので、一緒に戦った感じが強いです。


TEXT・PHOTO=成吉葵