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2023.06.24
硬式野球

[硬式野球] エース細野の力投と主将水谷の一発で昇格に王手!「気持ちで勝つ」

東都大学野球 春季1部2部入替戦・駒大1回戦

6月23日(金) 神宮球場 

駒大1-6東洋大○


駒大
東洋大


二塁打:宮下(八回)

本塁打:水谷(八回)


〇細野ー後藤


・打者成績

打順守備名前
(中)橋本(総4=花咲徳栄) 
(遊)石上泰(営4=徳島商業) 
(二)宮下(総2=北海) 
(右)水谷(営4=龍谷大平安) 
(左)宮本(総4=大阪桐蔭) 

山田(総1=木更津総合) 

秋元(済2=木更津総合)
(三)加藤響(総3=東海大相模) 
(指)花田(総2=大阪桐蔭) 
(一)山地(営3=天理)

池田(営2=三重)

吉田(営2=龍谷大平安) 
(捕)後藤(法4=京都学園) 


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総4=東亜学園)185


本塁打を放った水谷を笑顔で迎える東洋大ベンチ


試合を決定づける本塁打を放った水谷


185球を投げ切り完投勝利をおさめた細野


宮下がバットで打線を引っ張った


熱い応援がチームをさらに勢いづけた


ついにやってきた決戦の時。再び聖地神宮に帰ってきた東洋大、運命の入替戦が始まった。


  先発のマウンドを託されたのは「細野しかいない」と、監督が強い信頼を寄せる、絶対的エース細野(総4=東亜学園)。初回から出塁を許すも、落ち着いた投球を見せ攻撃の隙を与えない。


  嫌な流れが漂ったのは三回。四球と味方の失策で走者を背負い1死満塁のピンチを迎える。内野ゴロの間に相手に先制を許すも、この回を最小失点で切り抜け、味方の反撃に望みを繋ぐ。


  細野の粘りの投球に応えたい打線は四回、石上泰(営4=徳島商業)が四球で出塁すると、続く宮下(総2=北海)、水谷(営4=龍谷大平安)の連続安打で1死満塁の好機をつくる。続く宮本(総4=大阪桐蔭)の場面で相手投手がまさかの暴投。思わぬ形で同点に追いつくと、その後の加藤響(総3=東海大相模)の内野ゴロの間に三塁走者が生還し、この回一気に逆転。流れを引き寄せた。


  逆転に成功したものの、その点差はわずか1点。「これ以上点はやれなかったので、結構力入れて投げました」と細野は、試合後半になっても150キロを超える速球を連投し、相手打線を封じ込める。


  得点板に0が並んでいく重い空気の中、力投を続けるエースを援護し、勝利を手繰り寄せたい野手陣は八回。2死一二塁の好機を迎え、3番宮下の左適時二塁打で1得点。なおも続くチャンスで打席には四番主将の水谷。放った打球はレフトスタンドへの本塁打に。水谷は右の拳を力強く掲げ喜びの表情を浮かべ、満面の笑みを浮かべながら本塁へ。帰ってきた頼もしい主将をベンチ全員で取り囲んだ。今季、「チームのため」を第一に考えてきた主将の貫禄ある一発で試合を決定付けた。


  心強い味方からの追加得点をもらった細野は、仲間からの声援を背に受け、九回もマウンドに上がり無失点で抑え、試合終了。「抑えてあたりまえの点差だと思った」と、ほっとした様子だった。「明日も難しい試合展開になると思うんですけど、皆んなならやってくれる信じて見ています。」とここまで共に戦ってきた仲間に185球の力投を見せたエースは思いを託した。


  「1部昇格」のためにここまで『執念』で戦い抜いてきた東洋ナイン。悲願の目標達成まで、必要なのはあと一勝。「気持ちで勝つ」この思いを胸に、聖地神宮で東洋大戦士たちの最高の笑顔を見届けたい。


