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2023.06.01
サッカー

[男子サッカー]吹き荒れる"東洋旋風"!昨季王者の明大を2発完封で2位浮上

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第6節

5月27日(土) 明治大学八幡山グラウンド


東洋大2-0明大


〈得点者〉(アシスト) 

7分 徳永(清水)

45分  新井(小野田)


〈出場メンバー〉

▽GK

川上康平(国4=JFAアカデミー)


▽DF

田頭亮太(国4=東福岡)

稲村隼翔(国3=前橋育英)→81分 梅澤魅翔(国3=大宮U18)

徳永祟人(国2=前橋育英)→69分 髙橋愛翔(国2=大宮U18)

山之内佑成(国2=JFAアカデミー)


▽MF

清水祐輔(国4=柏U-18)

増田鈴太郎(国3=東海大相模)→72分 村上力己 (国2=尚志) 

本間洋平(国4=札幌U-18)

新井悠太(国3=前橋育英)→81分 中山昂大  (国3=大宮U18)


▽FW

小野田龍剛(国4=常葉大橘)

石井宏育(国4=横浜FM・Y)→63分 高橋輝 (国1=大宮U18)


新井は甲府内定の明大DF・井上樹(4年)にも果敢に勝負を仕掛け1G

砂塵が舞うほどのシュートを放つ増田


関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第6節の相手は、明治大。前節の東国大戦の勝利で勢いに乗っている東洋大は、3試合連続のクリーンシートを達成し昨年度リーグ戦王者の明治大を2-0で完封。"東洋旋風"の始まりを感じさせる試合であった。


今節の会場は明治大学八幡平グラウンド。アウェーゲームではあるが東洋大は前節からの2週間、明大の分析を怠らず準備を進めてきた。格上との対戦に緊張が走る中、キックオフ。明大ボールで始まった今節は序盤から攻守の切り替えが速く、互いに譲らない展開を見せる。試合が動いたのは前半7分、東洋大がコーナーキックを獲得。ショートコーナーから清水がファーサイドにいい形でクロスをあげるとそこに反応した徳永がヘディングで冷静に決め先制に成功する。徳永は得点シーンを「良いボールが来たんで、後は決めるだけでした。めっちゃうれしいです。」と振り返る。東洋大リードで試合は流れ34分、明大がセットプレーからゴールを狙うもののGK川上が冷静に対処。守備の面でも最終ラインが弾いたボールを中盤で回収する場面が多くみられ安定したプレーを見せる。東洋大は追加点がほしい前半終了間際、新井が小野田からペナルティエリア内左でスルーパスを受けると、正体した明大DFをかわし、左足一閃。ボールは相手GKの腕をすり抜け、2点目を奪取した。明大からしたら一番ダメージの大きい時間に得点を加え、前半終了。


2点を追う明大は後半、果敢に攻めていく展開に。しかし、立ち塞がるのはリーグ戦最小失点タイの東洋大自慢の守備陣。冷静に一つ一つ対処していく。そんななか、77分に明大U-22日本代表FW佐藤恵允(4年)にフリーの状態からシュートを放たれ、GK川上も防ぎきれず、ゴールかと思われた危ない場面で稲村がボールを滑り込みながら弾き出し、スーパーブロック。川上が「隼翔には感謝」と振り返る好守を披露し、そのまま2点差を死守。今節も東洋大の勝利で幕を閉じた。


 開幕から6試合が経過して、東洋大は勢いに乗ってきている。昨年度リーグ戦王者の明治大を無失点で抑えたことは彼らの自信に大いにつながっただろう。川上は「全員で守るという意識が強いからこそ3試合連続クリーンシートという結果につながっているのでは無いかな」とチームの団結力の強さを再確認した。現在2位につける東洋大は、次節リーグ首位を走る筑波大との対戦。川上は続けて「相手も首位ですし自分たちは追いかける立場なので。今3試合連続無失点の記録を続けていけてる中で、多分相手も守備が堅いチームだからこそ、という考えもあると思う。だからこそ勢いに負けず、無失点、もしくはチームが勝てる点差で守っていきたい。」と、落ち着きながらも闘志を感じるコメントを残している。首位かつ、リーグ戦トップの22得点を記録している筑波大相手には守備陣の活躍が必勝条件だ。「最強の矛対最強の盾」、リーグ戦は7戦目にして早くも天王山を迎えようとしている。


