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2023.06.27
陸上競技

[陸上競技] 男鹿駅伝優勝逃すも、大きな収穫!!

7区間64.7㌔  全国男鹿駅伝対校競走大会

1区 奥山 39'14 区間3位 13.4km

2区 西村 37'26 区間2位 11.8km

3区 薄根 22'55 区間5位 7.5km

4区 松山 13'05 区間2位 3.8km

5区 藤本 23'59 区間4位 8.2km

6区 十文字 29'56 区間2位 9.9km

7区 岸本 30'03 区間2位 10.1km


総合2位  東洋大学 3'16"41


1区スタート前の奥山

3区薄根から4区松山へのタスキリレー

4区を走り出す松山

フィニッシュテープを切る岸本

表彰を受ける出走メンバー



 7区間64.7㌔で行われる全国男鹿駅伝対校競走大会が24日秋田県男鹿市で開催された。3連覇を目指した東洋大は常に上位でタスキを運ぶ安定感を誇り、従来の大会記録を更新。各選手が素晴らしい走りを見せたが、青学大に一歩及ばず準優勝で幕を閉じた。


 1区を任されたのは奥山(総4=浦和実業)。3㌔過ぎから10㌔ほど集団を引っ張る積極性を見せ「今までとは異なり、終始引っ張ることができたので自信となった」と振り返る。しかし、「引っ張るということで前からの風に体力を消耗した」とも語り、先頭を走る難しさを知った。ラスト1㌔からの戦いで持ち味のラストスパートを発揮することができず3位でタスキ渡しとなった。2区は今年の箱根駅伝で6区を走った西村(総2=自由ヶ丘)。前半に先頭まで追い付き4人の集団でレースを進めた。しかし登りに差し掛かり、箱根5区の経験もある青学大の若林の抜け出しを許す。ラストの上りと下りで絞り出し、3人の中で、先頭となる2位でタスキをつないだ。3区は1年の薄根(総1=学法石川)。「ハイペースで走っていた中大の浦田選手に下りで離されてしまい、焦りが生じてしまった」と下りの走り方を課題にあげ、3位でタスキを渡した。4区は復帰戦となったエース松山(総4=学法石川)。前とはかなり離れており、自分でペースを刻むことが求められた。「後半に体が動くようになった」と中大との差を40秒ほど縮めることに成功。本人は「エースとして追いつけるような走りをしないといけなかった」と反省点をあげたが、約5か月ぶりとなるレースで存在感を示した。5区は1年の藤本(理工1=秋田工業)。「レース後半に攻める走りではなく耐える走りになってしまった」と前との差を詰めることができなかった悔しさを語った。区間4位だが区間1位まで15秒差と健闘しタスキリレー。大学入学後、初駅伝となった6区十文字(法4=専大北上)。中間点までに前を走る中大に追いつきハイペースでレースを進める。区間賞は逃したものの従来の区間記録を更新し、2位に浮上した。最終7区には岸本(総2=高知農業)が出走。「去年の東洋大のアンカー吉田選手の区間記録を抜かしたいと思っていた」と1㌔3分を切るペースで前を追う。30秒ほど差を縮めるが、青学大の背中は遠く、2位でゴール。岸本自身は目標としていた吉田の区間記録を超す好記録を出した。


 今回の男鹿駅伝では区間賞こそなかったものの区間上位で全区間走りきり準優勝。期待の有望株や故障からの復帰をはかる選手が多く走る男鹿駅伝。その中、全区間上位で走ったことは大きな収穫となるはずだ。各選手が「夏合宿で力をつける」と語っているようにたくさんの伸びしろが残っている。今後、夏合宿を終え一皮むけた選手たちの三大駅伝やトラック種目での活躍に期待だ。


■選手コメント

・奥山輝(総4=浦和実業)

