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平成27年関東学生アメリカンフットボール秋季リーグ戦
9月20日(日)東京工業大学大岡山グラウンド
東洋大22-14東学大
7|1Q|14
2|2Q|0
6|3Q|0
7|4Q|0
TDを決めた川嶋は攻守共に活躍した
強固なディフェンスで相手を圧倒する
目標の1部昇格に向け、敗戦は避けたい2戦目。対戦校は格上の東学大だ。第1Qは先行を許すが、ディフェンス陣が奮起し第2Q以降失点はゼロ。後半はオフェンス陣がTD(タッチダウン)を2回決め逆転し、今季リーグ戦初白星を挙げた。
爽やかな秋晴れの中、今季リーグ第2戦を迎えた。試合開始直後にQB時崎(社4・八千代松陰)がロングランからのTDで先制点を奪い、好調な出だしとなった。しかし第1Q終了間際に相手チームにTDを決められ、同点に追い付かれる。さらにその直後にファンブルリカバーされ、そのまま連続でTDを取られてしまう。第2Qでは相手のミスによりセイフティーで2点を獲得するも攻め切れず、前半は9対14で折り返した。だが、ここからチームのエンジンがかかり始める。第3QではQB時崎からのパスをWR大森(ラ4・東京)がキャッチしTDを決める。ポイントアフタータッチダウンのキックを相手に阻まれたものの再びリードを奪う。第4QにはWR鳴島(文2・聖望学園)の30Yのロングランなどでエンドラインに近づくと、残り17YからパスキャッチをしたCB川嶋(食3・佼成学園)がTDを決めた。さらにディフェンス陣は相手ボールをインターセプトし、追加点を許さない。最後はTB山形(済4・成城学園)がランで粘り強く攻撃権を守り、試合終了のホイッスルが鳴る。22対14で勝利。グラウンドには歓喜の声が響き渡った。
「ディフェンスはすごくいい仕事をした」と西村ヘッドコーチが評価するように、今回はディフェンス陣の活躍が目立った。第2Qから無失点で相手を抑え込み、夏の練習の成果がうかがえる。一方、オフェンス陣はランプレーの要である山形がマークされ苦しい状況だった。そんな中パスキャッチで存在感を発揮したのが1年生の田松(ラ1・秋田南)、川島(ラ1・岡山城東)、大西(国1・関東国際)の3人のレシーバーだ。ランプレーができないため、パスを中心とした攻撃を強いられる形となったが、果敢にボールをキャッチし、チームの勝利に貢献した。1年生が活躍を見せることによって、チームの雰囲気も盛り上がってくる。今後の若手の成長がチームの勝敗を左右するカギとなるだろう。
序盤に失点したものの、オフェンス、ディフェンス共にミスも少なく、前回の試合で課題として挙げられたメンタル面の弱さは感じられなかった。今日の1勝を次の試合につなげ、勝ち点を重ねていきたい。
■コメント
・西村ヘッドコーチ
(今日の試合を振り返って)いつも立ち上がりが悪かったので、先制点を取れたことでチームの勢いをつけることができた。後半の立ち上がりもディフェンスがファンブルをリカバーしてくれたことで、すぐにオフェンスが回ってきて相手のミスをこっちの点数につなげることができた。その後も0点に抑え込んで頑張ってくれたので、ディフェンスはすごくいい仕事をした。こっちがタイムコントロールをできて、ずっと試合を持っていけたことが今日の試合の勝因。結果的に見ればまあまあいい試合だったと思う。(活躍した選手は)ディフェンスではDTの大出やLBの長岡、長嶺、茂見がタックルで結構止めてくれた。オフェンスに関してはランプレーが思っている以上に警戒されていたので上手くいかなかった。だが、その分1年生の田松、川島、大西の3人のレシーバーがパスキャッチで活躍した。1年生が頑張ると盛り上がってくるので、チームの雰囲気が良かった。(反省点は)今日はランプレーがマークされて出られなかったが、それを打ち破らなければならなかった。オフェンスラインが今回落第点かな。ランプレーで相手に嫌なイメージを植え付けながら、パスを投げたりして裏を取るプレーを考えていたけれど、出すべきものが出せなかった。原点に戻って、ランプレーから練習していきたい。(次の試合に向けて)最初の4試合はいろんな意味でしんどい山場だと思うので、そこで勝つ。勝つためにもう一回気持ちを引き締め、できていなかった課題は潰してしっかりと次の試合に備えていく。
・永藤主将(総4・佼成学園)
(今日の試合を振り返って)とにかく勝てて良かった。去年の敗因に体力負けが多かった分今年は走り込んでいたので、それが後半の攻めに生きてきたと思う。(第4クォーターでのターンオーバーについて)流れを変えることができたし、ディフェンスがよく踏ん張れたことは良かった。(次戦に向けて)強いところから試合が当たっていくのでまだまだ気を抜けない戦いが続くが、1部昇格への目標へと気を引きしめて向かっていきたい。
・大森(ラ4・東京)
率直に勝ててよかった。要所要所で(ダウンが)とれてよかったが、それはラインの頑張りやQBが見てくれていたから。自分はキャッチするだけだった。まわりのみんなのおかげ。(試合を分けたポイントは)ディフェンスが要所要所で粘ってファンブルなどを誘ってくれた。自分たちもその代わりにタッチダウンをとれた。ディフェンスがすごい頑張ってくれたから。(昨年のチームとの変化は)春から例年とは違う練習をしてきて、かつ一部昇格という目標を、入れ替え戦に行くことではなく入れ替え戦で勝つという意味でやり続けてきた。そういう中で、初戦の引き分けはほぼ負けに等しかったがそれでも黒星がまだついてないのは大きいと思う。(個人の目標は)キック100%。一試合につきタッチダウン一回。初戦ではできなかったが今日は取れたし、フィールドゴールは今日はなかったが初戦は3本決めれた。(次戦へむけて)ここまできたらずっと連勝。今からまずは東工大戦にむけて準備したい。次の試合もここ(東工大大岡山G)なのでいいイメージを持ったまま次の試合も臨みたい。
・山形(済4・成城学園)
試合の入りを大事にしているので、序盤から格上のチーム相手にアグレッシブになれたことが良かった。ディフェンスがファンブルリカバーしてから、オフェンスがTDにつなげる流れが上手くいった。自分に対してマークが厳しかったなかで、ファーストダウンを取るプレーはできたと思う。(今シーズンから背番号を3に変更したのは)背番号3は憧れていた3年先輩の中丸さんも過去に付けていた東洋大アメフト部RBのエースナンバー。4年生になったら3番を付けたいと思っていた。(次戦に向け)次も格上チームとの対戦になる。今シーズンはリーグの力が拮抗しているので、東工大をぶっ潰すつもりで臨みたい。
・長嶺(済3・函館ラサール)
今日の試合ではディフェンスとオフェンスの二つのポジションが重なっていたが、DL(ディフェンスライン)の選手が頑張ってくれていたお陰で楽に動けた。それに1年生レシーバーの活躍もあって、最初からいい雰囲気で試合ができて良かった。(第4クォーターのターンオーバーでは)キャプテンの永藤さんが相手をサックしてボールを落としてくれたことでこぼれたボールを拾うことができた。(次戦に向けて)今回の2戦目で勝てたことは僕らの目標である1部昇格につながってくると思うので、継続して勝って目標に近づいていきたい。
TEXT=松井彩音ㅤPHOTO=西川諒、吉本一生