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第92回日本学生陸上競技対校選手権大会
9月14日〜9月17日
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
4日目
男子200m準決勝
3組2着+2
1組(-0.0)
8着 舘野峻輝 21''41
2組(+0.7)
7着 服部冴汰郎 21''20
3組(-0.0)
3着 鈴木碧斗 20''99 決勝進出
男子400mH決勝
1位 小川大輝 48''91 ?
男子200m決勝(-0.5)
3位 鈴木碧斗 20''85 ?
男子4×400mR決勝
1位 小川大輝
鈴木碧斗
臼木隼哉
中島佑気ジョセフ 3'04''08 ? 大会記録更新
大会記録で優勝したマイルメンバー
決勝を走る小川
200㍍で3位に入った鈴木
優勝を喜ぶマイルメンバー
※掲載が遅れまして、大変申し訳ございません。
天皇賜盃第92回日本学生陸上競技対校選手権大会(以下、全カレ)が9月14日〜17日にかけて熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開催された。
男子400㍍Hに東洋大からは柴崎(法4=米沢中央)、栁田聖(法1=東農大二)、小川(ラ2=豊橋南)の3名が出場。柴崎、栁田聖は予選で惜しくも敗退となった。最終日に行われた決勝に勝ち進んだ小川大輝は48秒91をマークし自己ベスト・学生歴代8位のタイムで慶大の豊田兼と同着優勝を果たした。
予選、準決勝では「70点ぐらい」の走りだったと小川は振り返る。「ハードルの前で減速してしまったり、ハードルの上を飛びすぎてタイムロスが多かった」と反省点を上げた一方、準決勝で49秒51と自己ベストを更新し「決勝で修正を加えれば優勝できる」と自信をつけた。
そこで迎えた決勝では、ギアをあげるタイミングを8台目から7台目に修正した。その修正が上手くはまり後半の追い上げで前を走る選手たちを次々に抜かしていく。そして最後のハードルからゴールまでの直線でトップの豊田に追いつくとそのままゴール。1000分の1秒までタイムが揃う同着優勝を飾った。また決勝では48秒台をたたきだし、「完璧なレースができた」と喜びを語った。
今大会で、自己ベストを大幅更新した小川。目標としていた48秒台を出し喜びの表情を浮かべたが、その後行われたマイルリレーの走りに関して「チームに良い流れを持って来れなかった。マイルまでしっかり走れる体力と精神力を身につけたい。」と満足はしていない。目指すはパリオリンピック。日本の誇るランナーが世界に駆ける。
最終日、大会の最後を飾ったのは男子4×400㍍R決勝。世界陸上にも出場した中島佑気ジョセフ(総4=城西大城西)を擁する東洋大は余裕をもって予選を通過すると、決勝でアンカー対決を制し、見事大会新記録で優勝した。
最終日、日本インカレ最終種目は男子4×400㍍R決勝。前評判は高く、期待のかかる中、4人のランナーが登場した。東洋大を背負うのは、今大会400㍍H優勝者の小川、200m3位の鈴木(法4=大宮北)、関カレの400㍍で準決勝進出者の臼木(総3=城西大城西)、そして世界陸上日本代表の中島の4選手。盤石の布陣で学生記録の更新を目指し、自信をもってスタートラインに立った。
号砲とともに勢いよく飛び出したのは1走の小川。同日に行われた400㍍H決勝を走り終えたばかりのハードスケジュールであったが、攻めの走りで上位にくらいつき、バトンパス。2走の鈴木はオープンになると3位の城西大を抜き、ぐんぐんと前との差を縮める。そのまま2位に追いつくと、並ぶようにして3走へ。バトンをもらった臼木は、ラスト150㍍で仕掛け、2位へ浮上。最後を託されたのは中島。バトンミスがあり4位へ後退したものの、すぐに取り返し、2位に位置付けると筑波大との一騎打ちに。ラスト100㍍の直線で勝負をかけると、一気に抜き去り、1位に躍り出てゴール。主将がチームを優勝へ導き、見事大会新記録で逆転優勝を果たした。
しかし、ゴール直後の4人に笑顔はなかった。目指したのは学生記録の更新。自信のあるベストメンバーだっただけに悔しさがあったという。それでも他大を抑え、仲間と勝ち取った1位。表彰台の頂上に立った彼らの表情は晴れやかだった。激闘が繰り広げられた今大会。最後に東洋大の名を残し、4日間の戦いは幕を閉じた。
■選手コメント
•鈴木碧斗選手
