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一球入魂
目標を書いた色紙と共にしゃけまるを掲げる細野
井上監督と笑顔の握手
4年生みんなで1枚
ついに夢をかなえた。10月26日、プロ野球ドラフト会議(以下、ドラフト会議)が行われ、北海道日本ハムファイターズ(以下、日本ハム)がドラフト1位で細野晴希(総4=東亜学園)の交渉権を獲得。指名後には集まった報道陣の前で笑顔を見せ、これからのプロ野球選手としての人生への意気込みを語った。
16時半、会見場に現れた細野の顔はこわばっていた。井上監督に声をかけられて、時折笑顔を見せるも、そのタイミング以外は終始硬い表情。緊張感が漂っていた。
17時7分、一巡目指名が始まり中大・西舘や國學大・武内、青学大・常廣、青学大・下村と東都で争ってきたライバルたちが呼ばれる中、細野は呼ばれず。祈るように画面を見続けた。
17時37分、ドラフト会議が始まって30分後。
「第1巡選択希望選手 北海道日本ハム 細野晴希 投手 東洋大学」
待ちに待った瞬間が訪れ、会場からは大きな拍手。細野も少し和らいだ表情を見せた。喜びにあふれる中、千葉ロッテマリーンズからも指名され、指名が重複。細野も自身の行く末を見守った。
抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得。この時初めて細野の顔から緊張の雰囲気が消えた。
「プロ野球選手というのは幼いころからの夢だったので、こうやって指名していただいて本当に嬉しい」と喜びを見せた細野。高校3年時に、4年後にプロへ行くことを決意し、東洋大で大きく成長した左腕は、晴れやかな希望に満ちた笑顔でプロの世界へと歩んでいく。
■細野投手囲みコメント
ーー悔しい思いも
悔しい思いもありました。
ーー”ほ”という文字が呼ばれるのを待っていた。ないなって気持ちはありましたか
ありました。違う選手が呼ばれる中でまだかなって。
ーー伸ばしたいのびしろ
やっぱりもっとゾーンの中で勝負できたら楽になると思うので、コントロールの面で自分の中で伸び代かなと思ってます。
ーー記憶にある井上監督からの厳しい言葉
具体的にはあんまり覚えてないんですけど、まあそのときランニングとか結構後ろの方で走ったりしてたんですけど、そういう姿を後輩は見てるからおまえ自分の立場をもっと考えろっていうのだったり、個人練習してるのはよくわかってるからグラウンドでもっとみんなの先頭に立ってやれよっていうふうに言われた記憶があります。
ーーそこでエースとしての自覚が芽生えたのか
エースというか副キャプテンとしてのあり方というかそういうのに少し気づけたような気がしました。
ーードラフト前日はどのように過ごしたか
そんないつもと変わることなく、、同期のやつが誕生日だったんで誕生日祝ってました。
阿萬田 (営4=津田学園)っていう学生コーチなんですけど
ーー緊張で眠れなかったりはなかったか
なかったですね
ーー同じ速球派ピッチャーの佐々木朗希選手(現千葉ロッテマリーンズ)について
同い年なんですけどもうプロの世界で日の丸背負って投げてる姿とか見てるので、今だったらもうほど遠い存在というかまだまだ同じ土俵に立つにはちょっとまだ早いかなという感じです
ーー佐々木朗希投手に追いつくために伸ばしていきたいところはあるか
まあやっぱりさっきも言ったんですけどコントロール。あとはその中で真っ直ぐの強さとかも求めていけたらいいなと思います。
ーー目標の中に最速ピッチャーのエスコバー選手(元横浜DeNA)などは入るか
球速だけを追い求めるのはちょっと違うと思うんですけど、しっかり一軍で結果残せるように練習してた結果がそういうふうな「最速」っていう結果が出たらそう言うのがベストかなと思います。
ーー佐々木選手にあったことは
ないです
ーーU18選考会で佐々木朗希選手を意識するようになったか
テレビですごいみてたのであのとき。ジャパンで候補に上がったっていうのはそうですけど、同世代なんで関係なしに気になっている
ーーなかなか呼ばれない中での心境は
ダメかなとは思わなかったです。待っているときはプロに入ってから同級生たちに負けないようにやろうという気持ちが強くなってます。
ーー北海道のイメージは
中学の修学旅行でしか行ったことなくて…(遠征とかも?)ないです。
ーー行った時のイメージは?
中学なのであまり覚えてないですけど、その時は海鮮系を食べておいしかった思い出があります。あと寒そうなイメージがあります。
ーー何月くらいに行ったの
覚えてないです。でもその時にボートとかを漕いで汗をかいてたんで多分夏だったと思います。
ーー北海道のどこ行ったの?
釧路?ですかね。網走監獄の方に行きました。
ーー札幌は?
行ったことないです。
ーー新庄監督について「人と違うことをするのを恐れない」とおっしゃっていた。細野投手がプロの舞台で違いを出していきたいところとかありますか
今のスタイルでも大学生の中だったらみんなとは違う感じかなと思っているのでそこの良さは残してやっていきたいと思っています。
日本ハムの先輩で話で聞いてみたい選手は
伊藤大海投手です。一流の方に話を聞いてみたいです。
ーー代表合宿で佐々木朗希投手と会ったりは
大会が当日かぶっていて、東京の高校の選手はみんな行けてないので佐々木投手にはあったことない。プロで会えることは楽しみです。
ーー中学生の頃の身長は
あまり覚えてないですけどまだ小さかったです。
ーー体が小さい選手への言葉などありますか
体の大きさはそんなに関係ないと思うので、あきらめないでやっていたら結果はついてくるということは伝えたい。
ーー親への恩返しなどは
具体的に買おうとかはないんですけど何かは渡したいです。
ーー阪神の村上投手(令3総卒=智弁学園)とは
話したことはなくて、ずっと見てるだけみたいな感じでした。1年と4年の関係です。
ーー同じプロの舞台に立てることは
プロの世界で活躍するというのは本当にすごいと思いますし、大学時代に見ていた村上さんは本当にすごかったので村上さんが通用しなかったらとすごい自信を無くしていた時期もあったんですけど、ああいうすごい人がすごい結果を残したので、僕としても村上さんに追いつけるように頑張ろうと思いました。
ーー1年目の目標は
どこで投げるかとかまだ全然わからないので、まずは開幕からずっと1軍でやれるのがいいのかなと思ってます。
TEXT=成吉葵・PHOTO=宮谷美涼