(レースを振り返って)3㌔すぎから先頭に出て、残り1㌔までは前で引っ張れていた。理想としては最後しっかり離してタスキを渡したかったが、最後が上がりきらず、そこで落としてしまったのは課題だと思った。(先頭で走るのは後ろから追うよりも体力の消耗は激しかったか)そうですね。大分、引っ張っているので前からの風がダイレクトで来たりでかなり体力を使ってしまいました。(ずっと先頭で引っ張れたのはかなり自信になるのでは)今まで後ろに付くレースばっかりだったのが、今回は終始引っ張ることができたので、自信になりました。(三大駅伝の前哨戦ともなった今大会ですが、三大駅伝につながる課題は見つかりましたか)チーム全体見ても区間賞が一人も出ずに、最後勝ちきれない部分があったので、そこはまだこれから三大駅伝へは課題かなと思いました。でも、全体としては安定感があり、2番でまとめられてはいるので、良いところは継続、課題は修正して、優勝争いをできるようにしたい。(逆に区間賞無くても2位はかなり良い結果では)他の大学、中大さんとかも区間賞はありましたが、しっかり前でゴールできているので、全員の安定感というのはあったと思います。(次回のホクレンディスタンスへの意気込みは)まだ、今年に入って5000mでのトラックでの自己ベストが出せていないので、次の試合でしっかり自己ベストを出して勢いを付けていきたい。


・西村真周(総2=自由ヶ丘)

(レースを振り返って)前半で青学の選手に追いついてコモディイイダの留学生や中大と一緒に行く感じになった。上りになって青学の選手が抜け出したところで、後ろの3人、コモディイイダの留学生と中大と自分で牽制するような形で行ってしまった。そこは3人でいるならもっとまとまって上がっていければよかったと感じた。上り切った後の下りで、最初入ることができずに、離されてしまったのが今回悪かった点。ラストは上りと下りで追いついて、抜かすことができたが、まだまだ課題の残る試合だったと思う。(今回のレースはかなり暑い中での戦いだった)給水の準備や事前の準備ができていたので、ある程度心に余裕を持って走れました。(コモディイイダのチームの方と並走する形になったが、一般企業のチームの方と走るのはあまり無い体験か)そうですね。一般企業の選手と走るのはあまり無い体験でしたが、そこはいつもと変わらずに走れたかなと思います。今まで駅伝はほとんど単独走で。今回途中で入れ替わったりとか離されて最後追いついたりとか、競り合う展開だし、コースも起伏が激しくて良い経験になったなと思います。(競った展開に対して)今回ラストで結構絞り出せたのも、途中粘れたのも良い経験になった。そこの辺りは今日の駅伝が生きてくるのかなと思う。(三大駅伝に向けて)今年のチームにはまだエースと呼ばれる選手がいない思っている。自分がこれから夏合宿を越して力を付けて、自分が区間賞を取って、上位争いができるようなチームに自分がするんだという思いでやっていきたい。


・薄根大河(総1=学法石川)

(レースを振り返って)1㌔目の上りを落ち着いて入れたが、その後の下りから前の浦田選手がかなり速いペースで走っていたので、できるだけ離されないようにしたが、離されてしまった。そこで焦りが生じたが、上りでは追いつけたので、下りが弱いなと感じた。去年の西村さんの箱根の6区を走った動画などを見返したが、それでもまだ下りの走り方は上手くできていなかったと思う。そのまま足を引きずってしまって、ラストの平坦に入った時でも上手く体を動かせずに松山さんにタスキ渡しした感じになってしまった。反省というか、下りへの課題が多く出た駅伝かなと。(上り、下り、平坦と3つの区間があったが、一番走りやすかったのは)上りが思ったよりも自分の中で感覚が良くて、ピッチで登っていくという感じだった。浦田さんが下りで抜け出してからも、上りでは思ったよりも離されずに自分のペースで走れたので、上りの強さを自分の中で見出せた駅伝だったかなと思います。(浦田選手に付いていけたことは自信になったか)中大の中でエース級の選手なので、そのような選手と一緒に走れたことと、1キロ目は先行してたので、そこの前で走れたことは自信につながりますし、今後の駅伝でも、今どの場所にいるのかということを知れた体験かなと思いました。(西村選手の動画を見直したとおっしゃっていましたが、フォームなどで勉強になったところは)下りの走り方というか、下りへの突っ込み方は勉強になりました。自分とは違って平坦でも最後までペースを落ちきらせずに走れていた。そこのラストの切り替えの面でも自分はまだまだ弱かったので、勉強になりました。(三大駅伝に向けて)今の力ではまだメンバーは厳しい。夏合宿を越えてのメンバー入り、そして出走すること。最後は箱根でしっかり走れる選手になれたら良いなと思います。


・松山和希(総4=学法石川)

