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2024.03.10
サッカー

[男子サッカー] 「目標は得点王」FW町田とMF増田のゴールでJ1・東京ヴェルディに勝利!

トレーニングマッチ

2月26日(月)AGFフィールド


東京ヴェルディ1ー3東洋大

〈得点者〉 

77分 町田

79分 町田

81分 増田


チームメートとゴールを喜ぶ町田(左)


左サイドで幾度となく突破を見せ1Gの増田


29日、J1リーグに所属する東京ヴェルディと東洋大とのトレーニングマッチが行われ、FW町田悠(国3=三菱養和SC・Y)の2ゴールとMF増田鈴太郎(国3=東海大相模)のゴールで3-1と金星をつかんだ。


 二人の上級生の活躍で、来季の躍進を期待させる大金星だ。天皇杯予選学生系の部が始まる約一か月前に行われた今回のトレーニングマッチ。昨季のヴェルディとのトレーニングマッチでの対戦成績は、1分け1敗なだけに勝利をつかみたい中でキックオフを迎えた。


 1本目の45分では、MF湯之前匡央(国2=柏U-18)がライン際でキープ力を見せつけると、果敢にシュートを狙う場面も有り、好調をアピール。その後も何度か得点機はあったものの、先制点を奪うことができない。


 スコアレスドローのまま前半終了かと思われた45+1分、右サイドの崩しからヴェルディに先制点を許す。昨季も何度か見られたアディショナルタイムでの失点が再び散見される形となった。


 メンバーの入れ替えがあった後半、2枚の切り札が結果を残す。前半は向かい風での戦いを強いられた東洋大だったが、エンドが変わったことで追い風の中で攻撃が可能に。


 「前半は向かい風で、高いボールとかがあんまり通らなかったので、工夫とかはみんなしていたと思いますし、後半は風を利用してドンドン前から行ってという点の取り方だった」と増田が語るようにチーム全体が攻撃時は風をうまく利用したロングボールで攻め、守備時は向かい風の影響でビルドアップに苦しむ相手守備陣にハイプレスをかけ続けた。


 その姿勢が功奏したのが77分と79分、2点とも同じような形でヴェルディの最終ラインからボールを奪うと、町田が2つの決定機を沈め、逆転に成功する。「自分が点を決めてチームを勝たせたい」と思っていた通りの活躍を見せた町田は「結果として形を残せたのもデカいし、監督へのアピールにもなったかなという事で、めっちゃうれしいです」とはにかんだ。


 逆転に成功した東洋大は一気に畳みかける。81分にも再三のプレッシングからボールを奪うと、今度は町田のラストパスに増田が反応。2点目を奪った際に鋭いドリブル突破で好調をアピールしたアタッカーが、得点という目に見える形でも結果を残した。試合は、その後大きく様相が変わることなく3-1で終了。東洋大がヴェルディ相手に金星をつかむ結果となった。


 オリジナル10の強豪相手に2ゴール1アシストを記録した町田。J1の守備陣と対戦した感想を尋ねると「この相手にやれないとプロにはなれないので、やれなきゃいけない」と目をギラつかせながら、プロ内定を見据える。


 今季の大学リーグでの目標は「得点王」。「プロになって、点を取りまくってチームを勝たせられる」と理想像を語る姿からは、FW室井彗佑(R3年度国卒=横浜FC)以来2年ぶりとなる東洋大からの得点王誕生を予感させた。


 一方、もう一人の立役者である増田は意外な力の源を教えてくれた。オフシーズンには「少し下半身の筋力を増やして、体脂肪を減らして」と体脂肪の燃焼と下半身の筋肉を強化。体脂肪を落とすためには食生活の改善が必須。そこで増田がよく摂取しているのが、魚の塩焼きだという。「特にホッケが好きですね(笑)」と幸せそうな笑顔を見せた。


 「この試合だけで完結しない」と3年生MFが残した言葉の通り、天皇杯予選まで残り1か月ある。シーズン開幕時、スターティングメンバーに名を連ねるのは、フィジカルの強さと高さを持つ町田と無尽蔵のスタミナを持つ増田なのか、はたまた新たなヒーロー候補が誕生するのか。新生・東洋の可能性は無限大だ。


▪️コメント 

・町田悠(国3=三菱養和SC・Y)

