記事
リーグ戦を終えてから冬を越え、季節は春になった。新たに15人のルーキーズも迎え、新チームは目標の「日本一」に向かってすでに走り出している。今年度の主将を任されたのは、昨年首のけがを乗り越え、リーグ戦全試合で先発出場を果たした不動のPR・笠巻晴太(済4=北越)。今回は、主将として迎える笠巻の大学ラグビーラストイヤーへの意気込みなどをお届けする。(取材日・2月19日、聞き手=北川未藍、福富善)
ーー今年度を振り返って
個人としては課題が残り、チームとしても最後悔しい結果になってしまいましたが、これが悪い経験ではなく、良い経験だったととらえて今年も頑張りたいと思っています。
ーー新チームのキャプテンに指名された時の率直な気持ちは
最初はあまり実感がなかったというか、どちらかというと緊張というか不安のほうが大きいです。(主将就任が決まったのは、)リカバリーの日にスターバックスに呼び出されて、そこで急に。今回は監督の意向もあったけど、ほかの選手たちの面談を通して選ばれました。
(自分がキャプテンンに選ばれる自覚は)ちょっとあったけど、「やるよ」と言われるまでは全くなかったです。
ーー務めるにあたって、目標や決意は
ポジション的に、プロップは周りを動かすことを試合中にできるポジションではないので、どちらかというとあまり目立たないところでコツコツやっていく感じかなと思います。普段から自分で全員を動かすというよりかは、自分がやるべきことを少しずつやっていこうと思っています。無理にやるのではなくて、そこはできる人に頼って自分は自分ができることをやろうかなと思います。
ーーどのようなチームにしていきたいか
去年は大学選手権に出れずに終わってしまって、それから勝てるようになりたいと思っていますし、去年からメンバーはFWがあまり変わっていないのでスクラムだったり、ラインアウト、モールとかのセットプレーをどこのチームにも負けないようなチームにしたいです。
また、人としてかっこいいようなチームになれるように頑張りたいです。
ーー春季大会の目標は
自分たちがどれくらい対抗戦のチームに通用するのかを試せればいいかなと思っていますし、そこで課題が絶対に見つかると思います。相手も強いので負けることもあるかもしれないけれど、そこからどういう風に解決できるかが楽しみなところだと思います。
ーーキャプテンとしての理想像は
チームは僕たちの学年以外全員が後輩なので、最終学年として(後輩から)この人のために、この学年のために試合で勝ちたいと思ってもらえるような、(たくさんの人から)応援したいと思ってもらえるような人間になれるようにと思っています。
ーー今年度のチームから引き継ぎたい点、また伸ばしたい点は
FWなどといった強みを引き継いで、さらに強化していきたいです。
メリハリは今までと比べて、やるときはやっているし、休む時は休むことができていてそういうところも引き継いでいければなと思います。
ーーまずは春季大会に向けて、チームとしてすべき部分は
身体づくりをすること。対抗戦のチームやリーグ戦の同じくらいの力を持ったチームに対して体で負けないようなチーム作りを今は取り組んでいくべきだと思っています。
ーー個人的に伸ばしたいところは
スクラムで勝てるようにしないと試合運びがうまくいかないときがあるので、スクラムを伸ばしていきたいです。
あとはコミュニケーション能力ですかね。人前で話すこともそうですし、声が小さいところがあるので声を出していきたいです。人が聞いていてわかりやすい話をしたいですし、キャプテンということもあるので皆の前で話すときに締まらない感じがないように伸ばしていきたいです。
スクラムを組むFW陣(笠巻は手前)
ーー改めて、個人の目標とチームの目標を
新チームが始まってから具体的には決めていなくてこれから全員で話し合っていくことになると思うんですけど、日本一を目指すこと。そのためにはリーグ戦も優勝しないと日本一も到底かなわないと思っているので、リーグ戦優勝と日本一を掲げたいです。
(去年の大学選手権決勝を現地で見て)国立で試合をしたいと思いました。一つ一つの精度が高くて、どれだけパスがうまくても(決勝に)残っているチームはフィジカルが強いチームだったので、今の時期から身体づくりをすることは大切だと選手権を現地で見て感じました。
ーー最後にメッセージを
ここで活動できているのは当たり前のようで当たり前ではないと改めて感じています。ジムやグラウンドといった施設が当たり前のようにあって、いつでもラグビーができる環境に感謝しかないと思っています。それらを支えてくださっているすべての人に感謝したいというのと、試合に勝って恩返しができるように今年1年間頑張っていきます。
◆笠巻晴太
生年月日/2003.01.30
身長・体重/177・111
ポジション/PR
PHOTO=北川未藍