(大会前の調子は)2週間前くらいまでアキレス腱の痛みが気になっていて少し練習を積みきれなかった部分はありますが、1週間前からは上手く調整出来ました。当日も調子は良かったので万全の状態では迎えられたと思います。(200㍍の予選、準決勝の走りは)予選は力の入れ所だけ確認して組み立てました。準決勝では100のカーブ明けの所で上手く乗せきれず後半苦しい勝負になってしまいました。もう少し自分の走りができたかなと思います。(準決勝から決勝にかけて改善した点などはありましたか)やはりコーナーの出口付近のところで加速を活かして乗り切るという部分ですね。(決勝の走りを振り返って)準決勝に比べて改善はできたもののまだ足りなかったかなという印象です。最後もたないのを恐れてセーブしてる感じが自分の中では残っていたのでそこが悔しい点です。(200㍍3位という結果について)狙っていたのは優勝だけだったので正直あんまり喜べませんでした。その後マイルも控えていたので切り替えるつもりではいましたがそれでも悔しかったです。表彰台に乗れた。ただそれだけだったなと思います。(マイルリレーの走りを振り返って)200㍍2本走った後だったので体力が持つか心配だったのですがそこそこの走りはできたかなと思います。バックストレートでの位置取りに迷いが出て閉まった部分があったのでそこだけ改善点かなと思います。(マイルリレー大会記録での優勝という結果について)私達が狙っていたのは学生記録でしたので、その目標を達成することが出来なかったことが悔しいです。しかし、多少のミスがありながらも勝ちきれたのは良かったと思います。(2年ぶりの出場となった日本インカレはどうでしたか)会場の盛り上がりであったり独特の緊張感の中とても楽しく試合をすることが出来ました。結果に納得いかない部分はありますが、4年生最後の締めくくりとして悔いなく終われました。
•小川大輝選手
(大会前の調子は)大会前までの練習ではインターバル間のタイムが遅かったり、疲労が抜けなかったりして1番いい状態とは言えなかったですが、予選、準決勝とレースをするごとに調子を上げることができました。(予選、準決勝での走りは)レース内容は両方とも70点ぐらいです。ハードルの前で減速してしまったり、ハードルの上を飛びすぎてタイムロスが多かったです。準決勝の走りで自己ベストが出せたので決勝で修正できれば優勝できると少しは思ってました。(決勝を迎えるにあたって準決勝から変更した部分はありましたか)予選、準決勝では1台目のハードルが上に浮いてしまっていたのでそこを修正したのと、いつもは8台目くらいからギアを上げるのですが、今回は7台目の手前からギアを上げました。(決勝のレースを振り返っていかがでしたか)準決勝でダメだったところを全てうまく修正でき、ラストもしっかり走り切ることができて完璧なレースができたと思います。前半もそれほど遅れることはなく行けたのでそこが良かったと思います。(初の48秒台、優勝という結果について)日本インカレで49秒前半で優勝という目標は掲げてはいましたが前日の調子から厳しいかなと正直思ってました。しかし、48秒台で優勝することができてうれしかったです。また、パリオリンピックに一気に近づいた感じがしたのでこの調子で標準記録を破れるように頑張りたいです。(マイルリレーの走りを振り返って)マイルリレーでは400㍍Hの決勝からすぐだったので不安はありました。ラスト粘りのある走りが持ち味なのですが、今回それを発揮することができなくてチームに良い流れを持って来れなかったことが反省点です。マイルまでしっかり走れる体力と精神力を身につけたいと改めて思いました。(大会記録での優勝という結果について)3分2秒台で学生記録を大幅に更新して優勝するというのが目標だったのでゴール後はあまり喜ぶことができなかったです。しかし後から考えたらこの記録も悪くなくて大会記録で走れたことは誇らしいと思いました。(今後の目標は)最大の目標はパリオリンピック出場です。世界ランキングでの出場じゃなくて標準記録を突破して出場したいです。
•臼木隼哉選手
(レースを振り返って)今回の大会では、4×100㍍リレー、4×400㍍Rの両リレーでの優勝と学生記録の更新を目標に走り、リレーの二冠は達成できたものの学生記録の更新は出来なかったのでレースとしては悔しさの残るレースとなりましが高校からの先輩・後輩であるジョセフさんと昨年の関東インカレぶりに直接バトンを繋いで優勝出来たことは本当に嬉しかったです。(予選からの結果でレースプランの変更などはありましたか)レース前には監督にどこで仕掛けるか自分で決めろいけと言われ、予選、決勝共にラスト150㍍から仕掛けるというレースプランで走りました。その結果予選ではいい位置でアンカーのジョセフさんにバトンを繋ぐことをできたのでレースプランとしては上手く走れました。(大会記録での優勝について)アンカーのジョセフさんがゴールした時は速報で学生記録の更新が出来なかったので悔しい気持ちでしたが、後から大会新記録での優勝と言うことを知りそれを聞いた時は嬉しく思いました。(今後の目標などお願いします)リレーだけではなく個人の走力をあげて、個人種目、リレーで東洋大学に貢献できるようにしたいです。
TEXT=近藤結希、鈴木真央