自分は後半、チームが負けている状況から出て。自分が点を決めてチームを勝たせたいという気持ちで入りました。

(その結果の2得点。自身の活躍がチームの勝利に結びつきました。今のお気持ちは)

めっちゃうれしいしか言えないですね(笑)。シーズン前に2得点1アシスト。結果として形を残せたのもデカいし、監督へのアピールにもなったかなという事で、めっちゃうれしいです。

(今後4年生になるにあたり、内定や特別指定選手も視野に入る。今回の試合で活躍できたことはヴェルディへのアピールになったと思いますか)

ヴェルディだったり、ヴェルディ以外も見に来てくれている人がいると思うので、(アピールに)なったと思いますね。最高です。

(高い位置でのプレスから得点が生まれていましたが、チームで意識はしていましたか)

練習から、前からプレッシャーにいってはめに行こうというのをやっていたので。それがうまくはまったし、練習の成果を出せたのかなと思っています。

(相手はJ1チームの守備陣でしたが、印象はいかがでしたか)

やれなくはないかなと。この相手にやれないとプロにはなれないので、やれなきゃいけない。

(天皇杯予選もこれから待っている中で、学生の部を勝ち抜くことができれば社会人とも対戦します。ここで戦えないと、社会人チームに勝って天皇杯に行けないということですか)

天皇杯にも行けないし、プロにもなれないと思います。

(ここで活躍できたのはかなりの自信になりますか)

めっちゃなります(笑)。

(新シーズンに向けての目標は)

目標は得点王。チームで優勝とかもあるんですけど、プロにならなきゃいけないと思ってやっているので。自分が得点を取れれば優勝に近づけると思っています。

(ファーストチョイスのFWになることも重要になってくる)

そこはマストで。とにかくたくさん点を取って、プロになって、点を取りまくってチームを勝たせられる、という感じです。

(最後に一言お願いします)

プロになるために努力をしてきているので。やっていることが結果につながって、得点王になれれば最高かなと思います。


・増田鈴太郎(国3=東海大相模)

天候とか風とかは難しいところがあったと思うんですけど、相手も同じだったので、そういうマインドセットのところは大事にして。僕は2本目の途中からだったんですけど、今は開幕前でメンバーの競争もあり、結果が欲しかったので。まずは結果を残せて良かったと思います。

(風の話がありましたが、ボールが大きく曲がったりなどはありましたか)

ボールが曲がるというよりは、後半は追い風だったんですけど、(蹴ると)ボールが結構伸びるので。前半は向かい風で、高いボールとかがあんまり通らなかったので、工夫とかはみんなしていたと思いますし、後半は風を利用してドンドン前から行ってという点の取り方だったので。そこは風を良いように利用できたかなと思います。

(落下地点の予測も難しくなりますか)

一本キーパーからロングボールがあったんですけど、追い風でちょっと(ボールが)伸びるかなということで、押して落下地点に入れたのはよかったと思いますね。

(マッチアップの選手の感想を教えてください)

技術のところは高いし、切り替えの部分。僕が入った時は結構きつかったので。そこに慣れるのに時間はかかりましたけど、落ち着いてからは、2点目のところもそうですけど、自分のドリブルとかが通用して、対応できていたかなと思います。

(今日の試合はスタメンに向けて大事な一戦になったと思いますか)

今日の試合もそうですけど、この試合だけで完結しないで。来週もまたゲームがありますし、どんどん試合は入ってくるので。日々の練習からそういうのを意識して、チーム内で競争していけたらと思います。

(オフシーズンで強化した点があれば教えてください)

休むところは休んで、少し下半身の筋力を増やして、体脂肪を減らしてという感じでした。

(体脂肪はどのように落としましたか)

食事のところで摂生はしています。

(魚メインにするとか)

そうですね。

(逆にこれ食べちゃダメみたいなのはありますか)

ジャンクなものは取らないようにして。一人暮らしなので、結構料理はするんですけどあんまり苦ではないんで、楽しんでます。

(ちなみに得意料理は)

魚の塩焼き、旨いです。特にホッケが好きですね(笑)。

(最後に一言お願いします)

前回の練習試合はスタートだったんですけど、今日は2本目ということで。そういう時にやることを変えずにやる、基本のところをこれからも意識してやっていきたいと思います。


TEXT/PHOTO=髙橋生沙矢