■コメント

・井上監督

ずっとリーグ戦で明治に勝てていなかったので、ようやく勝てたことは非常に良かったなと思う。今日はポジティブな面が多かった。前半の得点の場面もセットプレーが今日の一つのキーで、その流れから取ることができた。後は(得点の)時間帯も前半の終了間際にいい形で取ることができて、試合を進めることができたのかなと。ハーフタイムにも選手にはポイントを話しましたが、そのポイントをほぼできたので、前半は非常に良かった。その分後半は相手が変わった戦い方をとってきた中で、どのように試合を締めようかというところでしたが、最後までよく戦えたと思います。特に交代で入った選手たちが、それぞれのポジションで非常にいいタスクを担ってくれて、失点0で試合を終えられた。その中で足をつって交代する選手が多く出たところはチームとしての課題で残るし、対策を考えていきたい。(国士、東国大戦の際に、先制後の2点目を取るタイミングがポイント、とおっしゃられていましたが、今節はタイミングも良かったのでは)欲を言えば先制点を取った直後に畳み込めればもっと迫力は出るとは思う。だけど、1ー0じゃなくて前半の終了間際に取られるのは、逆の立場から考えると0ー1で折り返すのと0ー2で折り返すのでは心理的なところもかなり違うかなと。そう言うところではいいタイミングで点が取れたと思う。(新井選手の得点は明大側にも心理的なダメージが大きかったか)そうですね。(ハーフタイムにポイントを挙げたとおっしゃいましたが、どのような指示をしましたか)前半にはFWのコミュニケーションだったり、最終ラインが弾いたボールを中盤がしっかり回収できていた中で、途中相手が形を変化させたりしたが混乱することなく対処できていたし、おそらくそれが元に戻ったり人が代わって、より前方向に圧力が来るだろうという話をした中で、同じような戦い方でいくかそのままで行くか、というすり合わせをした。(結果変化はさせましたか)基本的には大きく変化はさせなかった。(これまでの強豪相手の試合だと、先制後にひっくり返される試合が多かったが、無失点で終えられたことはかなりポジティブではないか)そうですね、ポジティブに捉えています。(次節の筑波大もかなり攻撃力のある相手)そうなんですよ。おっしゃる通りです。(相手には現在得点王の内野(航太郎)選手もいる。しかし、今節明大の佐藤(恵允)選手に仕事をさせなかったことは守備陣の自信になるのでは)そうですね。なかなか内容的にいいゲームをしても終わったら明大が勝っているゲームが最近続いていた。しかし、全然相手にならないところから、良くはなって来ていると思う。リーグ戦前の天皇杯の予選でも点が取れずにPK戦で負けた形だった。それを経験した中で、自分たちがいかに点を取るかを体現してくれた。(次節筑波大戦に向けて)先程おっしゃったように非常に得点力があるチームなので。今一番リーグで強いのではという印象もある。なのでどう戦いますかね、、、(笑)。アイデアをいただきながら一週間戦いたいと思います。

・川上康平(国4=JFAアカデミー)

明大は自分たちより格上の相手として意識している。2週間準備の時間があったので、明大の特徴を分析して自分たちのやりたいことができて、かつ2ー0というスコアで終われて良かった。(ここまで3試合連続クリーンシート。守備時に意識していることは)自分のところでは普通にシュートを止める、来たボールに対して反応するというところなんですけど。無失点が続いていると言うのは、自分以外のところでDFラインがしっかり90分通して守れているのが無失点の要因ではないかなと。(でも、今日来た2本のシュートはかなり止めるのが難しそうなシュートでしたよね)特に前半のシュートは自分でも得意としているゾーンだったので、いつも通り冷静に反応することを意識していた。そしたらシュートが取れる範囲に来たのは良かった。後半に1本自分が取れなかったので、稲村(隼翔)がカバーしてくれた。良いプレーだったのでは無いかなと思う。隼翔には感謝ですけれども、より気を引き締めてやっていかないといけない。(自分が届かない位置でもカバーしてくれるDFがいるのはかなり安心ではないか)自分も何回か、今年も去年も救われている。全員で守るという意識が強いからこそ3試合連続クリーンシートという結果につながっているのでは無いかなと。(デンソーの時はあまりコーチングはしないタイプと言っていたが、今日は多くのコーチングを見せていた。リーグ戦が始まってからコーチングの部分は意識していたか)デンソーの時は自分がコーチングしないという考えで言ったわけでは無かったが、キーパーからの声は味方の活力になると思っているので、戦術的なところもそうですけど、気持ちの部分で自分ができる声掛けもあるのではないかと思う。一番楽なのはキーパーだと思うし、そこで味方に声を掛けてあげられるのは自分しか居ないかなと。そこは意識している部分でもある。(自分にしかできない仕事をしっかり行うと)そうですね。(次節は筑波大が相手。彼らはかなり攻撃力の高いチームですが、守備陣の踏ん張りが重要になってくる)相手も首位ですし自分たちは追いかける立場なので。今3試合連続無失点の記録を続けていけてる中で、多分相手も守備が堅いチームだからこそ、という考えもあると思う。だからこそ勢いに負けず、無失点、もしくはチームが勝てる点差で守っていきたい。

・徳永祟人(国2=前橋育英)

前半の早い段階で得点をとることが出来て、そこからは、ボールを大事につなぎながら自分たちのペースで試合を進めることが出来ました。後半は、明大に押し込まれるシーンが多かったもののチーム全員で守りきることができ、良かったと思います。(得点シーンを振り返って)良いボールが来たんで、後は決めるだけでした。めっちゃうれしいです。(今日の試合明大の佐藤に激しくマークを付けていたが、佐藤のマークはチームの共通認識か)彼は世代別代表で、ずば抜けて実力がある選手だと言うことを聞いていたので、自由にプレーさせないようにという意識はありました。(次節に向けて)首位である筑波大ですが、自分たちらしいサッカーをし連勝して首位に立てるように頑張ります。


[次節試合予定] 

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第7節

6月3日(土) vs筑波大 非公開 14:00キックオフ

※関東大学サッカー連盟公式Youtubeチャンネルにてライブ配信が予定されています。 


TEXT=米澤楓香 PHOTO=髙橋生沙矢、近藤結希