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第41回関東女子学生剣道優勝大会
9月19日(土)東京武道館
[試合結果]
1回戦 東洋大 5ー0 横市大
2回戦 東洋大 1(代)ー1 東海大
3回戦 東洋大 2ー1 玉川大
4回戦 東洋大 1ー2 法大
我妻は勝負所での1本が光った
この1年間の成果を見せた田島
代表戦までもつれた2回戦を制すと続く3回戦も勝利。この勝利で悲願の全日本出場を決めた。
初戦は我妻(法4・文学大杉並)が1分も経たないうちに2本勝ちを収めるなど順調に勝ち進む。続く2回戦では先鋒戦を落とすも副将戦で我妻が勝利し五分に戻す。しかし、大将戦では決着がつかず勝負の行方は代表戦へ。見事、田島(ラ2・磐田西)が面を奪い勝利するとこの勢いのまま3回戦も突破した。この勝利で史上初男女そろっての全日本出場を決める。4回戦は同大会2連覇中の法大との顔合わせとなった。敗戦が決まった状況ではあったが大将の田島が意地を見せる。今春、世界剣道選手権大会で優勝した日本代表の一員である高橋萌(4年)から終了間際に1本を奪取し大金星を挙げた。
昨年流した涙はもうどこにもなかった。2年連続下級生ながら大将を務めた田島は大会後満面の笑みを浮かべた。全日本出場を引き寄せたターニングポイントとも言える2回戦の相手は古豪・東海大との顔合わせ。互いに1本勝ちを一つずつ決め代表戦までもつれ込む。代表に指名されたのは大将の田島だったが運命の一戦を前に不安そうな雰囲気を漂わせていた。「いつも自分は代表戦で負けるパターンだった」と振り返るように、1年前の全日本出場がかかった同大会の代表戦で田島は惜しくも敗戦した。その試合後、田島の目から涙が止まることはなかった。それでも1年越しに用意されたリベンジの舞台。主将の我妻をはじめとし「思い切って行って来い」と声を掛けられた。剣道部全体の後押しもあり正確な打突で試合を優勢に進めると最後は面を奪取する。会場は割れんばかりの歓声が溢れた。田島の1年間の成長がチームを全日本出場へ導いた瞬間だった。
悔しさをバネに成長したのは田島だけではなくチーム全体であろう。次なる目標は全日本での優勝すること。一つ上のステージで東洋大が台風の目となる。
■コメント
・板原監督
なんとか全日本に出れることができたので良かった。 まだ足りないところも沢山反省があるので、しっかりと稽古をして、全日本で力を出せるように優勝を目指して頑張りたい。(試合を振り返って)チームワークが一番大事なのでなんとか大将戦までつなげられてよかった。田島は最後まで勝負をしてくれたのですごくいい試合になった。(全日本に向けて) 男女そろって全国というのは初めてなのでとても嬉しい。 でもこれで満足せずに全日本でも頑張りたい。
・我妻(法4・文学大杉並)
去年は悔しい思いをしていたので個人的には思いっきり行こうかなという気持ちだった。緊張はしてなかったので、いつも通りできたと思う。(1回戦の圧勝劇を振り返って)最後だと思って思いっきり行っただけだった。(2回戦は自身の一本で五分に戻したが)後ろにいた後輩も信頼していたのでとりあえず自分が悔いのない試合をすれば良い結果につながるのではないかと思ってやりました。(代表戦の前に田島に何を声掛けたか)下級生だったので思いっきり行って来いとだけ伝えた。最後は大将が(法大相手に)1本取ってくれて全日本に繋がる試合にはなったと思う。次が本番なので次に向けて個人的にもチーム的にも頑張って行きたい。
・田島(ラ2・磐田西)
去年も大将をやっていたので、今回も後ろの2人になると思って前々から準備していた。(昨年からの成長は)自分は代表戦で負けるパターンで、昨年もいつもの負けの感覚だった。今回も代表戦に選んでいただいて状況も昨年と全く同じだったのでこの1年やってきた自分のためにもここで勝たなきゃと思っていた。(試合前は)去年を知っている仲間たちだったので自分が不安そうな顔をしていたときに「負けてもいいんだよ」「思いっきり行って来い」「思いっきりやれば悔いはないから」と言ってもらって自分中でも行くしかないんだと感覚になった。(法大から1本取ったが)世界一になったチームの一員としてやられた方で、雲の上のような存在の人なので、もう自分の前で勝負が決まっていたので思いっきりやった。勝負が決まっていなかったらあの面が出たかはわからない。去年は最後空気を悪くしてしまったが、去年聞けなかった歓声を聞けてうれしかった。(全日本に向けて)会場的にも小さいところなので雰囲気に飲まれるというよりも東洋の雰囲気を出していきたいなと思う。スーパースターが居るチームでもないのでチームワークを出していきたいと思う。
TEXT=村田真奈美 PHOTO=吉川実里