■コメント

・井上監督

(細野の最後までの登板について)当然です、うちのエースなので。勝ってる間は変えるつもりはなかったですね。(だいぶ球数いってましたが)やっぱりフォアボールが多かったですけど、粘ってくれたのでこういう結果になったと思いますよ。(試合中にかけてた言葉は)とにかく頑張れしか言えないですよ。あとは、先頭打者をきっちりとるっていうことを。先頭とったらなんとかなるので。(リーグ戦後、間が空いたが今日のピッチングは)もう細野しかいないんで。信頼してますから。(八回の4得点は)良い攻撃がもっと序盤でできればね、もっと細野もストレス感じずに投げれたと思うんですけど。でも中盤は野手も本当によく粘った、守備に関しては。最後点取れたことは良かったと思います。春のリーグ戦のああいう勝ち方が生きてきているかなというのは思いました。(入替戦に向けて準備は)いや、特に入替戦だからって特別なことをしたって言うのはありません。実際は学校行かさなきゃいけないので。ずっと5時半からと9時からに分けてやって、特別なにかやったって言うのは。(宮下:ないです。)リーグ戦終わってから少し走る期間は作ったけど。(今日の打線については)欲を言ったらキリがないんですけど、一応試合も3点勝負くらいかなって思っていたので、そんなね入替戦で打てるわけもないので。最後のミーティングでも皆んなには言ったんですけど内容なんかどうてもいいって、反省もするな、とにかく明日一勝するんだ。勝ちゃいいんだ、この短期決戦は。とくにかく内容は今は考えずに。気持ちで勝つと、そこだけは負けるなと。(試合後細野には)今日の夜、明日の朝は全部お前に任せるからとにかく疲れをとってくれと、話しました。


・細野(総4=東亜学園)

(今日の投球内容を振り返って)短期決戦なので、結果が全てなので内容はどうあれ1点で抑えられたっていうのは良かったです。(六回のフォアボール出したあと、三振の150キロについては)これ以上点はやれなかったので、結構力入れて投げました。(今日の試合で自分でベストだと思ったのは)あの1点取られた時にどっちも内野ゴロだったんですけど、取られ方は良かったんじゃないかなって思います。ヒットじゃなかったので。(最後の一打を許さなかった要因は)皆んな声かけてくれたんで、思いきって投げれました。(球のはしりは)普通くらいでしたね。意外と低め捨ててきてるなって言う感じがしたので、途中から高めの変化球って感じで取って。結構気づくの遅れたんですけど、途中からはポンポンいけたと思います。(八回の4得点は)やっぱ、あたりまえですね。それくらいやってもらわないとです。(笑)(1点差については)一発だけ怖かったんですけど、リーグ戦からこういう試合展開は結構あったので、いつもと同じ感じで投げられました。(試合終了時は)点数もらってたんで、抑えて嬉しいってよりは抑えてあたりまえの点差だと思ったので、ほっとしました。(球数がだいぶ多かったが最終回の登板については)お前でいくからってことをずっと言われていたので、勝ってる間は僕が行くって言われてたんで。最初からいくつもりでした。(去年の入替戦では途中で降板したが)あの時はあの時で、僕の中では最善の選択をしたつもりだったんですけど、終わってみて振り返ったら後悔が残ったので、今年は全部投げてやろうという気持ちで戦いました。(終盤、攻撃の場面で何度かブルペンに行っていたが)ブルペン結構わいわいしてるんで、リラックスするというか。乾さんがいるんで、どういう風に投げたらいいですかって、アドバイスもらって投げたかったので行っていました。(明日は仲間に託すことになると思うが)明日も難しい試合展開になると思うんですけど、皆んなならやってくれると、それを信じて見ています。。


・宮下(総2=北海)

(得点の場面では)花田(総2=大阪桐蔭)からスライダーの曲がり方だったりの情報をずっと聞いていたんで、スライダーだけ待って思いきっていってやろうと思いました。1点差が怖かったので、なんとか追加点取れるように。打てたのでよかったです。(明日については)明日は先攻なので、初回から先制点を取れるように気合入れてやっていきたいです。


TEXT=一ノ瀬志織・PHOTO=一ノ瀬志織、北川未藍