Article

記事


2015.09.26
硬式野球

[硬式野球]プロへの登竜門 原 スミ1今季初黒星

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・青学大1回戦

9月26日(土)東洋大グラウンド

東洋大0-1青学大

(イニングスコア)

1回戦

東洋大

青学大

(東洋大)

●原(3勝1敗)―後藤田

二塁打:林、後藤田



打順                     

守備

名前

(遊)

阿部(営3=帝京)

(右左)

安西(営3=聖光学院)


宝楽(営2=PL学園)

(二)

林(営4=桐生一)

(指)

中川(法1=PL学園)

(三)

田中将(営2=帝京)


冨澤(営4=愛工大名電)

(一)

久保(営3=桐蔭学園)

(中)

笹川(営3=浦和学院)

(左)

木村(営4=愛工大名電)


鳥居(営3=愛工大名電)


小笠原(営4=大社)

(捕)

後藤田(営4=東洋大姫路)




28


                   名前  

●原(営4=東洋大姫路)

26


Image title

自責点1、無四球で完投した原。打たれた安打わずか2本で敗戦投手に。


Image title

プロ注目打者・吉田に浴びた一発が決勝点となった。


Image title

最後は林(営4=桐生一)が二飛に倒れ完封負け。三塁すら踏むことができなかった。



 初回に浴びた先制ソロが決勝点となり、初戦を落とした。原(営4=東洋大姫路)は被安打2、無四球の好投も打線が散発3安打で全く援護できず。カード初戦で初めて黒星を喫した。


 「あの一球でしたね」。初回、青学大の主砲・吉田が放った一撃、右翼の安西(営3=聖光学院)も3歩ほど追って足が止まった。「春はインコースで抑えていたので、打たれるイメージはなかった。初回のふわっとした気持ちでそのままいってしまった」。エースが浴びた先制ソロはそのまま決勝点となり、原に今季初めて黒星がついた。

 切り替えは見事だった。「二回以降は今季一の出来でした」という言葉通り、その後は8回を投げ被安打1。この日も内野ゴロ12個と低めを丁寧に突いて打ち取っていく能力は、8月の巨人との交流戦でも実証済み。その時以来の視察となった巨人・山下スカウト部長も「低めに集めて、左右に投げ分けるコントロールは十分に評価できる内容」というピッチングだった。高橋監督も「悪いと思ってスタートしたけど、ホームランでしっかり切り替えて立ち直ってくれた」とエースの投球を評価。それだけに、悔やまれる「あの一球」だった。

 もう一段、上るべき階段が見えた。普段から「三振をねらいにいくと球数が増える」と、ストライクゾーンで勝負し打ち取ることを心がける。しかし、投手として三振が必要な場面は必ずある。吉田に浴びた本塁打は、フルカウントから捕手・後藤田(営4=東洋大姫路)がボールでもいいと要求したインコースを投げ切れず、中に入ってしまった。あるスカウトは、「三振を取るためにはフォークの精度を上げる、それかインコース高めに強い球を投げる。吉田から空振りを取れなければ、プロでは取れないですから」と話す。今秋ドラフト1位候補の吉田に対し、その後2打席は内野ゴロに仕留めたものの全3打席の対戦で空振りは一つもなかった。プロ入りが有力視されている原。ただ入るだけではなくそこで活躍するために、丁寧さに加えてもうワンランク上の力強さが求められる。

 運命のドラフト会議は確実に迫ってくる。それでも「今は考えない」と原。ドラフト前には優勝チームが決まり、ドラフト後には入れ替え戦が組まれる。「自分1人よりも、(部員)120人のために投げます」。前日までは悪かったという調子も完全に取り戻した。春は連敗で勝ち点を落とした3カード目、主将としてもう負けられない。1人の夢、120人の夢どちらもかなえる秋。全ては原の右腕にかかっている。


■コメント

・高橋監督

ホームランは打たれちゃいけない。吉田は低めの変化球でいって歩かせてもいいくらい。打たれるときはこんなもん。ただ、あそこで4、5点取られたら終戦だった。悪いと思ってスタートしたけど、ホームランでしっかり切り替えて立ち直ってくれた。野手に役者が足りないよ。


・原(営4=東洋大姫路)

初回のふわっとした感じでそのままいってしまった。春はインコースで(吉田を)抑えていたので、打たれるイメージはなかった。高さではなく、真ん中にいってしまった。昨日まで調子は悪かったが、二回以降は今季一のピッチング。ホームランでふっ切れたいうか引き締まった。特にスライダー。これまでスライダーが決まらず、苦し紛れに投げた真っ直ぐを打たれることが多かった。スライダー、シュート、フォークと軸になるボールが今日は多くあった。ワンサイドになれば明日にも響くので、とにかく最少失点でいくことだけを考えた。春も連敗しているので、3週目がヤマ。自分1人よりも(部員)120人のために投げる。


TEXT=浜浦日向 PHOTO=青池藤吾、伊藤拓巳