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第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月12日(土)東洋大学総合スポーツセンター
東洋大69ー76日大
11|1Q|20
14|2Q|17
17|3Q|23
27|4Q|16
スタートメンバー
2 山口健大(済3・桐光学園)
25 島崎脩(ラ3・松本蟻ヶ崎)
29 岩淵俊也(済2・新潟商)
54 マッカーサーエリックジュニア(国1・デイナ)
88 山本大貴(済3・市立船橋)
中村はカットインとスリーポイントを巧みに使いディフェンスを惑わせた
「(中村を)見習っていきたい」と話す島崎も懸命にゴールを攻めた
リーグ戦3戦目は日大との対決。4Qを27―16と今季初リードを奪うも、前半までの点差が響き惜しくも初勝利を逃す。しかし、開幕2試合とも不調であった中村(済3・幕張総合)が本来の姿を取り戻し、攻めの姿勢でチームをけん引した。
勝利は目前だった。「(この1週間)ディフェンスを頑張るという目標でチームづくりをしてきた」という中村の言葉通り、開始から攻めるディフェンスで日大に食らい付く。外からも中からも攻撃を仕掛けてくる日大に、ファールを取られながらも必死に足を動かした。しかし、いざ攻撃になるとフォーメーションオフェンスがうまくいかず、シュートまでいくことができない。さらに、主力の山本(済3・市立船橋)と山口(済3・桐光学園)のシュート率が上がらず、中盤は日大に流れが傾いた。3Qでは18点差をつけられ、前戦までの悪夢がよぎったが、これまでゲームを回さなければならないというプレーシャーに苦戦していた中村が覚醒する。「意識を得点を取りにいこうという方向に変えた」と気持ちを切り替えた中村は、積極的に相手の防御線に入り込んでいく。これを止めようとディフェンスが下がると、すかさずスリーポイントを打つ。「思い切りよくシュートを打っていた」と同じポジションの島崎(ラ3・松本蟻ヶ崎)が評するように、中村の放つシュートは吸い込まれるようにゴールに沈んでいく。残り1分で一桁まで点差を詰めたが、逆転するには時間が足りず69-76で試合を終えた。
「3連敗になってしまったので、次は勝って勢いをつけてリーグ戦を戦っていきたい」。次は2部1位の大東大との対戦。昨年6位の東洋大にとっては厳しい相手となる。しかし、ディフェンスから攻めるという持ち味を発揮する場面が多く見られたこの日大戦は、これからの希望が見える戦いとなった。
■コメント
・目(さっか)監督
前回よりは良いけど途中がもったいなかった。この1週間、ディフェンスを中心に練習をしてきて、準備していたゾーンプレスとマッチアップゾーンは効いたが、オフェンスで決め切れなかったことが敗因。あと、山本と山口の調子が悪い。エースで頑張らなければならないのに、この二人はオフェンスがやり切れてもディフェンスが頑張りきれない。でも、他の選手が頑張ってくれた。特に中村と小川。途中交代の選手がよくやってくれた。次も強いから、なんとか苦しめて隙があれば勝ちたい。
・中村(済3・幕張総合)
前回までが悪かった分、2勝したいという気持ちで戦ったが、やっぱりまだまだ改善点が多くて負けてしまった。オフェンスの調子が良くないときに、ディフェンスで持ちこたえられるようにしたかった。ディフェンスを頑張るという目標でチームづくりをしてきたので、そこが崩れてしまうと雰囲気も悪くなってしまうので、チームディフェンスをしっかりやらなければいけないと思った。この1週間で、前回の悪い部分を引きずらないで切り替えていこうと話していた。個人的には意識を得点を取りにいこうという方向に変えたので、最後だけだけどそれができたと思う。今日は島崎が一番頑張ってくれた。スターティングメンバーに選ばれたのは今週からだけど、得点能力が求められているところでしっかり決めてくれた。今日で3連敗になってしまったので、次は勝って勢いをつけてリーグ戦を戦っていきたい。
・島﨑(ラ3・松本蟻ヶ崎)
1Qと3Qの出だしで相手のスリーポイントを止めきれなかったことが敗因につながった。あとはディフェンス。4Qはプレッシャーをかけたら相手のシュートも落ちていたので、最初から激しいディフェンスができていたら良かった。(今日はスタートからの起用だったが)自分の持ち味であるスピードを生かして、アーリーオフェンスで点を取りにいけと言われた。あとはディフェンスでしっかりプレッシャーをかけろと。自分は点を取りにいくことが求められていると思うので、プレー時間が長くなった分、もっと自分で点を取りにいかなければいけないと思った。(中村選手の調子が良い印象だったが)思い切りよくシュートを打っていたことと、点を取りにいこうという強い気持ちがあったからだと思う。そこは自分も見習っていきたい。(4Qでの作戦は)前からゾーンプレスをして、ディフェンスで攻めて相手を封じること。あとはアーリーオフェンスで中村がボール運んで自分から攻めていたことは良かった。今、連敗しているから1勝が欲しい。相手はディフェンスのプレッシャーが強いと思うが、それに負けないように自分たちもディフェンスからしっかりプレッシャーをかけていきたい。あと、リバウンドを取ってアーリーオフェンスにつなげていければ良いと思う。
TEXT=木谷加奈子 PHOTO=高橋雪乃