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2015.09.13
硬式野球

[硬式野球]「真面目な男」法岡 復帰登板で成長見せた

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・東農大2回戦

9月13日(日)東農大グラウンド

東洋大0-3東農大

(イニングスコア)

2回戦

東農大

東洋大

(東洋大)

●法岡(1敗)、増渕、甲斐野、片山翔、―城戸、後藤田


打順                     

守備

名前

(遊)

阿部健(営3・帝京)

(中)

安西(営3・聖光学院)


打右木村(営4・愛工大名電)

(二)林(営4・桐生一)


田中将(営2・帝京)

(指)

中川(法1・PL学園)

(中)

笹川(営3・浦和学院)

(一)

鳥居(営3・愛工大名電)


久保(営3・桐蔭学園)

(捕)

城戸(営3・常葉橘)


後藤田(営4・東洋大姫路)

(三)

冨澤(営4・愛工大名電)


(左)大川(営4・PL学園)
原澤(営2・前橋工)
竹原(法1・二松學舎大附)


宝楽(営2・PL学園)




名前

法岡(営4・穴水)

4回1/3

16

増渕(営4・鷲宮)

1回1/3

甲斐野(営1・東洋大姫路)

3回

11

片山翔(営2・大社)

1/3


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脇腹の痛みを感じさせない、堂々とした投球で相手打線を封じ込めた法岡。



 故障から復帰した法岡(営4・穴水)が公式戦初先発。5回途中被安打2、1失点に抑える好投を見せた。白星こそ付かなかったが、4年目でようやくチャンスをものにした。


 自分にできる仕事を全うした。五回、犠打で1死を取ったところでマウンドを後続に託した。「後ろに増渕(営4・鷲宮)と原(営4・東洋大姫路)がいるのでいけるところまでいこうと思って、打者1人ずつ全力で投げました」。与えられたチャンスで粘り強く投げ自責点1、しっかりと試合を作った。

 不安を自ら一蹴した。「春は原に頼り切りだったので、秋は自分たちが勝って少しでも原を楽にしよう」と意気込んだ矢先、8月の神栖キャンプで脇腹を痛め開幕メンバー入りが絶望的となった。「悔しかったし、原に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」。それでも法岡は諦めなかった。ずっと張りを感じながらも、打撃投手を務めるなど少しずつ調整を続けた。体のケアにも以前より時間をかけるようになり、痛みは和らぎ調子も上がってきた。そして、再び戻ってきたマウンド。初めは「痛みが再発するんじゃないか」という不安に駆られながら、ブルペンでは力をセーブして投げた。しかし、いざ試合が始まれば「全く気にならなかった」と躍動。高橋監督も「低めに来る直球が良かった。よく投げましたよ」と、敗戦の中で収穫を口にした。

 元々、実力は高かった。甲子園出場こそないものの、高校時代から最速147㌔の逸材として注目された。大学入学後も、直球の勢いだけなら原にも引けをとらないという力強い投球を武器に二軍戦ではほとんど打たれたことはなかった。

 誰に聞いても「真面目な男」。メンバーを外れ、自主練習になったときでも法岡は絶対に手を抜かない。そこには、忘れられない悔しさがある。昨春日大2回戦、最終戦でメンバー入りを勝ち取った法岡だったが、救援で登板した初球のスライダーを本塁打にされた。「自分が起用された意味を全くわかっていなかった。準備不足でした」。自信のある直球ではなく、簡単に初球の変化球を打たれたことで高橋監督は法岡を厳しく叱責した。

 それからおよそ1年半、今日の先発はグラウンドに到着してから告げられた。それでも「しっかり準備はできていた」と、今度は力のある直球を投げ込み4年目の成長した姿を見せた。「真面目にやっていれば必ずいいことがあると思ってやってきた」。ラストシーズンでようやく出た結果は、決して偶然ではない。苦労しながら磨かれた努力の結晶。「与えられた場面に全力で、100パーセント。ここまできたらチームが勝つためにどんな場面でも必ず抑える」。チームにまた一人、頼もしい男が帰ってきた。



■コメント

・高橋監督

コメントもないね。完敗です。いかんせん打線が良くない。法岡はオープン戦も良かったから。低めにくる真っ直ぐが良い。1失点は仕方ない、よく投げましたよ。甲斐野は経験が大切です。来年もあるから。今日はよく投げた。

相手の方が向かってくる気迫を感じた。凡打でも必死になってやっている。うちは情けない。メンバーの入れ替えもしていかないと。

・法岡(営4・穴水)

いきなりだったので緊張もあったが、後ろに増渕と原がいるのでいけるところまでいこうと思って、打者1人ずつ全力で投げました。(脇腹の)痛みは投げているときは全く気にならなかった。今日は丁寧に低めを突いて、思ったところに投げられた。調子は良くなってきている。ピッチャーが点を取られなければ負けない。今日は1点取られてしまったので、ここまできたらチームが勝つためにどんな場面でも必ず抑える。

・城戸(営3・常葉橘)

昨日途中から出ていて緊張感は特になかった。無駄な失点、ミス絡みでの失点をしてしまった。法岡さんも久しぶりの登板だったので、もう少し自分が助けてあげられたらよかった。先に相手を読むとか、もう少し冷静になってやれたのかなと思う。昨日出たことで変な余裕を持ってしまった。甲斐野は自分が受けている中で今日が一番いい投球をしてくれた。負けて反省の弁は色々出てくるが、その中でも甲斐野のあのピッチングはチームにとってプラス。投手陣が少ない中でいい兆しが見えた。スイッチの入れ方をこの秋のリーグ戦を経験して上手になった。相手は振りにきていたのでそれを逆に取れば、ピッチャーにはもっと楽なピッチングをさせてあげられたと思う。もっと相手を研究して、準備を怠らずに万全の状態、これ以上準備し切れないっていうぐらい準備することが大事。


TEXT=浜浦日向 PHOTO=伊藤拓巳