(レースを振り返って)前が少し離れていた状況だったが、アップダウンは得意なので前を詰めて、チームに勢いつけるをエースらしい走りを目指して走りました。久しぶりの登りだったこともあり力みすぎてしまって、中盤まであまり伸びず、上手く走れていないと感じていた。後半になると上手く体が動くようになってきて前との差を40秒近く縮められたことは収穫になった。ただ、本来であれば追いつけるような走りをしなければいけなかったと思います。(久しぶりに上りを走ってみて)箱根の2区とは異なり、上り一辺倒だったのでとてもきつかったです。(後半のペースをあげれたことは次に繋がるか)箱根の2区のラストも上りで追い込むのは同じだと思うのでそこに繋がるような走りを意識して走ることができたので、多少自信に繋がると思います。(三大駅伝に向けて)昨年はチームの力になれなかったので、今年は最低限エースとして出走して区間賞を取り、チームの優勝に貢献できるような走りをしたい。


・藤本駿世(理工1=秋田工業)

(レースを振り返って)自分は今回が初めての大学での駅伝で、1年生でこういう場で走らせていただくことができたのは本当にうれしかった。今回の走りとしては、前に中大さんがいて、それを追いかけるという形だったのですが、松山さんが20秒差ほどで持ってきてくれたタスキを、中大さんとの差を広げる形で渡してしまった。後半で攻める走りではなく、耐える走りになってしまったのが、反省点です。自分の力で考えても粘らなければいけないところで詰めることができなかったのは、悔しい。それでも最低限のところでまとめることはできたが、やっぱりまだ一つ足りないところかなと思いました。(東洋大に入って、初の駅伝、純粋に楽しさは感じたか)スタートする前はチームの代表として選ばれたからにはしっかり走って、行きたいなとは思っていた。正直なところは、楽しさよりも緊張の方が大きかったかなと思います。(緊張が走りに与える影響はありますか)悪い緊張をしてしまうと、走った直後にも力んでしまって、体が動かなくなってしまったりがあるんですけど、そこを良い緊張感で走れるとそこが好走につながることがあるのかなと思います。(今回のレースを経験することでかなり1年生の中でもアドバンテージになりましたが、今後につなげたい点は見つかりましたか)こうして他大の人たちと駅伝を通じて走り合うことは普通のレースではできない経験だと思うので、この経験を生かして、チーム内での練習の中でもチームメイトと競ってチーム全体として強くなりたい。そして自分も強くなってチームに貢献していきたいと思う。(三大駅伝に向けて)東洋大学は三大駅伝の優勝を目標にしている。自分はその目標に向けて夏合宿を通じて力を付けて貢献していきたい。


・十文字優一(法4=専大北上)

どのような気持ちでレースに望んだか)駅伝が初めてだったので今後に繋がる経験ができると思っていた。3位でタスキを受け取ったので、前にいる青学大と中大との差を詰めるという気持ちで走り始めた。(良かった点、悪かった点は)崩れることなくタスキを繋げたことが良かった点。そして、自分を含め駅伝経験がない選手がしっかりと走れたことは今後に繋がると思う。悪かった点は、勝ちきれなかった所。そして2連覇を達成できなかった点。(今大会の悔しさは来年の男鹿駅伝へのモチベーションとなるか)三大駅伝と比べると規模は小さいが、東洋大の代表として走っているので、責任はあると感じる。そして今後に間違いなく繋がると思う。(三大駅伝に向けて)まだ三大駅伝の出走経験がないので、夏合宿で自力をつけて他大学と戦える力をつけていきたいです。


・岸本遼太郎(総2=高知農業)

(試合を振り返って)タスキを受け取った時点で前の青学大が見えなかったが、少しでも前との差を詰めて、後ろに追いつかれないように走ろうと考えて走っていた。アップダウンが多く、上手く切りかえながらいかないと後半まで持たないコースだと思っていたので監督からの指示を守ることを意識して走りを進めた。中盤以降、後ろとの差が開いていたのであとは前をどれだけ詰められるか勝負だと思って最後まで必死に走った。(今回のレースプランは)去年のアンカーの吉田選手が1㌔3分を切る位のペースで区間新記録を出されていたのでその記録を超えたいと思っていた。序盤少し突っ込んで入ったが、後半いかに粘れるかということを考えて走った。(三大駅伝に向けて)大学に入って初駅伝で、やはり駅伝は楽しいと感じた。だが、勝てないと悔しいので勝てる力をつけたい。男鹿駅伝から三大駅伝に繋げていった先輩方も沢山いるので自分も夏合宿で更に力をつけて三大駅伝ではチームに貢献できるような選手になりたい。そして、三大駅伝で優勝したい。




TEXT=坂庭遥人

PHOTO=近藤結希、北川未藍、高橋生沙矢

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